『グラディエーターII』監督リドリー・スコットが続編の構想を語る【ネタバレあり】
[本記事は、映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のネタバレを含みます。]
映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』の監督リドリー・スコットは、すでに続編の構想を明かし、そのヒントを隠すことなく語っている。
スコット監督は、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』の宣伝中で、公開初週末の興行収入が6000万ドルに達すると見込まれている。間もなく87歳の誕生日を迎えるスコット監督だが、今作で再び戦いの舞台に戻り、次回は20年も待つことなく続編を制作したいと意気込んでいる。
『グラディエーターII』は、ポール・メスカル演じるルシアスが軍の支持を得て、悪役マクリヌス(デンゼル・ワシントン)を打ち負かし、ゲタとカラカラの2人の皇帝(ジョセフ・クインとフレッド・ヘッキンジャー)を倒した後に幕を閉じる。この結末は、疲れ果てたルシアスが権力を手にする機会を得ることになる。
スコット監督によれば、続編はそのテーマを引き継ぎ、『ゴッドファーザー PART II』からインスピレーションを得る予定である。『ゴッドファーザー PART II』では、アル・パチーノ演じるマイケル・コルレオーネが犯罪組織の絶対的なリーダーとなり、その地位を守るためどこまで手を汚すべきか葛藤する。
スコット監督は米ハリウッド・リポーター(THR)に対し、「すでにアイデアはある」と話し、「『ゴッドファーザー』のラストで、マイケルがその役割を望んでいないシーンが印象的だ。アル(パチーノ)にカメラが寄り、彼はすでに手を接吻され、妻を嘘で裏切っている。そして、(ルシアス)はそんな邪悪な存在ではないものの、彼もまた『父よ、どうすればいい?』と葛藤している。ポールがその役割を望んでいないという設定は、とても良いスタート地点だと思う」と述べた。
さらに、スコット監督はフランスの「Premiere」誌に対し、「次回作は、自分のいる場所を望んでいない男について描くことになるだろう」と述べ、イギリスの「Total Film」誌には「すでに8ページ書き上げている。とても良い基盤ができている」とコメントしている。そして、「もし『グラディエーターIII』があるなら、もう一度闘技場に戻ることはないと思う。でも、今回はどうしても戻らなければならなかった…」とも語っている。
一方、メスカルは再び同じ役を演じることに非常に意欲的で、「Variety」誌に「もちろんだ、大歓迎だよ」と述べ、「24年後にはならないと思うけど、いつになるかは全然分からない」と語っている。
スコット監督は、初作に登場した皇帝マルクス・アウレリウス(演リチャード・ハリス)が、ルシアスの物語にインスピレーションを与える可能性があると語っている。初作では慈悲深い人物として描かれ、近年では彼のストイック哲学に関する著作が注目されているが、スコット監督は歴史的な視点で彼に批判的な見方を示した。「彼は現代の独裁者たちと並べられるべき存在だ」と述べ、「自身の行いに罪悪感を抱いていたのではないか。だからこそ『自省録』を記したのだろう」と語った。
THRが『グラディエーターII』の主要キャラクターたちの運命について、別の展開を考えたことはあったかと尋ねた際、監督は「ない」と答えた。「ルシアスは生き延びなければならなかった。母親(コニー・ニールセン)は退場する必要があったし、悪役も去る必要があった」と監督は述べている。
しかし、続編がすぐに実現するわけではなさそうだ。なぜならばスコット監督は2025年初頭にビージーズの伝記映画を手掛ける予定だからである。それでも、近年の活躍を見る限り、監督は非常に精力的であり、別のプロジェクトに素早く取り組むことに問題はないようだ。
※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。
リドリー・スコット監督作品
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