『君たちはどう生きるか』はオスカー作品賞候補入りなるか?アニメ映画の気になる行方
2002年、アカデミー賞初の長編アニメ賞に輝いた『シュレック』。それ以前は、アニメ映画に独立したカテゴリは不要だと認識されていた。
だがしかし、ドリームワークスの設立に加え、その他のスタジオも規模を拡大すると、ディスニー/ピクサーの向こうを張れるような作品が次々と誕生するようになった。
長編アニメ部門の設立以来、ディズニーとピクサーはノミネートと受賞をリード。一方で、アニメ作品が同部門以外で表彰されることは滅多にない。
しかしながら、今年はなんとアニメ2作品が最優秀作品賞候補に選ばれるかもしれない。
あのオスカー受賞作の続編
ソニーの『スパイダーマン: アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)は、19年の長編アニメ賞受賞作『スパイダーマン: スパイダーバース』の続編。世界興収6億9千万ドルの大ヒットを記録し、批評・商業ともに成功を収めた作品だ。
昨年末には、『バービー』や『オッペンハイマー』と並んで米映画協会(AFI)の年間トップ10に選出された。
また、同作の声優にはブライアン・タイリー・ヘンリーをはじめ、ヘイリー・スタインフェルドやマハーシャラ・アリらオスカー関係の俳優陣が勢ぞろい。その上、映像の出来も素晴らしい。
ライバルはジブリ最新作か
「アクロス・ザ~」の最大のライバルは、スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』だろう。
宮崎駿監督はこれまで、3度のオスカーノミネート歴を誇り、2003年には『千と千尋の神隠し』で長編アニメ賞を受賞している。
『君たちはどう生きるか』は北米でオープニング興収1280万ドルを記録。『ハンガー・ゲーム0』や『ウィッシュ』を抑えて、初登場1位に輝いた。
一方で、宮崎監督は本作が引退作品になると明かしている。アカデミーにとっては、巨匠を称える最後のチャンスとなるだろう。
※初出は米『ハリウッド・リポーター』(12月15日号)。本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌
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