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【LGBTQボイス第4弾】インフルエンサーのオーウィン・ピアーソンにインタビュー! 「幸せはすべての人のもの」 SNS時代に“声”を通じてメンタルヘルスとLGBTQの希望をつなぐ

オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
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LGBTQボイス」の第4弾として、ハリウッドリポーター・ジャパンは、インフルエンサーのオーウィン・ピアーソン(Owin Pierson)にインタビューをおこなった。

連載「LGBTQボイス」では、毎月エンターテインメント界で活躍するLGBTQ+コミュニティの方々に焦点をあて、彼らの声を広く届け、サポートしていくことを目的としている。

第4回は、インフルエンサーとして国際的に活動するオーウィン・ピアーソンをお迎えした。

オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka

オーウィン・ピアーソンは、アメリカを拠点に活動するコンテンツクリエイター/インフルエンサーであり、アジア系アメリカ人(母が日本人)として、またLGBTQ+コミュニティの一員としてグローバルに発信を続けている。

大学で心理学と教育学を専攻後、メンタルヘルスや多様性、アイデンティティをテーマにしたクリエイティブな活動を展開。インスタグラムでは30万人を超えるフォロワーを持ち、旅行・ライフスタイル・自己表現を軸に、ポジティブかつ誠実なメッセージを発信している。

2023年には、ニューヨーク・タイムズスクエアに掲出されたプライドキャンペーン「Happiness is for Everyone」に登場し、同メッセージは彼の象徴的なメッセージとなった。近年では、アメリカ国内外でLGBTQ+の若者支援やメンタルヘルス啓発に取り組みつつ、日米をつなぐ架け橋としても注目されている。

そんなオーウィンにハリウッドリポーター・ジャパンは単独インタビューを実施。活動の原点や“声”と自己受容の関係、SNS運用とメンタルヘルスの守り方、日米ハーフとしてのアイデンティティと日本とのつながり、タイムズスクエアのプライドキャンペーンがもたらした変化、家族との対話と理解の過程、そしてトランスを含むLGBTQコミュニティへの連帯と次世代支援まで、幅広く語ってくれた。


「感謝」から始まる、いまの人生

プロデューサーのスティーブン・ヘインズ:まず、日本にようこそ!率直な質問ですが、今のご自身の人生について、どう感じていますか?

オーウィン・ピアーソン:「感謝」ですね。その言葉がまず最初に浮かびます。私たちLGBTQや、POC(有色人種)、マイノリティに属する多くの人たちは、同じような機会を得られないことが多い。そんな中で、世界中を旅し、すばらしい人々と出会い、ポジティブなエネルギーを広げる活動ができていることに、とても感謝しています。自分の声を通じて“喜び”や“希望”を届けられる。その機会があることが、何より幸せです。

スティーブン・ヘインズ:あなたが言う「声」とは、どんな声のことを指していますか?

オーウィン・ピアーソン:自由の声、平和の声、そして自信の声です。子どもの頃の私は、そのどれも持っていませんでした。いや、正確に言えば、持っていなかったのです。

スティーブン・ヘインズ:では、今はその「声」を手にしていると感じますか?

オーウィン・ピアーソン:少しずつ育っている途中ですね。完全に手に入れたとは言えません。月曜と火曜はあるけど、水曜と木曜は失うような(笑)。そんな感覚です。

スティーブン・ヘインズ:今日は水曜日ですが、今はどうですか?

オーウィン・ピアーソン:あなたと、こうしてここにいるから、今は持っていると思います(笑)。でも、今朝起きたときは「今日、私は声を持っているだろうか?」って考えていました。それくらい、常に意識して、自分の中から引き出していくものなんです。

スティーブン・ヘインズ:あなたは自分自身を好きだと思いますか?

オーウィン・ピアーソン:はい、そう思います。

スティーブン・ヘインズ:なぜそう言えるのでしょう?

オーウィン・ピアーソン:あなたにそう聞かれたことで、安心できる“セーフスペース”を感じました。もしあなたがLGBTQコミュニティの一員でなかったり、親しい友人でなかったりしたら、この質問は少し怖く感じたかもしれません。でも、あなたのように、自分も経験を重ねた人から聞かれると、「見てくれている」と感じられるんです。

プロデューサーのスティーブン・ヘインズと、オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
プロデューサーのスティーブン・ヘインズと、オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソンと、プロデューサーのスティーブン・ヘインズ Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソンと、プロデューサーのスティーブン・ヘインズ Photo: Ryo Tateoka

写真が“声”になった学生時代と、インフルエンサーへの道

ーーーここから基本的な質問に入らせていただきます。そもそもインフルエンサーとしてコンテンツを発信し始めたきっかけは何だったのでしょうか?

オーウィン・ピアーソン:私はワシントンD.C.で育ちました。2015〜2016年ごろ、まだ「インフルエンサー」という言葉が一般的でなかった頃からSNSを始めたんです。当時はジョージ・メイソン大学で心理学と教育学を学び、教師になるつもりでしたが、教育現場にある政治的な問題を感じて、別の道を模索し始めました。写真を撮ることが好きで、内向的だった自分にとっては“写真が声”のような存在でした。

大学最後の学期にエクアドルへ留学し、現地で仲間たちの写真を撮ってSNSに投稿したところ、多くの反響をいただき、「もっと表現したい」と思うようになったんです。当時YouTubeの世界に憧れつつも、アジア系やLGBTQのクリエイターはほとんどいませんでした。でも「自分の場所はここにある」と信じ、大学院を辞めてロサンゼルスへ。SNSマーケティングと写真を軸に、新しい人生をスタートさせました。

メンタルヘルスを意識したコンテンツづくり

ーーーインフルエンサーとして、どんな投稿をするか決める時に心掛けていることは何ですか?

オーウィン・ピアーソン:SNSは不思議なもので、固定のフォロワーがいる一方で、常に新しい人が流れ込んできます。最近は特に、静止画よりもリールやストーリーなど動画中心。リアルタイムな交流が求められます。フォロワーの中には、クローゼットの中にいて、家族や国に対してカミングアウトできていない人もたくさんいます。彼らから「自分と似た誰かがオープンに生きている姿を見ると救われる」とメッセージをもらうことも多い。だから私は、音楽や言葉、映像を通じて“心の健康”を意識したコンテンツ作りをしています。私自身の物語と同じでなくても、「自分にも重なる部分がある」と感じてもらえるように心がけています。

ブランドとの仕事と、「人と人」としてのつながり

ーーー自分らしさと、フォロワーやブランドからの期待とのバランスをどのように取っていますか?

オーウィン・ピアーソン:それは本当に難しいですね。ブランドの裏にはたくさんの人がいて、メールや電話、Zoom、そして現場での交流を通じて、ようやく“人”としてつながる感覚があります。

最近、富山と高知に出張で行ってきました。地元の職人さんやレストランの方々がとても温かく迎えてくれて、地方ニュースにも取り上げていただいたんです。ブランドとの仕事では「投稿」という成果も求められますが、私はまず“人間同士の関わり”を大切にしたい。その上で、互いに理解し合いながら何かを作り出す方がずっと意味があると思っています。

また、私は日米ハーフとして、文化の違いも常に感じています。アメリカでは自己主張が重視されますが、日本では「静かな敬意」や「思いやり」が大切。投稿をする時も、「自分のフォロワーにどう見えるか」だけでなく、「今、自分がいる場所の文化にどう響くか」を意識しています。

オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka

ジャンルに縛られない発信スタイル

ーーー例えば、SNSのアカウントを運営するにあたり、コスメや旅行など一つのジャンルに絞ることも大事だと思いますか?

オーウィン・ピアーソン:それは人によりますね。もしこれからインフルエンサーを目指すなら、最初は幅広く挑戦して、反応を見ながら軸を見つけるのがいいと思います。ただ、私自身は“枠にはまる”のが好きではありません。常に新しいことを試していたい。私の発信は大きく3つの柱で構成しています。「旅」、そして「アイデンティティ(LGBTQ・アジア系アメリカ人・日米ハーフとして)」、そして「メンタルヘルス」。このどれかに関わるテーマであれば、私は自分らしい表現だと思っています。

ーーーあなたのフォロワーはあなたのコンテンツが好きであったり、また、あなたのLGBTQコミュニティの一員としての発信にも注目していると思いますが、あなたのフォロワーたちはあなたのどんな部分に惹かれてフォローをしていると思いますか?あなたのことが好き、尊敬している、コンテンツが好き、写真が好きなど色々な理由があると思います。

オーウィン・ピアーソン:多分、ユニークな視点を持っているからだと思います。私の投稿はポジティブな話だけではないのです。旅行やSNSの投稿って、どうしてもハイライト、良かったことだけになりがちですよね。でも私は、キャンセルされたフライトや孤独な瞬間も全部見せます。「華やかに見えるけど、じつは大変なんだ」と共有することで、フォロワーも「共感できる」と感じてくれる。完ぺきじゃない日常を見せることで、彼ら自身もありのままでいいと思える。そんな存在でありたいです。

オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka

SNSの光と影、そして「リアル」でいること

ーーーリアルな自分でいることはすばらしいですよね。一部では、SNSは有毒であるとも言われています。例えば、インスタグラムにはたくさんの美しい女性がいて、自分はその美の基準に当てはまってないと感じてしまう人もいます。そこからさらに悪化し、整形をしなきゃと考えたりする人もいますよね。でもそのような見せ方はリアルではないですよね。なので、自分らしくリアルでいるということはとても大切です。そういったSNSのメリット・デメリットという点についてはどうお考えですか?

オーウィン・ピアーソン:確かにSNSにはネガティブな面もありますが、私は「人生をナビゲートするためのツール」だと思っています。ツールは使い方次第で良くも悪くもなる。だからこそ、自分が何を見て、誰をフォローし、どんな影響を受けているかを常に意識することが大切です。

発信者としての立場から言えば、SNSの最大の魅力は“つながり”です。子どもの頃、私は学校で唯一のアジア人で、周囲にオープンなLGBTQの人もいませんでした。そんな私にとって、SNSでコミュニティと出会えたことは大きな救いでした。誰か一人でも「自分も同じだ」と感じてくれるなら、それだけで意味があると思います。

一方で、SNSには表面的な関係やプレッシャーもあります。ロサンゼルスでは、イベントで笑顔の写真を撮っても、そこに本当のつながりがないと感じることがありました。「投稿しなければ存在しない」と感じる人も多い。でも本当は、コーヒーを飲んだ写真でも、友人との何気ない瞬間でもいいんです。特別な日じゃなくても“今の自分”をシェアすることが大切。いま世界はこれほど繋がっているのに、人々はかつてないほど孤独を感じている。それがSNSの光と影だと思います。

ネガティブコメントとの付き合い方

ーーーネガティブなコメントを受け取った時、どう対処していますか?

オーウィン・ピアーソン:今では、シンプルに「ありがとう」と思うようにしています(笑)。だって、コメントも数字のひとつ。見てくれたという証拠だから。「見に来てくれてありがとう。次は別の人をいじめてね」って、心の中でつぶやくくらいです(笑)。でも、最初の頃はやはり傷つきました。体型のこと、笑顔のこと、あるいは「インフルエンサーなんて偽物だ」と言われることもありました。そういう言葉が続くと、自分のアカウントを人に見せるのも怖くなる。「この人はフォロワー数で私を判断するんじゃないか?」と感じてしまう瞬間もありました。LAのカルチャーは特に数字に厳しいです。フォロワー数、ワークアウトの回数、摂取カロリー…何でも比較される。でも時間をかけて、ようやく「数字よりも人間性が大切」と気づくことができました。

プライドイベントと、広がるLGBTQコミュニティ

ーーーLGBTQのお話に移らせていただきます。LGBTQコミュニティの一員であることは、インフルエンサーとしての歩みにどのように影響しましたか?

オーウィン・ピアーソン:とても大きな影響があります。LGBTQの仲間たちと出会い、支え合えることは本当に幸せです。昨年の6月、私は仕事で4つのプライドイベントに参加しました。出身地ワシントンD.C.で開催された「ワールドプライド」では、地元出身者として招かれたことが本当に光栄でした。他にもプロビデンス、ボストン、ニューヨークなどそれぞれの街で、ドラァグショーやスポーツイベント、コミュニティ活動など、実に多様なプライドの形を体験しました。

私は24〜25歳のとき(2017年頃)にカミングアウトしました。アメリカの基準では少し遅めかもしれませんが、日本では公に発信する人はまだ少ないですよね。アメリカでは、YouTuberやインフルエンサーが「カミングアウト動画」を出すのが一般的ですが、日本や韓国では、まだ隠す文化が根強く残っていると感じます。

それでも日本では仙台や福岡、大阪、東京などでプライドイベントが開催されていて、少しずつ変化が起きているのを感じます。ただ一方で、アメリカでも政府が虹の旗を撤去したり、LGBTQの痕跡を消そうとする動きがあります。フロリダの「パルス・ナイトクラブ」での悲劇を追悼するレインボーの歩道が、行政によって消された時は、本当に胸が痛みました。私にとってレインボーは、みんなが平等であることの象徴です。

2019年、台湾プライドに参加したときの光景は今でも忘れられません。20万人を超える人々が集まり、老若男女が虹の旗を掲げていた。おじいちゃんが孫と手をつないで歩いている姿を見て、「これは単なる性的アイデンティティではなく、人権と愛のシンボルなんだ」と感じました。

「声を持つ存在」としての責任

ーーーそれはまさに人権ですよね。オンラインでLGBTQコミュニティの声を代表する立場として、最も大きな責任は何だと感じますか?

オーウィン・ピアーソン:自分が“声を持つ存在”であることを忘れず、常に発信を続けること。そして同時に、一人で抱えないことだと思います。私一人がすべてを代表することはできません。だからこそ、他のLGBTQインフルエンサーや活動家たちと連携し、ネットワークを広げることが大切です。

特にトランスジェンダーの友人たちは、アメリカでも今なお多くの差別や攻撃の対象となっています。彼らが安心して暮らせる社会を作るために、私は声を上げ続けたい。でも同時に、まず自分自身のメンタルヘルスを大切にしています。LGBTQコミュニティの多くは、結婚や子育てといった“未来のビジョン”を描きにくい環境にあります。それでも、愛をもって家庭を築きたい人はたくさんいる。私はいつか子どもを持ちたいし、「ゲイであっても家族を築ける」と親に示したいんです。愛をもって育てることができれば、それが一番大切なこと。誰もが“安全で、幸せに生きられる”社会、それを目指して活動しています。

タイムズスクエアの巨大広告と「Happiness is for Everyone」

ーーークリエイターとして成長しながら、どのようにLGBTQコミュニティへの活動を続けていますか?また、タイムズスクエアに掲出されたキャンペーンについて聞かせてください。自分の姿を巨大な広告で見たとき、どんな気持ちでしたか?

オーウィン・ピアーソン:本当に光栄な経験でした。最初は誰も教えてくれなくて、自分で見て初めて知ったんです。「ニューヨークでビルボードに出る」と聞いていましたが、まさかタイムズスクエアの巨大広告とは思いませんでした。友人と見に行ったときは本当に感動して、謙虚な気持ちでいっぱいでした。

このキャンペーンはプライド月間にも展開され、メッセージは「Happiness is for everyone.(幸せはすべての人のもの)」でした。これは僕自身の信念そのものです。みんなが幸せを追い求め、自分の人生の「著者」であることを大切にしてほしい。名前の “Owin” は、母・Tomioと父・Winの名前から作られていて、そこにも“つながり”の意味を感じています。

特に心に残っているのは、父が初めて「お前を誇りに思う」と言ってくれたこと。彼がFacebookで、教会の友人たちに向けて「自分の息子を誇りに思う」とLGBTQのレインボーと共に投稿してくれたんです。その瞬間、これまでの活動が報われた気がしました。あの出来事をきっかけに、自分の声をもっと多くの人に届けたいと思うようになりました。

両親との関係と、ルーツへのリスペクト

ーーーお父さまやお母さまとの関係は、その後どのように変化しましたか?

オーウィン・ピアーソン:父は以前よりずっとオープンになりました。何よりも私の安全を気にかけてくれています。アメリカでは残念ながらLGBTQに対する偏見が根強く、父はただ息子が無事であることを願っているんです。

母は少し違います。とても愛情深い人で、料理やもてなしを通じて愛を表現するタイプ。でも彼女は信仰心が強く、私たちは政治的・宗教的な考え方でしばしば意見が分かれます。母は佐賀県出身で、キリスト教の宣教師に出会って18歳でアメリカへ渡りました。だから、彼女も信念のために人生を変えた人。私とは信じるものが違っても、その勇気は心から尊敬しています。彼女がその決断をしなければ、私はこの世に生まれていなかったのですから。

オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka

日本とのつながり、「もうひとつの家」としての存在

ーーー日本とのつながりについてどう感じていますか?日本があなたの活動や視点にどんな影響を与えていますか?

オーウィン・ピアーソン:日本は、私の心そのものです。ハーフとして育つ中で、どちらにも完全には属せないという感覚が常にありました。白人の友人たちには「アジア人すぎる」と言われ、日本人の友人たちには「白人っぽい」と言われる。でも2019年に初めて日本を訪れ、母の故郷を歩いたとき、「自分の中のルーツがここにある」と気づいたんです。今はハワイに住んでいますが、ハワイの文化にも日本との共通点がたくさんあります。人々の温かさ、思いやり、そして“家族”という価値観。ハワイでは毎日のように日本語が聞こえるし、日本の写真撮影をしている人もよく見かけます。日本は私にとって、もうひとつの“家”のような存在です。

セラピー、自然、そして自分のメンタルヘルスを守ること

ーーーあなたはインフルエンサーであり、LGBTQコミュニティのメンバー、そして日本とアメリカのハーフなど様々な面がありますが、ご自身のメンタルヘルスをどのようにケアしていますか?

オーウィン・ピアーソン:自然の中で過ごすことが好きです。ハイキングや海で過ごす時間は心を整えてくれますし、ポケモンGOもよくやります(笑)。そして定期的にセラピーにも通っています。担当してくれているセラピストは、日本人でLGBTQでもある方。自分のバックグラウンドを理解してくれる存在に支えられていることは、とても幸運だと思っています。

次世代へつなぐプロジェクトと、これからのビジョン

ーーー今後挑戦したいプロジェクトや楽しみにしているコラボレーションはありますか?

オーウィン・ピアーソン:最近、アメリカの新しいエージェンシーと契約しました。日本でもっと活動の幅を広げたいと思っています。Booking.comや東京都といったパートナーシップ案件にも携わりましたが、これからはLGBTQへの理解を広げるプロジェクトや、社会貢献型のコラボに関わっていきたいです。

また、アメリカでは「トレバー・プロジェクト(The Trevor Project)」というLGBTQユース支援団体と関わっていて、
自殺防止ホットラインなど、本当に命を救う活動をしている人たちを尊敬しています。私も自分のプラットフォームを通じて、希望とつながりを広げていけたらと思います。

ーーー今後、インフルエンサーとして、またLGBTQコミュニティの一員として、どのように自分の役割が進化していくと思いますか?

オーウィン・ピアーソン:これからはもっと大きなスケールで活動したいです。自伝的な本の執筆を進めていて、自分の経験を通して「誰でも自分の声を見つけられる」というメッセージを伝えたい。また、LGBTQをテーマにしたドキュメンタリーやシリーズ制作にも興味があります。YouTubeやインスタグラムでも、より質の高い映像や教育的コンテンツを通して、新しい世代とリーダーたちをつなぐ橋渡しができればと思っています。

ーーーいつ頃の出版を予定していますか?

オーウィン・ピアーソン:本を書くのは本当に時間がかかるんです。編集者を含めて多くの人が関わるプロセスなので、少なくともあと数年は必要だと思います。できれば来年末か、その次の年の初めには出版できればと考えています。それまでは、自分のストーリーを発信しながら、他のプロジェクトにも取り組み続けるつもりです。ありがとうございます。

日本のLGBTQコミュニティへのメッセージ

ーーー最後に、日本のファン、日本のLGBTQコミュニティに向けてメッセージをお願いします。

オーウィン・ピアーソン:どうかあきらめないでほしい。そして社会の現実に屈しないでください。それはあなた自身の現実ではありません。自分の声や自由を持つための場所は、必ず存在します。もし自分に重なるような存在がまだ見つからないなら、自分でその「表現」を作り出せばいい。僕自身もそうしてきました。完璧じゃなくても、失敗しても、それでいいんです。

僕はとても宗教的な環境で育ったので、子どもの頃から「女性と結婚しなければならない」「恋愛は許されない」と多くのルールの中で生きてきました。だから今、自由を手にした大人として生きながら、その過去を振り返ると、不思議で興味深い旅をしてきたと感じます。誰もが同じ経験をしているわけではありませんが、「居場所がない」「自分の声を持てない」と感じたことのある人は多いはずです。

日本にもLGBTQを支援するコミュニティは確かに存在します。ゲイバーだけでなく、もっと広い形でのつながりを求める人たちもたくさんいます。ぜひそうした場所に手を伸ばしてみてください。あなたの声を聞いてくれる人たちは、必ずいます。

オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka
オーウィン・ピアーソン Photo: Ryo Tateoka

Produced by:スティーブン・ヘインズ、イシガミ ススム


【関連リンク】

オーウィン・ピアーソン公式インスタグラム https://www.instagram.com/owinpierson/

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