アリアナ・グランデとティモシー・シャラメのオスカー賞ノミネートを支えたボーカルコーチ

アリアナグランデとティモシーシャラメットのオスカーのうなずきの背後にあるボーカルコーチ
ティモシー・シャラメ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』、 アリアナ・グランデ『ウィキッド ふたりの魔女』写真:© Searchlight Pictures/Universal Pictures/Everett Collection
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今シーズンのアカデミー賞ノミネートを獲得したアリアナ・グランデティモシー・シャラメだが、その理由の一部に『ウィキッド ふたりの魔女』と『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』での素晴らしい歌唱力があるといわれている。しかし、業界で絶賛されたこのパフォーマンスで、2人が同じ歌唱コーチ、エリック・ヴェトロの指導を受けていたことはあまり知られていない。

エリック・ヴェトロはハリウッドで最も需要の高いボーカルコーチだ。彼は『ウィキッド ふたりの魔女』でのアリアナ・グランデと『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でのティモシー・シャラメをはじめ、多くのスター俳優の歌唱指導を担当している。彼の実績には、アンジェリーナ・ジョリー(『マリア』)、オスカー受賞作でのレニー・ゼルウィガーとエマ・ストーン、そしてオースティン・バトラー(『エルヴィス』)などが含まれる。

「アリアナやティモシーが部屋に入ると、空気が変わります」とヴェトロは語った。「彼らが誰なのか全く知らなくても、『ああ、この人たちには何か特別なものがある』と分かるでしょう」

エリック・ヴェトロ 写真:THR.com

現代のジュディ・ガーランド:アリアナ・グランデの知られざる努力

ヴェトロはグランデが13歳の頃から指導している。『ウィキッド ふたりの魔女』のオーディションに向けて、彼らは週5日、3ヶ月間にわたって準備した。ヴェトロは、グランデの課題は『ウィキッド ふたりの魔女』 で彼女の声をよりオペラ的な効果をもたらすことだったと振り返った。「彼女はベッドから転がり出てすぐに高いC音を歌えます。彼女の体には曲がすべて染み込んでいます」とヴェトロは言う。グランデの演技力についても言及し、「歌に自信があったからこそ、彼女のコメディ演技も際立った」と説明。

ヴェトロは、グランデをこの世代のジュディ・ガーランドと絶賛した。「彼女は地球上で最も広い音域を持っています。私が知る誰よりも音程を聞き分けることができます」

魂を込めた変身:シャラメはいかにしてディランになったか

シャラメはヴェトロと会う前から多くの準備をしていた。「彼はあの役柄にとても深く入り込んでいました。彼の演技が本当に素晴らしいと思ったのは、ボブ・ディランを捉えながらも、そっくりのコピーや模倣ではなかったことです。ボブ・ディランという役柄に命を吹き込んだのです。」とヴェトロは評価する。レッスン中、彼らはよく「ボブ・ディランは声を温めるだろうか?」と問いかけ、シャラメはほぼ完全にキャラクターのまま練習した。

「ティモシーは台本に載っているセリフをボブ・ディランが言うのを一度も聞いたことがなくても、ボブ・ディランが特定の単語を強調する場所を正確に知っていました。それを実現するには、本物の芸術的才能が必要です」

ヴェトロの指導方法と新たな挑戦

ヴェトロの指導は非常に細部にまで及ぶ。「私はかなりうるさい」と彼は笑う。花の香り、キャンドル、空気の湿度まで気にかけ、食事、飲み物、運動法、声への影響が出ないよう野球観戦時の応援方法まで指導する。彼はBBC Maestroからアプローチを受け、オンラインコース「Sing Like the Stars」を開設。オンラインコースは、ウォームアップテクニック、声の強化と柔軟性の獲得、音域の改善、音程の合わせ方、発声姿勢、歌詞の伝え方などを、短いレッスンで教えている。

「私と一緒に仕事ができない人や、歌うことに恥ずかしさを感じる人たちが、誰にも聞かれずに歌える。素晴らしい方法です」とヴェトロはコメントした。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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