山崎貴監督『ゴジラ』新作映画に意欲「-1.0を乗り越えるゴジラ映画を作ります」
『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が「ゴジラの日」の3日、都内で開催された「ゴジラ・フェス2024」のトークショーに出席した。
1954年に『ゴジラ』が公開されてから、この日でちょうど70年。山崎監督は製作が決定した『ゴジラ』の新作映画で監督・脚本・VFXを手掛けることが今月1日に発表されたばかりだが、「きょうは、これ以上何も発表できませんと言いに来ました」といきなり防御線を張り、詰めかけたファンからは一斉に落胆の声が上がった。
『ゴジラ-1.0』は昨年11月3日に封切られ、興行収入76億5000万円の大ヒット。全米でも公開され、日本映画として初めてアカデミー賞視覚効果賞を受賞。「-1.0がいろいろとうまくいきすぎて、ハードルがめっちゃ高くなった。そこに自分で臨まなければいけないのは、ある意味貧乏くじ」と自嘲気味に話した。
米大手エージェンシー・CAAと契約し、「凄い作品(のオファー)がいっぱいきました。タイトルは言えないよ」と海外での展開も順調な様子。その上で、「ゴジラを撮るから、血の涙を流して断りました」と宣言。そして、「もうちょっとかかりますが、頑張って-1.0を乗り越えるゴジラ映画を作ります」と力強く語り、盛大な拍手と歓声を浴びていた。
その後、第37回東京国際映画祭の日本映画クラシックス部門での第1作『ゴジラ』4Kデジタルリマスター版のジャパンプレミアで舞台挨拶。共に登壇した初代ゴジラの造形助手だった鈴木儀雄氏の、「(着ぐるみの)中に入る役者さんに合わせて、針金で形を作り硬い金網と軟らかい金網を個所によって使い分けて張っていった。最初は重くて、役者さんが芝居ができないと怒ってしまった。偉い人には言えないから、僕を殴るわけです」など当時の仰天エピソードの数々には爆笑の連続だった。
『ゴジラ-1.0』でも、「第1作にかなりインスパイアされています。電車や中継の人が死んでしまうなど、素敵なところがいっぱいあるので使わせていただきました」と最敬礼。「ゴジラは米国でも作られているが、僕らが作るゴジラ映画は初代の精神である反核、反戦を大事にしなければいけない」と自らに言い聞かせるように話した。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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