米THRの批評家が選ぶ2024年のTVシリーズベスト10 『SHOGUN 将軍』ほか

米THRの批評家が選ぶ2024年のTVシリーズベスト10 写真: Courtesy of FX; Courtesy of CBS; Courtesy of Apple TV+; Courtesy of HBO (2)
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米『ハリウッド・リポーター』(THR)の批評家が、2024年のTVシリーズベスト10を発表した。

1.『My Brilliant Friend』(HBO)

『My Brilliant Friend』(HBO)写真: Courtesy of HBO
『My Brilliant Friend』(HBO)写真: Courtesy of HBO

原作は、エレナ・フェッランテの『ナポリの物語』シリーズ。2人の女性、リラとレヌの友情を描く『My Brilliant Friend』は、シーズン4で幕を閉じた。殺人や裏切りが絡む最終シーズンは、大きな喜びやショックが次々に押し寄せる。2024年の他のシリーズでは味わえない、重みがあった。

2.『リプリー』(Netflix)

Netflix『リプリー』写真: LORENZO SISTI/NETFLIX
Netflix『リプリー』写真: LORENZO SISTI/NETFLIX

P・ハイスミス原作の本作では、主人公リプリーにアンドリュー・スコットが扮する。ロバート・エルスウィットの驚異的なモノクロ撮影技術によって、壮大さと息苦しさや、絵葉書のような美しさと既成概念への打撃を同時に表現することに成功している。

3.『Fantasmas』(HBO)

『Fantasmas』(HBO)写真: HBO

奇才フリオ・トーレスが放つ異色のコメディーには、印象的なキャラクターやスティーヴ・ブシェミら有名人のカメオ出演、挙げればきりがないほど奇妙な回り道が満載。ブレヒト的で、カウフマン的で、ブニュエル的でありながら、完全なるトーレス・ワールドだ。

4.『ようこそレクサムへ』(FX)

『ようこそレクサムへ』(FX)
『ようこそレクサムへ』(FX)写真: Courtesy Everett Collection

ライアン・レイノルズとロブ・マケルヘニーによる、サッカー・ドキュメンタリー。シーズン3はレクサムA.F.C.の現在進行形のシンデレラストーリーに焦点を当てたが、本当に特別だったのは、不安を抱えやすいカメラマンや100歳のスーパーファンなど、副次的なストーリーを織り込んだことだ。

5.『Pachinko パチンコ』(Apple TV+)

『Pachinko パチンコ』(Apple TV+)写真: Apple TV+
『Pachinko パチンコ』(Apple TV+)写真: Apple TV+

2シーズン目を迎えた本作は、ミン・ジン・リーの原作を見事に発展させた金字塔的作品。今年『SHOGUN 将軍』について語られた好意的な言葉はすべて本作にも当てはまるが、ストーリーテリングの多世代に渡る広がりと、テーマの断片がひとつになったときの解放感のおかげで、それ以上のものになっている。

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6.『SHOGUN 将軍』(FX)

真田広之、アンナ・サワイ、『SHOGUN 将軍』写真: FX
『SHOGUN 将軍』(FX)写真: FX

本作は、原作に対して適切な敬意を払いながらも、必要に応じて賢明で繊細な変更を加えた脚色の優れた例だと言える。制作の質は最高で、豪華絢爛で壮大なストーリーテリング、キャスティングと演技(特に真田広之、浅野忠信、アンナ・サワイに注目)は、これ以上ないほど素晴らしいものとなっている。

7.『シュリンキング:悩めるセラピスト』(Apple TV+)

『シュリンキング:悩めるセラピスト』(Apple TV+)写真: Apple TV+
『シュリンキング:悩めるセラピスト』(Apple TV+)写真: Apple TV+

シーズン2は、誤った選択と温かさに満ちており、非常に面白い一方で切ない。ジミー(ジェイソン・シーゲル)の行動はシーズン1よりも控えめになったが、素晴らしいキャスト陣がそれぞれ道を誤ったりする。そして、ハリソン・フォードのキャリア最高の演技を見ることができる。

8.『Hacks』(Max)

『Hacks』(Max)写真: Jake Giles Netter/Max
『Hacks』(Max)写真: Jake Giles Netter/Max

シーズン3は、これまでで最も安定した内容となった。デボラ(ジーン・スマート)の深夜番組への復帰の試みを通じて、メンターシップ、エンタメ業界での年齢問題、そして笑いの基準の変化についての考察を深めている。そして、シーズン最終回では、シーズン4への期待を高めるような形ですべての力関係をひっくり返した。

9.『イーヴィル: 超常現象捜査ファイル』(Paramount+)

『イーヴィル: 超常現象捜査ファイル』(Paramount+)写真: Elizabeth Fisher/Paramount+
『イーヴィル: 超常現象捜査ファイル』(Paramount+)写真: Elizabeth Fisher/Paramount+

Paramount+によって打ち切りが発表されたスピリチュアルホラーコメディー。悪魔の赤ちゃんや、不吉な「イントロをスキップ」の警告、バチカンの陰謀、そしてドラマが打ち切りになったことへのメタ的な批評が詰め込まれていた。これほど素晴らしいテレビ放送ドラマを、私たちは二度と観ることができないかもしれない。

10.『百年の孤独』(Netflix)

『百年の孤独』(Netflix)写真: Courtesy of Netflix
『百年の孤独』(Netflix)写真: Courtesy of Netflix

脚色への挑戦が目立った今年において、ガルシア=マルケスの映像化不可能とされた魔術的リアリズムの金字塔への挑戦は、おそらく最も大胆なものだった。カメラでマルケスの詩的な言語を映し出したとき、本作は今年の他のどの作品よりも息を呑むような美しさの瞬間を数多く生み出している。

選外佳作:『私のトナカイちゃん』(Netflix)、『一流シェフのファミリーレストラン』(FX/Hulu)、『イングリッシュ・ティーチャー』(FX)、『ゴッド・セーブ・テキサス』(HBO)、『ジョン・ムレイニーPresents: L.A.に全員集合!』(Netflix)、『グランパは新米スパイ』(Netflix)、『Mr. & Mrs. スミス』(Amazon)、『サムバディ・サムウェア』(HBO)、『絶叫パンクス レディパーツ!』(Peacock)、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(FX)

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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