Z世代の超新星、ショロ・マリデュエニャ独占インタビュー「日本文化が大好き!」―『コブラ会』『ブルービートル』など
2023年公開『ブルービートル』でDC初のラテン系スーパーヒーローを演じ、大注目を集めているショロ・マリデュエニャ。今回『ザ・ハリウッドリポーター・ジャパン』はZ世代のハリウッドスターとして脚光を集める彼に独占インタビューをする機会に恵まれた。
多忙なスケジュールにも関わらず、一つ一つの質問に真摯に答えてくれたショロ。今月18日にシーズン6、パート1が公開されるNetflixシリーズ『コブラ会』を通しての成長をはじめ、ラテン系のレプレゼンテーション、そして日本との繋がりや日本のファンへのメッセージなど、たっぷりと語ってくれた。
日本との繋がりや文化について
––––––––– 日本を訪れたことはありますか?
ないんだ!行かなきゃいけないって思ってる。日本は僕の行きたい国ランキングNo.1だよ。
––––––––– 日本との繋がりや、興味のある日本文化はありますか?
もちろん!日本に行ったらやってみたいことがたくさんある。僕はスタジオジブリやポケモン、日本食が大好きなんだ。それに、日本の伝統工芸文化や職人技も尊敬している。特に、日本の職人が手がける木工芸術は素晴らしい。あと、東京ディズニーリゾートに行ってみたいかな。
とにかく、日本全体を深く探索したい。大学生の時に『二郎は鮨の夢を見る』(2011)というドキュメンタリーを観たんだけど、先祖代々受け継がれる寿司作りにとても魅力を感じた。だから日本で有名なお寿司屋さんに行ってみたい。日本でやりたいことリストは永遠に続くよ。
Netflixシリーズ『コブラ会』について
––––––––– 日本への興味が沢山あることを知れて嬉しいです。『コブラ会』についてお話を聞かせてください。ドラマのテーマでもある空手は沖縄発祥の武道ですよね。『コブラ会』に出演している中で、日本空手の極意や精神などを学ぶ機会はありましたか?
素晴らしい質問だね。『コブラ会』のために格闘技を学ぶのは、とても面白くて勉強になった。ただ戦うだけじゃなくて、格闘技には深い文化があって、生き方にも関係する。毎日ハードに特訓しているわけじゃないけど、格闘技の考え方や厳しさは、普段の生活にも役立っている。
番組のスタッフが、唐手道や松濤館空手、沖縄空手などいろんなスタイルを教えてくれて、すごく助かった。まだまだ知らないことがたくさんあるのが楽しいし、こういう経験ができてありがたいと思っている。
––––––––––『コブラ会』の撮影を始めたとき、ご自身はまだ16歳でしたよね。それから6年経った今、自分自身とミゲルというキャラクターの成長についてどう感じていますか?
僕たちは一緒に成長したんだ。始めたときミゲルは16歳で、僕も16歳だった。キャラクターが18歳に近づいて、僕が23歳になった今、二人ともすごく変わったと思う。ミゲルと長い時間を過ごせたおかげで、彼の経験により深みと微妙なニュアンスを持たせられるようになった。
理解するのに時間がかかることもあるけど、そういう気づきをキャラクターに反映させられるようになった。今の人生の段階で、ミゲルの物語を続けていくのはしっくりくるんだ。
–––––––– ミゲルの成長について、彼はシーズン5で、実の父親を探すためにメキシコに行き、いわば“自己発見の旅”に出ましたよね。これまでの『コブラ会』でのミゲルの旅路について教えてください。
決して簡単ではなかった。でも、そういう挑戦的な瞬間こそが、一番の成長につながるんだ。このドラマは各キャラクターの弱さと本質をうまく描いている。
ミゲルにとっては、特に「血のつながりのない、自ら選んだ家族」というストーリーラインが意味深いんだ。これは僕自身の人生経験と重なるから、演じるのは光栄なことだよ。この役は僕の心の整理にもなって、自分の経験をミゲルの演技に生かせたよ。
–––––––– 日本のファンもシーズン6を楽しみにしていますが、次のシーズンについて何か教えていただけますか?
今までで一番お気に入りのシーズンで、チャレンジングな内容になっている。全てのエピソードで戦いのシーンがあるんだ。これは今までやったことがないことだね。この規模で仕事をして、他の俳優たちとたくさんのスタントをやるのは、すごい体験だよ。
ラルフ・マッチオ(ダニエル・ラルーソー役)が第1話を監督して、他のキャストメンバーも監督をやったんだ。『ベスト・キッド』本人に演出されるなんて光栄だよ。話したいことはたくさんあるけど、これらが今挙げられる注目どころかな。
代表性(レプレゼンテーション)について
–––––– 多くの若いラテンアメリカ系タレントが、エンターテイメント業界で成功を収めていますよね。DC映画『ブルービートル』でのあなたの演技は、多くのラテン系アメリカ人の子どもたちに希望を与えたと思います。あなたにとって、代表性(レプレゼンテーション)はどういう意味を持ちますか?
本当に、僕の全て、僕の“世界”だ。レプレゼンテーションは、エンターテイメント業界だけじゃなく、あらゆる分野で重要だよ。『ブルービートル』の仕事は心が浄化されるような経験だった。なぜなら、多様性のあるキャストで、ラテン系の監督に演出されたのが初めてだったからね。僕たちの文化や経験をスクリーンに映し出して、人々の反応を見るのは、全てに勝る体験だった。こんな大きな舞台で、自分のコミュニティを代表できるのは光栄なことだね。
––––––––– ロサンゼルスで生まれ育ったラテン系アメリカ人として、今まで演じた役の中で、最も共感できるのは誰ですか?
いい質問だ。ミゲル(『コブラ会』)もハイメ(『ブルービートル』)も素晴らしいキャラクターだよ。LAで育ったミゲルは、確かにLAらしい雰囲気がある。テキサス州の架空の都市パルメラ・シティ出身のハイメは、強いチカーノ(メキシコ系アメリカ人)的なルーツがある。でも、今まで演じた中で一番自分に近いと感じるキャラクターはショロ(自分自身)かな(笑)。
自身の活動やプロジェクトについて
––––––––– ご自身の活動、特にポッドキャスト『ローン・ロボス』について聞かせてください。ユウジ・オクモトさん(『コブラ会』渡口長善・チョーゼン役)をゲストに迎えた回を楽しく聴きました。番組内で、ユウジさんにZ世代の言葉の意味がわかるか聞いていましたね。ポッドキャストはZ世代の文化を表していて、スターとファンをつなぐものだと思います。どうしてポッドキャストを始めようと思ったんですか?
いい質問だね!このアイデアは、僕たちの演じるキャラクター以外の自分たちをもっと見せたいという思いから生まれたんだ。共同ホストのジェイコブ(・バートランド『コブラ会』イーライ・モスコウィッツ役)と僕は、自分たちの興味のあることについて話したり、いろんな話題について意見を共有したりできる場所が欲しかったんだ。友達やファンとつながれる楽しい場所になってる。もう3年近くやってて、自分たちの成長が見られたり、熱心なリスナーが楽しんでくれているのは、すごくいい経験だよ。
––––––––– ポッドキャストを聴いていると、まるで会話に参加しているような気分になります。イニャキ・ゴドイやソーチー・ゴメスのようなゲストとのエピソードでは、リスナーもラテン系アメリカ人コミュニティの一員になったような気分になれると思います。ハリウッドの新世代やZ世代を代表する存在、若い世代に希望を与える存在であることに対し、どう感じていますか?
僕は自分が何かを“代表する存在”だなんて言うつもりはないけど、愛を持って行動して、他の人たちのために道を開きたいと思ってるんだ。一番有名なスターになることが目的じゃなくて、もっと多様な声が届く機会を作ることが大切だと思う。僕はもっとたくさんの物語を伝えて、もっと多くの人を仲間に入れたいんだ。
–––––––– 今後、予定しているプロジェクトについて教えてください。
もちろん!まず、ポッドキャストでは、エピソードを増やしたり、グッズを作ったり、新しいゲストを呼んだりしてる。ラルフ・マッチオとウィリアム・ザブカ(『コブラ会』ジョニー・ローレンス役)をゲストに迎えるエピソードがとても楽しみだよ。
それに、アイフ・リベラ監督の『Killing Castro(原題)』っていう映画にも出演した。詳細はもうすぐ公開されるはずだよ。
他にも、楽曲、EPをリリースする予定で、『ローン・ロボス』共同ホストのジェイコブ・バートランドと一緒に、僕の2作目のミュージックビデオの監督もやるんだ。楽しみなことがたくさんあるよ!
日本のファンへメッセージ
––––––––––– 日本のファンに何か伝えたいことはありますか?
言わなくてもわかってると思うけど、本当に感謝しているよ。僕自身、日本作品のファンでもあるから、お互いに尊敬し合えるのは本当に光栄なことだと思う。実際に日本を訪れて、日本文化を体験できる日が待ちきれないよ!
取材・記事 The Hollywood Reporter Japan 山口 京香 / Kai Yamaguchi
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