『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のヘイリー・アトウェル、撮影を中断させたハプニングを告白【インタビュー】

シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』にグレース役で出演しているヘイリー・アトウェルが米『ハリウッド・リポーター』(THR)のインタビューに登場。
今作ではグレースがIMFの一員として、悪のAI「エンティティ」に立ち向かう。撮影はスヴァールバル諸島と南アフリカで行われたが、パンデミックとストライキの影響も重なり、困難続きだった。
前作『デッドレコニング』に続き本作も連続して撮影したアトウェルは、シリーズ特有の過酷さを実感。「『M:I』の撮影とは、まるで映画の任務そのもの」と語っている。本作はクリストファー・マッカリー監督による最終章となる可能性があり、トム・クルーズと共に世界を舞台にした壮大なアクションが描かれる。
米THRとのインタビューで、アトウェルは撮影中に起きたハプニングや、クルーズが恐怖をどのように活かしているかについて語った。
写真:Paramount Pictures and Skydance
──『レコニング』2作品の契約は2019年からでしたが、まさか2025年まで続くとは思っていなかったのでは?
アクション俳優としてスキルアップできる機会だと分かっていました。厳しいトレーニングになるとも思っていたんです。監督たちを信頼していたけど、ここまで時間がかかるとは想像していなかったですね。7作目と8作目ということで、作品のトーンやターゲット層は理解していたし、良いチームに参加できたと確信していました。
──2作品の撮影は連続して行われましたね。
撮影順は非線形で、はっきりとは覚えていません。でも常にグレースとしてその瞬間を生きていました。なので「これは何年に撮ったっけ?あれは3年後に撮り直したかも」という感じですね。観客として完成作を観たとき、自分も旅を追体験したような気持ちになりました。
──『M:I』シリーズは常に変化していると以前も話していましたが、完成形を把握できたのは日本プレミアのときでしょうか?
本当にそうです。とにかく撮影した量が膨大で、登場人物も多く、壮大な物語になっています。シリーズ全体の集大成として構成されていて、チームの絆や自己犠牲といったテーマが深く描かれています。だから感情的にも強いインパクトがあったんです。観客と一緒に映画館で観られたのが本当に良かったです。
ヘイリー・アトウェル(グレース)、サイモン・ペッグ(ベンジー)、ポム・クレメンティエフ(パリス)、グレッグ・ターザン・デイヴィス(デガ)
写真:Paramount Pictures and Skydance
──グレースは、イーサンの暴力的な行動に驚いていました。それは何故でしょうか?
あのレベルの暴力は初めてだったと思います。彼女はスリだから、逃げたり身を守ったりするのは慣れてるけど、積極的に危害を加えるタイプではありません。『デッドレコニング』の時点ではイーサンを完全には信頼していませんでした。なので今作で信頼を置いていた相手が必要なら暴力もいとわない人だったと知って、動揺したんだと思います。
──北極での犬ぞり体験はどうでしたか?
刺激的で力強くて、非現実的で素晴らしい体験でした。まさか、ホッキョクグマが現れて撮影を止めたなんて言う日が来るとは自分でも信じられません。氷上での信頼関係が重要だったので、夜はみんなでカードをしたり一緒に食事をして、チームの絆を深めました。
──他の映画ならホッキョクグマの話で驚くかもしれませんが、『M:I』なら日常の一コマですね。
(笑)本当に!南アフリカでも、山道でリクガメが横断していて、車を止めて通り過ぎるのを待ったんです。まさに『M:I』の日常ですね!
ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヘイリー・アトウェル
写真:Courtesy of Paramount Pictures and Skydance
──『デッドレコニング』では手錠をかけたままローマをドライブしていましたが、今作では水中でイーサンを蘇生させる場面があります。どれが一番大変でしたか?
PADIのダイビング資格を取ったので、それを活かせたのが嬉しかったです。水中では冷静でいることが重要です。パニックになると危険なので、意識的にリラックスした状態を保つんです。それが瞑想のようで気に入っていたし、新しいスキルとして今後にも活かせる経験でしたね。
──トムは「映画を作るのは自分の一部」と話していましたが、なぜそこまで命を懸けるのでしょう?
彼はアクロバット飛行ができるほどの優れたパイロットだし、スピードが好きなんです。子どもの頃から常に何かに飛び乗ったり飛び降りたり、自分を試してきたタイプですね。生まれつき冒険心にあふれた人で、それを映画で体現して観客と共有しています。彼にとって自然な生き方なんだと思います。
──スタントの前に、彼が本当に怖がっている瞬間を見たことは?
ありますよ。彼は何かに挑むたびに恐怖を感じています。でもそれに屈しません。そこが本当に尊敬できるところですね。恐怖を感じるのが人間で、それを受け入れながらも行動する彼の姿勢はとても人間らしくて力強いです。
──グレースの本名について、作中では「Mar Fr」の文字が映りましたが、実際の名前は?
私も知りません(笑)。「グレース」と名付けられたのは『デッドレコニング』の途中なんです。トムとマッカリー監督が現場での私の姿やトレーニングの様子を見て「グレース」と名付けてくれました。それがとても嬉しかったですね。
──『M:I』第1作から登場していたビル・ドンロー役のロルフ・サクソンさんとの共演は?
彼は舞台経験も豊富で素晴らしい俳優です。同じく舞台出身の私とはすぐに打ち解けました。彼の演技には静かな強さと温かさがあって、観客も再登場を喜んでくれるはずです。
ヘイリー・アトウェル(グレース)と、ルーシー・トゥルガルジュク(タピーサ)が登場するシーン
写真:Paramount Pictures and Skydance
──ルーシー・トゥルガルジュクとの共演も印象的でした。
彼女とは北極で絆を築きました。劇中では言葉が通じない設定なので、価値観の共有と信頼をどう見せるかを一緒に作り上げたんです。彼女は賢くて優しくて、静かな力を持つ人です。共演できて本当に良かったです。
──グレースの物語はこれで終わりでしょうか?
それは観客に委ねたいです。この映画は壮大なスペクタクルで、過去の全シリーズの集大成です。ぜひ大スクリーンで観て判断してほしいですね。
──何十年後、揺れるロッキングチェアで最初に孫に話す思い出は?
やっぱり、ホッキョクグマの日ですかね。あの環境にいられたことは、シリーズに参加していなければ経験できませんでした。自然の偉大さに心打たれたんです。
──ペギー・カーターとの再会の可能性は?
何度も同じキャラを演じることは稀で、いつも光栄に思っています。彼女は自分の価値を理解しているキャラクターで、そういう価値観を象徴しているから、名前を挙げてもらえるだけで嬉しいです。
映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、現在劇場公開中。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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