舘ひろし、コメディ映画『免許返納⁉』で32年ぶり南条弘役「私の俳優人生を象徴している」
俳優の舘ひろしが映画『免許返納⁉』に主演することが決まり、1994年『免許がない!』の主人公の映画スター・南条弘を32年ぶりに演じた。
同一人物だが続編ではなく、2013年『永遠の0』、2022年『ラーゲリより愛を込めて』などの林民夫氏がオリジナル脚本を執筆した。ベテラン俳優が、自身の発言によって免許の自主返納を迫られるドタバタコメディだ。

『免許がない!』ではアクション俳優として鳴らしていた南条が運転免許を持っていないことが発覚し、自動車教習所で免許取得に奮闘する姿が描かれた。それから数十年、芸術映画で映画賞を数多く受賞するなど大御所となったが、心の中ではアクションをやりたい思いを常に抱えている設定となっている。
舘は今作のオファーに、「目に飛び込んできたタイトルに驚きました」と率直な感想。それでも、「免許をめぐる物語が『免許返納⁉』という形で巡ってきた。これは私の俳優として歩んできた人生を象徴しているかのようで、運命めいたものを感じました」と快諾した。

『免許がない!』(1994年)
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同世代の俳優がプライベートでバイク事故を起こし、コメントを求められた南条が「映画と現実は違います。やるべきことにしっかり向き合う。年を取ったら、それが車やバイクの運転よりずっと大事なこと」と談話を発表。これが拡大解釈されて独り歩きし、徐々に免許返納への包囲網が敷かれていく。
舘は脚本の段階から参加し、河合勇人監督、林民夫氏と打ち合わせを重ね「林さんがつむいだ軽やかで味わい深い脚本を基に、次々とアイデアが湧き上がり広がっていきました」と納得がいくまで推敲。舘の楽曲「泣かないで」を中学2年の時に聴いてから舘が永遠のヒーローだったという河合監督も「徹底的に読み込み、毎朝のように驚くようなアイデアを投げかけ、こちらの想像を軽々と飛び越えてきた」と舌を巻いた。
現代的なテーマを扱っているが、コメディだけに遊び心も満載。南条の愛車フェラーリによるカーアクションもあるが、公開されたティザービジュアルではキッズトイの車に変わっている。「あぶない刑事」でおなじみの日産レパードも登場し、舘がハーレーに乗ってショットガンを構えるリスペクトを込めたパロディシーンもあり、「笑って泣ける、世代を問わず楽しんでいただける作品となっております」と自信のほどを語っている。

『ラーゲリより愛を込めて』(2022年)
河合監督も「現場で『これが舘ひろしだ』と何度心の中で叫んだことか。憧れ続けた『あの舘ひろし』の瞬間を、遠慮なく全力で詰め込みました」と手応えを感じている。
映画『免許返納⁉』は、2026年6月19日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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