ナオミ・ワッツ、『マルホランド・ドライブ』出演前に演技を辞めかけていた
俳優のナオミ・ワッツが21日、デヴィッド・リンチ監督によって映画『マルホランド・ドライブ』に起用される前に、演技を辞めようと考えていたことを明かした。
「彼(リンチ監督)は、私にとって非常に重要な存在でした。アメリカにいたとしても、デヴィッド・リンチに出会っていなかったら、私はきっと残ってなかったでしょう」と、ワッツは米トーク番組『Live! With Kelly and Mark』で語った。
ワッツは、先週78歳で亡くなったリンチ監督と出会ったのは、ハリウッドで仕事を探して10年が経った後だったと説明。「追い詰められていました。人々を遠ざけていたんです…『仕事が必要です、仕事が必要です』と言って、人を不快にさせていました。実際、当時のエージェントからは『あなたは気が強すぎる。人々を不快にさせている』と言われました」
2001年の『マルホランド・ドライブ』のオーディションについて、ワッツはリンチ監督のキャスティングは非常に特殊な方法だったと語った。
「彼は私を座らせ、ただ目を見て質問をしました。そして、ほとんどの時間、私は『どうやったらこれを早く終わらせられる?きっと適役ではない』と思っていました。なぜなら『私は面白くない、セクシーじゃない、年を取りすぎている、これもダメ、あれもダメ』という思い込みがあったので。彼は私を見て、そういった表面的なものを取り除くことができたのです」
リンチ監督は、『マルホランド・ドライブ』でアカデミー賞監督賞にノミネート。ワッツは、同監督が「友人として本当のメンター」になったと伝えた。ワッツは今週初め、インスタグラムで「彼の芸術だけが私に影響を与えたのではなく、彼の知恵、ユーモア、そして愛はそれまで自分でも気づかなかった自信を与えてくれました」と追悼している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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