【ネクストブレイク俳優2025】注目のハリウッド若手俳優8人|次世代スターの素顔とそれぞれの挑戦
ハリウッドでは毎年新しいスターが次々と登場する。本記事では、現在注目を集めている8人の若きスターを米『ハリウッド・リポーター』のインタビューと共に紹介する。
この8人はいずれも話題の映画や高評価を獲得したTVドラマに出演し、才能を余すところなく発揮している。近い将来、ハリウッドを支えるであろうスターたちをぜひ覚えておいてほしい。
1.トム・ブライス

イギリス・ノッティンガム生まれの俳優トム・ブライス(30)は、地元テレビ局のワークショップで学んだ後、ジュリアード音楽院に進学した。ブライスは『ハンガー・ゲーム』シリーズの前日譚『ハンガー・ゲーム0』(2023年)で主役に抜擢され、一躍脚光を浴びた。
また、西部劇ドラマ『ビリー・ザ・キッド(原題:Billy the Kid)』(2022年)のほか、映画祭で注目を集めた『プレーンクローズ(原題:Plainclothes)』(2025年)や『ウェイストマン(原題:Wasteman)』(2026年公開予定)など、次々と話題作に出演している。
しかしブライスによれば、ライトなテイストの作品は得意ではないという。Netflixで2026年に配信予定の『あなたとわたしの夏の旅』はオファーを2回断った末、挑戦することを決めたと明かす。「ラブコメディは簡単だと思われがちですが、骨太な作品に慣れている場合は、ライトに演じるために集中力が必要なんです」
――もし俳優になっていなかったら何をしていたと思いますか?
ずっと自分は動物学者になるだろうと思っていました。
――ハリウッドで初めて稼いだお金で何を買いましたか?
11歳か12歳の時、リドリー・スコット監督の『ロビン・フッド』(2010年)に子役として出演したのが最初です。その時はベン&ジェリーズのアイスクリームをたくさん買いました。
――初めて圧倒されたスターは誰ですか?
圧倒されたことは何度もありますが、本当に夢中になったのはダニエル・デイ=ルイスが初めてでした。
――今後、一緒に仕事をしたい人は誰ですか?
夢のまた夢ですが、ダニエル・デイ=ルイスです。共演者を引き立たせるという点で彼は突出しており、もし共演できたら自分がどんな風に映るかと想像しています。
2.エリン・ケリーマン

キッズモデル出身のエリン・ケリーマン(27)は、CMのオーディションでアドリブを求められた際に演技の楽しさを見出したという。ケリーマンは『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)のメインキャストでハリウッドデビューを果たした。
その後、マーベルドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021年)、映画『28年後…』(2025年)と続編の『28年後… 白骨の神殿』(2026年公開予定)、スカーレット・ヨハンソンの監督デビュー作『エレノア・ザ・グレート(原題:Eleanor the Great)』(2025年)などに出演し、着実にキャリアを積んでいる。
ケリーマンは、近年の活躍を「ずっとヘッドライトに照らされた鹿のような感じでした」と振り返る。同性愛者であることを公言しているケリーマンは、クィアを扱った作品が好きだという。しかし、「自分をそのような枠にはめるつもりはありません」とも語る。今後の目標を問われた彼女は、「メリル・ストリープの16分の1くらいになれたら、それは立派な成果です」と謙虚さを見せた。
――もし俳優になっていなかったら何をしていたと思いますか?
めちゃくちゃな人生になっていたと思います。俳優としてうまくいって良かったです。
――初めて圧倒されたスターは誰ですか?
ドナルド・グローヴァーです。私が17歳の時に撮影した『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で共演しました。しかし、恥ずかしくて、彼に話しかけることができませんでした。そのホテルに叔母と滞在していたのですが、叔母はドナルドのことを知らずに、彼と同じテーブルで朝食を食べていました。
――ハリウッドで初めて稼いだお金で何を買いましたか?
愛犬のバンビを飼いました。
――この業界で仕事をする中で受けた、最高のアドバイスは何ですか?
レッドカーペットで私が圧倒されていた時、スカーレット・ヨハンソンが「自分がハワイにいると想像してみて」とアドバイスしてくれました。
3.ハヴァナ・ローズ・リウ

大学卒業後、モデルとして活躍したハヴァナ・ローズ・リウ(28)は、インディーズ作品を中心にキャリアを積んでいる。彼女をスターダムに押し上げたのが、R指定の同性愛コメディ映画『ボトムス ~最底で最強?な私たち~』(2023年)だ。リウは「私自身の見方を変え、政治情勢にも大きな影響を与えたこの作品は、私にチャンスを与えてくれました」と語る。
リウは今年、『ラーカー(原題:Lurker)』、『チューナー(原題:Tuner)』といった話題作に出演した。また、ジェシー・アイゼンバーグ主演のミュージカルコメディ(タイトル未定)や、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の新作スリラー『ハー・プライベート・ヘル(原題:Her Private Hell)』といった出演作の公開が控えている。
――もし俳優になっていなかったら何をしていたと思いますか?
今日、「ドゥーラ(妊産婦をサポートする専門家)になりたい」とちょうど話していました。または教師や、本をたくさん読める仕事に就きたいです。
――初めて圧倒されたスターは誰ですか?
ティルダ・スウィントンを遠くから見た時、あまりに圧倒されてしまい思わず部屋を出てしまいました。
――撮影現場ではどんな音楽を聴いていますか?
今は緊張を鎮めるためにテーム・インパラをよく聴いています。
――『チューナー』で共演したダスティン・ホフマンの第一印象を教えてください。
彼は本当にチャーミングで、威厳と品格で周囲の人をリードします。彼がゆっくりと現場に入ってきた時、そこにいた人たちが少しざわついたのを覚えています。彼は見る人に光を当て、安心感と満足感をもたらしてくれるのです。
4.アーチー・マデクウィ

演劇出身のアーチー・マデクウィ(30)は、映画『ミッドサマー』(2019年)や『Saltburn』(2023年)で注目を集めた。今年公開の『ラーカー』では主演を務め、プロデューサーとしても名を連ねている。次回作には、キングズリー・ベン=アディルと共演する『ジ・アライバル(原題:The Arrival)』、ソフィー・ターナーと共演するPrime Videoの配信ドラマ『スティール(原題:Steal)』が控える。
有色人種であるマデクウィは、「自分のようなルックスの俳優が演じたことのない役を常に探しています。トラウマを抱えていない有色人種を描く物語に興味があるのです」と語る。
昨年、マデクウィは自分のプロダクション会社を設立し、現在は自身が制作するプロジェクトを進めている。インスピレーションの源の一つは、友人でもある俳優・映画監督のハリス・ディキンソンだという。「クリエイティブな人間は書いたり、歌ったり、踊ったりして、『あなたは何をする人なの?』と聞かれます。その結果、俳優になることを選んでも、自分の中にある『クリエイティブなことをしたい』という火は消えません」とマデクウィは語った。
――もし俳優になっていなかったら何をしていたと思いますか?
音楽業界のA&Rなら得意だと思います。観客を盛り上げたり、良い会場を紹介したり、アーティストの音楽を聴いてもらえるように努力できるでしょう。
――最も共感するキャラクターは誰ですか?
お恥ずかしいですが、子どもの頃は『ザ・シンプソンズ』シリーズのリサ・シンプソンに共感していました。彼女は家族の中では浮いた存在ですが、芸術に熱中しているところが好きでした。彼女が仏教徒になるエピソードを観て、僕も仏教徒になろうかと思ったほどです。
――ハリウッドで初めて稼いだお金で何を買いましたか?
家を買いました。
――今後、一緒に仕事をしたい人は誰ですか?
ポール・ダノです。彼は特別な俳優で、出演作の全てが大好きなんです。
5.イザベル・メイ

ロサンゼルス出身の俳優イザベル・メイ(24)は、テイラー・シェリダン制作のヒットドラマシリーズ『1883』(2021~2022年)でブレイクを果たした。メイはシェリダンの別作品『メイヤー・オブ・キングスタウン』(2021年~)のオーディションに落ちたものの、シェリダンから直接『1883』への出演をオファーされたという。
「オーディションの2週間後、シェリダンから電話がかかってきて、『「1883」というドラマに君のための役を用意する』と言われました」とメイは明かす。その役は主役のエルサ・ダットンだった。メイは同作の撮影について、「シーンの相談をしたり役になりきったりするというより、その場に放り込まれる感じでした」と語る。
『1883』以降、メイは驚くべき躍進を遂げ、現在は6本の出演作の公開が控えている。『スクリーム7(原題:Scream 7)』(2026年公開予定)ではネーヴ・キャンベルの娘役を演じる。『過労死(原題:Karoshi)』ではシンシア・エリヴォと、『ザ・ラスト・ミセス・パリッシュ(原題:The Last Mrs. Parrish)』ではジェニファー・ロペスと共演を果たしている。
メイによれば、2023年にハリウッドの脚本家と俳優のストライキが終結した後、突然オファーが殺到したという。「何をすべきか分かず、俳優に向いていないかもしれないと思った時期もありました。しかしストライキの後、『仕事に復帰する時だ』と思ったのです。今は自信に満ちています」とメイは語った。
――最も共感するキャラクターは誰ですか?
小説『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールドでしょう。この作品を読んだ瞬間から、彼に共感しました。理由はよく分かりませんが、もっと彼のようになりたいと思っているかもしれません。ホールデンはひどい憂鬱を抱えていますが、キャラクターの描かれ方が大好きです。
――撮影現場ではどんな音楽を聴いていますか?
現場によって変わります。ア・パーフェクト・サークルやトゥール、ナイン・インチ・ネイルズを聴くこともあるし、ジャズアルバムを聴くこともあります。でもポップな曲を聴くことはありませんね。
――今後、一緒に仕事をしたい人は誰ですか?
カメレオン俳優が大好きなので、コリン・ファレルとウィレム・デフォーです。10年前に書いた“共演したい人”リストがあるのですが、いつかその全員と共演することが目標です。
――この業界で仕事をする中で受けた、最高のアドバイスは何ですか?
若い頃、母が「どう助けてあげられるか分からないけど、キャラクター全員と友達になりなさい。あなたが感動させるべきなのは彼らだけ」とアドバイスしてくれました。
6.エスター・マクレガー

俳優ユアン・マクレガーの娘であるエスター・マクレガー(24)は、幼少期の多くを撮影現場で過ごした。エスターはクリエイティビティに溢れ、作曲をするほかタトゥーアーティストの資格も持っている。しかしエスターにとって、俳優になることはある意味必然だったという。「母がフランス人なので、芝居への愛が根付いているのです」
そしてペドロ・アルモドバル監督の『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(2024年)でティルダ・スウィントンの若い頃を演じ、一躍その名を知られることになる。さらに、ニコール・キッドマンの娘役を演じた『ベイビーガール』(2024年)、Prime Videoのドラマ『ライアーズ 私たちのウソ』(2025年)などでブレイク中だ。
次回作にはクロエ・ドモント監督による『Fair Play/フェアプレー』(2023年)の続編、パメラ・アンダーソンやダコタ・ファニングと共演する『アルマ(原題:Alma)』が控えている。
――この業界で仕事をする中で受けた、最高のアドバイスは何ですか?
ニコール・キッドマンから「自分を大切にしなさい」と教わりました。これは誰にとっても重要なことですが、特に俳優は与える影響が大きいので、自分自身をきちんとケアしなければなりません。この点は多くの俳優が苦労していると思いますし、私自身は自分より他の人の世話をする方が好きです。だから撮影現場でもプライベートでも、自分をケアしようと努めています。
――初めて圧倒されたスターは誰ですか?
最近ミシェル・ウィリアムズとデイジー・エドガー=ジョーンズと共演しました。メイクルームで2人の間に座り、どうすればいいか分かりませんでしたが、2人ともとても親しみやすかったです。アリ・アスター監督にも会いましたが、目を見ることができませんでした。
――ハリウッドで初めて稼いだお金で何を買いましたか?
レトロなメルセデス・ベンツを買いました。名前は「チャーリー」です。これまで運転した車の中で一番かっこよくて、夢中になっています。
7.チェイス・スイ・ワンダーズ

チェイス・スイ・ワンダーズ(29)はファッションデザイナーであるアナ・スイの姪で、自身も実業家になると思っていたという。「両親は成果主義でした。俳優じゃなかったら、スーツを着て、実業家やニッチな企業のCEOになるだろうと思っていました」
ワンダーズはHBO Maxのドラマ『ジェネレーション(原題:Generation)』(2021年)やA24の映画『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』(2022年)に出演し、クールビューティーなイメージを確立した。その後、ドラマ『ザ・スタジオ』(2025年)で映画スタジオの幹部を演じ、一躍スターダムに上り詰めた。
近日公開の出演作に、グレッグ・アラキ監督のエロティック・スリラー『アイ・ウォント・ユア・セックス(原題:I Want Your Sex)』、A24のホラー作品『オクトーバー(原題:October)』がある。また、『ザ・スタジオ』はシーズン2の制作も決定している。
――初めて圧倒されたスターは誰ですか?
先日のエミー賞授賞式で、ベン・スティラーのすぐ後ろでインタビューの列に並んでいました。彼を見つけた時、心臓が跳ね上がりました。ベンは私に「『ザ・スタジオ』での受賞おめでとう」と言ってくれたのです。私も「あなたのすばらしいキャリアと人生を祝福します」と返しました。
――経験した中で最も“ハリウッド”を感じた出来事は何ですか?
『ザ・スタジオ』の撮影現場は、毎日がハリウッドを感じる瞬間の連続です。クラフトサービス(撮影現場にお菓子や飲み物を届けるサービス)の場所でくつろいでいたらマーティン・スコセッシ監督がおやつを取りに来たり、シャーリーズ・セロンがモニターを見ていたりします。
――今後、一緒に仕事をしたい人は誰ですか?
『ザ・スタジオ』シーズン2に向けていろいろ考えていますが、まだ決定していないので話せることは少ないです。しかし、マイケル・セラやジョナ・ヒルが出演してくれたら楽しいでしょうね。
8.ティリク・ウィザーズ

ティリク・ウィザーズ(27)はもともとフロリダ州立大学のフットボール選手だったが、2019年に俳優活動を開始した。その後、俳優としてのキャリアを追求するためアトランタに引っ越し、みるみる頭角を現していく。いくつかのドラマシリーズで端役を経験した後、『ヒム(原題:Him)』や『ラストサマー:リターンズ』(共に2025年)でメインキャストを務め、コリーン・フーヴァーの人気小説を原作とする『リマインダーズ・オブ・ヒム(原題:Reminders of Him)』(2026年公開予定)の公開が控えている。
ウィザーズにとって、ロマンス作品である『リマインダーズ・オブ・ヒム』は「最も演じるのが怖い作品でした」という。その理由は、2021年に兄を交通事故で亡くしているためだ。同作はキャラクターたちの悲しみを繊細に描いている。「男らしさや優しさの中で、自分の感情を表に出すことは難しかったです」
今年、急激にブレイクしたウィザーズは「撮影に臨む際、『自分はこの役にふさわしくないのではないか』といつも恐れていました。そんな時は『自分はよくやっている』と自ら言い聞かせるしかありません」と語る。今後はコメディ作品にも挑戦したいという。
――最も共感するキャラクターは誰ですか?
『ファインディング・ニモ』(2003年)のニモです。小さな魚のニモが大きな海で家への帰り道を探すように、より創造力を働かせて成功への道を見つけようとしています。
――ハリウッドで初めて稼いだお金で何を買いましたか?
アトランタのオリーブガーデン(イタリアンレストランのチェーン)へ行きました。子どもの頃、母が誕生日のお祝いによく連れて行ってくれて、サッカーチームの皆で夕飯も食べていました。当時も今も、僕にとってはそれが贅沢なんです。
――撮影現場ではどんな音楽を聴いていますか?
マイリー・サイラスの「ザ・クライム(The Climb)」をよく聴いています。不安について歌った曲ですが、それが落ち着くんです。でも、シーンによって異なります。悲しい気持ちになりたい時は、兄が亡くなったのが4月なので、フランク・オーシャンの「Dear April」を聴いています。盛り上がりたい時はリル・ジョンか、ミーク・ミルの『ドリームズ・アンド・ナイトメアズ(Dreams and Nightmares)』を聴きます。
――初めて圧倒されたスターは誰ですか?
チャニング・テイタム、ラキース・スタンフィールド、キキ・パーマー、ジェニファー・ローレンス、ダニエル・カルーヤ、フローレンス・ピュー……挙げればキリがありません。アーチー・マデクウィとは一緒に何かやりたいです。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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