スティーブン・キング、アカデミー賞中止を進言、巻き起こる論争
「ホラーの帝王」とも呼ばれ、数多くのホラー映画の原作を創作してきた作家スティーブン・キングが、今年のアカデミー賞授賞式を中止すべきと発言し議論を巻き起こしている。
キングは、ロサンゼルスの大規模な山火事を受けて、映画界最高の賞であるアカデミー賞授賞式に対し、中止するよう求めた著名人のうちの1人である。
「今年のアカデミー賞には投票しない」と、キングは最近X(旧Twitter)を離れて参加したソーシャルプラットフォームBlueskyに投稿した。「個人的な意見だが、式典を中止すべきだ。ロサンゼルスが燃えている状況で華やかなイベントは不要だ。」
一方で、映画芸術科学アカデミーは授賞式を中止する意向は一切示していない。
米「ハリウッド・リポーター」は昨日、独占記事として2025年のオスカー授賞式は依然として3月2日に開催される予定であると報じている。
アカデミー賞開催の意義と賛否両論
授賞式を予定通り開催すべき理由は明確である。授賞式を中止しても、実質的に被害を受けた人々の助けになることは無い。
しかし、世界中で注目され、トップレベルの視聴者数を誇る「アカデミー賞」を活用し、LA火災の被害者支援のための資金を集めることは、被災者にとって有益であると考えられる。
授賞式を中止するという提案は、このような状況下での一時的な感情に基づくものであり、実質的な利益をもたらさないと指摘する声も多い。
アカデミー賞運営者内でも、「式典は続行すべきだが、(式典を通して)火災救済活動を称賛し、資金を集めるという品位ある形式で実施するべきだ」という意見が主流であると、米「ハリウッド・リポーター」は昨日報道している。
著名人からあがる意見
『Hacks(原題)』で第82回ゴールデングローブ賞ドラマ部門女優賞を受賞したジーン・スマートも同様にアカデミー賞中止を提案した。「視聴者数が2000万人に達するオスカー授賞式の収益を、火災の被害者や消防士に寄付すべきだ」と述べている。
しかし式典中止案には批判も多い。スティーブン・キングの投稿もBluesky内で物議を醸し、左派寄りのフォロワーからも「ショーを中止するのは間違っている」という意見が相次いだ。
「授賞式に関わる映画界の労働者は、コロナ禍や労働組合交渉の影響で数か月、数年間にわたり収入を失ってきた。今は彼らを支えるべき時だ。」
「アメリカは日々の苦痛と困難から逃れるための良い気晴らしを必要としている。エンターテインメントの本質を知っているなら、ショーは続けるべきだ。」
すべての状況を考慮すると、今年のオスカー授賞式は予定通り行われる見込みである。「The show must go on(ショーは続かなければならない)」という古い格言通り、ハリウッドはその使命を果たし続けることだろう。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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