第37回東京国際映画祭、『十一人の賊軍』で開幕へ

第37回東京国際映画祭（10月28日～11月6日）のオープニング作品が白石和彌監督の『十一人の賊軍』、クロージング作品がクリストフ・オノ監督の『マルチェロ・ミオ』に決まった。

『十一人の賊軍』は、『日本侠客伝』（1964～71）、『仁義なき戦い』（1973～74）シリーズなどを手掛けた脚本家の笠原和夫氏が遺したプロットが原案。戊辰戦争で起きた新潟・新発田藩の裏切りに端を発した、11人の決死隊による壮絶な戦いを描く集団時代劇。山田孝之と仲野太賀がダブル主演し、ほかに阿部サダヲ、玉木宏らが出演している。

既に北米やドイツ語圏での配給が決まっており、プログラムディレクターの市山尚三氏は、「かつて東映が得意としていた集団時代劇の伝統を引き継ぎ、アクション演出、美術セットなどあらゆる点において今の日本映画の最高峰のプロダクションバリューを有する作品」と評価。白石監督は、「とても興奮しています。『十一人の賊軍』にとって最高のスタートを飾ることができました。ぜひとも映画祭のスクリーンで最初の目撃者になってください」と呼びかけている。

一方の『マルチェロ・ミオ』は、今年のコンペティション部門で審査員を務める女優キアラ・マストロヤンニが主演。彼女が実の父であるマルチェロ・マストロヤンニのようになってしまうという設定のコメディで、実母のカトリーヌ・ドゥヌーヴも共演。今年のカンヌ映画祭でコンペティション部門に選出された。

市山氏は、「マルチェロ・マストロヤンニへのオマージュであると同時に、主演のキアラをはじめ、多くのフランスの俳優が実名で登場し、スターたちの実像とフィクションの境界をあいまいにさせる実験性を持ったユニークな作品。今年はマルチェロ・マストロヤンニ生誕100 年でもあり、映画祭を締めくくるのにふさしわい」と期待を寄せている。

取材／記事：The Hollywood Reporter 特派員鈴木元

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