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『ホーム・アローン』35周年記念対談:マコーレー・カルキン&クリス・コロンバスが明かす制作秘話と続編構想

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2025年12月13日(現地時間)、アカデミー映画博物館で開催された『ホーム・アローン』35周年記念イベントに登壇した、マコーレー・カルキンと監督のクリス・コロンバス 写真:Academy Museum Foundation/Andrew Ge
2025年12月13日(現地時間)、アカデミー映画博物館で開催された『ホーム・アローン』35周年記念イベントに登壇した、マコーレー・カルキンと監督のクリス・コロンバス 写真:Academy Museum Foundation/Andrew Ge
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ホーム・アローン』35周年を記念し、主演のマコーレー・カルキンと監督のクリス・コロンバスが、作品の過去・現在・未来について語り合う特別な対談が実現した。



ジョン・ヒューズ脚本誕生秘話と、監督降板の舞台裏

意外にも、二人がこの大ヒット作について腰を据えて語り合うのはこれが初めてだったという。現地時間12月13日(土)、アカデミー映画博物館で行われた上映会にそろって登壇した二人は、まず原点から話を始めた。話題は、脚本家ジョン・ヒューズが最初にコロンバスへ『ホーム・アローン』の脚本を持ち込んだ経緯から始まった。

当時コロンバスは、ヒューズが脚本を手がけた『ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション』(1989)を途中で降板したばかりだった。理由は主演のチェビー・チェイスとの不仲で、「ジョン・ヒューズに電話して、『チェビーとはうまくやれない。彼と一緒に映画は作れない』と伝えなければならなかった」と振り返る。監督業そのものを辞めるかもしれない、とまで思い詰めていた時期だったという。

『ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション』(1989)より 写真:Everett Collection
『ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション』(1989年)より 写真:Everett Collection

大ヒットの理由は「時代を超える普遍性」

しかし結果は周知の通りだ。『ホーム・アローン』(1990)は空前の大ヒットとなり、いまなお語り継がれるホリデー映画の定番となった。コロンバスはその理由を、「映像や作品全体の空気感に、時代を超える普遍性があった」と語った。また、8歳のケビン・マカリスターが泥棒のハリー(演:ジョー・ペシ)とマーブ(演:ダニエル・スターン)に仕掛ける数々のトラップも驚くほどリアルで、撮影現場では笑えないほどだったという。「スタントマンがスタントをするたびに、まったく笑えなかった。観ていて『死んだんじゃないか』と思うほどだった」

『ホーム・アローン』(1990年)引用元:Amazon
『ホーム・アローン』(1990年)引用元:Amazon
『ホーム・アローン2』(1992年)引用元:Amazon
『ホーム・アローン2』(1992年)引用元:Amazon

笑えないほどリアルだった“トラップ”撮影の裏側

俳優陣も体当たりだった。ペシ演じるハリーの頭が燃えるシーンでは、防火用の特製キャップをかぶる必要があったが、ペシは「こんなもの、絶対かぶらない」と拒否したという。そこでプロデューサーのマーク・ラドクリフは、自身の9歳の娘を連れてきてキャップをかぶせ、安全管理の上でトーチの火を当て、危険がないことを示した。これでようやくペシも納得したそうだ。また、マーブ役のスターンは顔の上を本物のタランチュラに這わせるシーンを演じたが、叫ぶとクモが驚いて噛みつく恐れがあるため、実際には無言で演技し、悲鳴は後から音響で足されたという。

(左から)マーブ役のダニエル・スターン、ハリー役のジョー・ペシ、『ホーム・アローン』(1990)より 写真:Twentieth Century Fox/Photofest
(左から)マーブ役のダニエル・スターン、ハリー役のジョー・ペシ、『ホーム・アローン』(1990年)より 写真:Twentieth Century Fox/Photofest

その後のシリーズと、コロンバスの辛口評価

対談ではシリーズの今後についても話題がおよんだ。カルキンとコロンバスが関わったのは1992年の『ホーム・アローン2』までだったが、その後もシリーズは続き、『ホーム・アローン3』(1997年)、『ホーム・アローン4』(2002年)、『ホーム・アローン5』(2012年)、『ホーム・スイート・ホーム・アローン』(2021年)が制作された。

コロンバスはこれらの続編について率直な思いを明かした。対談に先立ち、「正直に言って、ひどい続編ばかりで台無しにされてきた。だれかを侮辱するつもりはないが、完全に失敗している。『3』あたりから下り坂で、それ以降はさらに悪くなっていった。悪い作品群の中では『3』がまだ一番マシだ」と米『ハリウッド・リポーター』誌に語った。

その一因として、アクションシーンでワイヤーを多用した点を挙げ、「スタントが嘘っぽく見えてしまう」と指摘した。これにカルキンも、「それに、僕たちがいなかった」と付け加えた。

カルキンが語る「大人になったケビン」続編アイデア

それでもカルキンは近年、自身が考えた続編案について語っている。イベントでもその構想を披露した。「ケビンが大人になっていて、たとえば妻を亡くしたシングルファーザーなんだ。仕事に追われていて、子どもとうまくいっていない。雰囲気としては『ライアー ライアー』に近い」

『ライアー ライアー』(1997年)写真:Prime Video
『ライアー ライアー』(1997年)写真:Prime Video

展開は大きく二通りだという。「うっかり子どもを置き去りにしてしまい、自分の母親に電話して『本当にごめん、いまならわかるよ』と謝るパターン。もう一つは、わざと置いていくんだ。『あの出来事があったからいまの自分がある』ってね」

さらにカルキンは続ける。「今度は息子が僕を家から締め出して、トラップを仕掛ける。僕は“その道の経験者”だから、何が起きているかわかってしまう。警察や鍵屋を呼ばない理由も筋が通る。自分の子どもに負けているのが恥ずかしいからだ。家そのものが、子どもの心を取り戻すための“比喩”になると思う」

(左から)クリス・コロンバス、マコーレー・カルキン、アカデミー映画博物館 映画プログラム・ディレクターのK・J・レルス=ミラー 写真:Academy Museum Foundation/Andrew Ge
(左から)クリス・コロンバス、マコーレー・カルキン、アカデミー映画博物館 映画プログラム・ディレクターのK・J・レルス=ミラー 写真:Academy Museum Foundation/Andrew Ge

実現の条件は“オリジナル3人”の再集結?

一方のコロンバスは、これまでに「600通りくらい続編案を聞いてきた」としつつ、やる価値があるとすればカルキン、ペシ、スターンの三人が全員戻る場合だけだと語った。これに対しカルキンは、「ジョー・ペシは82歳だけど、まだ転げ落ちてくれるよね?」と冗談を飛ばした。

『ホーム・アローン2』(1992年)より 写真:Everett Collection
『ホーム・アローン2』(1992年)より 写真:Everett Collection

コロンバスはさらに、20年ほど前に考えていた別案についても明かした。20年の刑期を終えたハリーとマーブが出所し、復讐心に燃えてケビンに仕返ししようとするという設定だ。ケビンには、当時の自分(=幼いケビン)と同じくらいの年齢の子どもがいて、その子が二人に立ち向かうという構想だった。

しかし、「ジョー・ペシが興味を示すとは思えないし、ダニエル・スターンには1992年以降会っていない。何より、この映画は、キャスティングも年齢も、その瞬間の空気も含めて成立したものだ。それを再現するのは不可能だ」と結論づけた。

観客の子どもたちとのQ&Aと、父を知らない我が子の反応

イベントの最後は、客席の子どもたちからの質問コーナーとなった。カルキンは、自分の子どもたちに『ホーム・アローン』を見せたときのエピソードを披露した。子どもたちは、父親が主演だと気づいていないという。

「自分の子どもたちは『ホーム・アローン』とは呼ばず、『ケビン』と呼んでいる。『ケビンって面白いね』って言うから、『しかもハンサムで、ママ(ブレンダ・ソング)が好きになりそうなタイプだろ』と返すんだ」

ブレンダ・ソング、マコーレー・カルキン 写真:Amy Sussman/Getty Images
ブレンダ・ソング、マコーレー・カルキン 写真:Amy Sussman/Getty Images

昔の家族写真を見せたとき、長男がカルキン本人を指して「これだれ? ケビンみたい」と言ったため、「いや違うよ、だれでもない。ほら、こっちがおばさんだ」とごまかしたという。

さらに、5歳のいとこが遊びに来たときの話も披露された。「『今夜は“ケビン”を見るよ』って言ったら、その子が僕を見て『あなたがケビンでしょ』って。だから『違う、君がケビンでしょ、静かに!』って言ったんだ。魔法を壊したくないからね」

カルキンは最後に、『ホーム・アローン2』の名台詞「メリークリスマスだ、この汚い獣ども」で締めくくった。会場は大きな笑いと拍手に包まれ、35年目の“ケビン”は、いまもなお健在であることを印象づけた。

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ホーム・アローン DVDコレクション(5枚組)引用元:Amazon.co.jp
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※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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