柴咲コウ『蛇の道』で共演のダミアン・ボナールとサプライズで歓喜の再会

左から黒沢清監督、西島秀俊、柴咲コウ、ダミアン・ボナール、青木崇高
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俳優の柴咲コウが主演する日仏合作映画『蛇の道』の初日舞台挨拶が東京・新宿ピカデリーで行われた。柴咲は共演の西島秀俊、青木崇高、黒沢清監督とともに登壇。「公開されたほんのり安堵していますが、今日がスタート。全世界でたくさんの人に見ていただきたい。日本からの発信をお手伝いしていただければうれしい」と笑顔でアピールした。

黒沢監督が、1998年に公開された自身の作品をフランスのスタッフでセルフリメーク。柴咲は愛娘を殺された父親の復讐に協力する心療内科医役で、全編ほぼフランス語での演技に挑戦し、「このような機会がなければ、ここまでフランス語に没入することはなかった。仕事で関われて良かったと思うし、これからもそういった出合い、芝居をしていきたい」と意欲を新たにした。

黒沢監督は、「日本とフランスが一体となって1本の映画を作っていくという、映画は国境を越えるとはこういうことだと改めて実感し感無量」としみじみ。さらに、「クランクアップした瞬間のスタッフ、俳優から何かを成し遂げたという表情がうかがえた。僕も同じような顔をしていたと思うし、人生の中で貴重な時間で、最高の幸せを感じていた」と自身の最高傑作を自任した。

父親役のダミアン・ボナールは中継でスクリーン越しに参加する設定のため、柴咲が「ダミア~ン」と呼びかけたが、反応はなし。何度か繰り返していると突然、「ここだよ」と本人が客席から立ち上がると、柴咲は「キャー」「えーっ、なんでー」と叫び驚くことしきり。それでも1年1カつきぶりの再会に、ボナールがステージに上がると「しばらくだね」とフランス語であいさつし、歓喜のハグとキスを交わした。

客席のダミアン・ボナールを見つけ驚く柴咲コウ

スタッフ、キャストには完全にサプライズでの来日で、ボナールは「メガネとマスクをして隠れていたんだよ」と満面の笑み。日本の観客と一緒に観賞したことにも喜び「早くフランスや世界のいろいろな世界の皆と共有したい」と期待した。

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再会を喜びハグを交わすダミアン・ボナール(左)と柴咲コウ(右)

黒沢監督は、「僕らにサプライズをする意味があったのか。動揺して言葉が全部吹っ飛んだ」と苦笑。その上で、「ひどいことをする人たちのひどい映画かもしれませんが、最後にはかすなか爽快感が残っていたのではないかと思う。ただ、ホラー好きの人にはどにかく柴咲さんが怖いと伝えてほしい」とアピールした。

花束を贈り笑顔の2人

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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