坂本龍一ドキュメンタリー『Last Days 坂本龍一 最期の日々』が国際エミー賞を受賞|英国が最多7冠を達成
2025年国際エミー賞がニューヨークで授賞式を行い、坂本龍一を特集したドキュメンタリー『Last Days 坂本龍一 最期の日々』(NHK)が「アーツ・プログラミング」部門で受賞した。日本作品として今回唯一の受賞で、世界的な音楽家・坂本龍一の創造的軌跡と晩年の活動を描いた作品が国際的にも高く評価された形だ。
この夜は英国テレビが大活躍。ドラマ部門『Rivals』(ITV Studios/Disney+、※日本未配信)やコメディ部門『パズル作家ルートヴィヒ 謎は解くためにある』(BBC)など、英国作品が7冠を達成した。他にもスペインが2冠、日本、ドイツ、オーストラリア、カタール、カナダ、デンマーク、トルコがそれぞれ1冠を獲得している。
坂本龍一ドキュメンタリーの受賞ポイント
『Last Days 坂本龍一 最期の日々』は、坂本龍一の創作活動、環境への意識、そして音楽業界への影響を深く掘り下げた内容。NHKと共同制作されたこの作品は、彼の人生の最晩年に焦点を当て、音楽家としての革新性と人間性を丁寧に描き出している。
受賞に際し、審査員は「坂本龍一という音楽家の豊かな人生と創造性を映像で余すところなく表現した点が評価された」とコメント。国際的な視点で日本のアート・プログラムを称賛する格好となった。
その他の受賞作品
ドラマ部門
- 受賞:『Rivals』(ITV Studios / Disney+、英国)
- その他候補:『ウーマン・イン・ブルー』(メキシコ、配信:Apple TV+)、『バッド・ボーイ』(イスラエル、配信:Netflix)、『Koek』(南アフリカ)
コメディ部門
- 受賞:『パズル作家ルートヴィヒ 謎は解くためにある』(BBC、英国)
- その他候補:『タッカンジョン』(韓国、配信:Netflix)、『Iris』(フランス)、『Y Llegaron de Noche』(メキシコ)
スポーツドキュメンタリー
- 受賞:『そのキスに”NO”: スペインサッカー界が変わる時』(スペイン/Netflix)
アーツ・プログラミング
- 受賞:『Last Days 坂本龍一 最期の日々』(NHK、日本)
この他にも、ニュース、キッズ番組、短編シリーズなど各部門で世界各国の番組が受賞した。
坂本龍一が国際的に評価される意味
今回の受賞は、坂本龍一の音楽と思想が世界的に広く認められていることの証明だ。映画音楽『戦場のメリークリスマス』や『ラストエンペラー』で世界的評価を得た彼の功績が、ドキュメンタリーを通じて改めて国際舞台で称賛された形になる。
『Last Days 坂本龍一 最期の日々』は、日本国内でのNHK放送に加え、今後国際的な配信・放映も予定されており、世界中の視聴者が坂本龍一の音楽と人生を体感できる作品として期待されている。
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『ラストエンペラー』
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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