LAの有名アリーナに超高級VIPスイートが誕生 裏側を公開
コロナ禍が契機となり、プライベート会員限定の高級スイートが米「クリプト・ドットコム・アリーナ」に増築された。最も高額な“ハイドアウェイ・ラグジュアリー・スイート”は、グッチの壁紙が張られたカスタム・スイートで増築費用は200万ドル以上にのぼるという。
VIPスイートを提供する会員クラブ“Stadium Status”の創設者、マット・アンポルスキー氏は語る。「クリプトから、とてもユニークな機会をいただきました。これまで同アリーナは、他者がカスタマイズすることに難色を示してきたので…ですが、パンデミックの影響でイベントの減少に直面し、苦境に立たされていたのでしょう。以前よりアリーナ側からスイートを売り込まれていて、私たちは“好きなようにカスタマイズさせてくれるなら、やりましょう”と伝えました」アリーナには、3つのフロアに分かれた全172室のスイートとラウンジが設備されている。
2つのスイートが結合した“ハイドアウェイ・スイート”は、61㎡の空間にDJブースやクレーンゲームを完備。アンポルスキー氏によると、当初“Stadium Status”のスイートは、友人・家族向けまたは“ネットワーク・マーケティングツール”として利用されていたそうだ。それが今や“より需要が高い会員クラブに発展した”という。
特にレイカーズが週末に試合を行うときは、“ハイドアウェイ”の利用者数が最も増加する。「盛大なパーティーに様変わりします…シャンパンやショットだらけですね」とアンポルスキー氏は語る。これまで“ハイドアウェイ”のゲストとして、ディプロやエヴァ・ロンゴリア、オリヴィア・ロドリゴら著名人が訪れた。“Stadium Status”のメンバーシップは約2万5,000ドルの会費を1回限り払うと、様々な会社のスイートやアメニティーを利用できる300枚の“イベント・トークン”に交換されるという仕組み。(クリプトほか「SoFiスタジアム」と「BMOスタジアム」のVIPスペースが利用可能)トークンを使い切れば(例: レイカーズ1試合あたり5トークン)、会員はクレジットを追加購入できる。
現在“Stadium Status”チームは、2024年オープン予定の“イントゥイット ドーム”にハイドアウェイ風のスイートを建設しようとしている。
アンポルスキー氏は、音楽コンサートでミート&グリートやサウンドチェックの観覧といったファン向けの体験を提供するエンターテインメント会社“コンファームド 360”の創設者でもある。同社は、昨年スーパーボウルの期間中にロサンゼルスでジャスティン・ビーバーやドレイクのパフォーマンスを主催した。
最近はスポーツ分野にも進出し、コート内でシュートチャレンジに参加できる“MVPエクスペリエンス”を提供。アンポルスキー氏は「我々が音楽分野で培ってきた経験を、スポーツの世界に応用できる最高の機会です」と明かした。
“Suite Experience Group”もまた、VIPスイートへのアクセスを提供する会社だ。クリプト・アリーナほか、国中の会場にあるラグジュアリーなレンタル設備に特化している。レイカーズとクリッパーズの試合の場合、費用は2,000ドル~1万2,000ドルで、収容人数は12~30人。VIP駐車場、専用入り口といったアメニティーも含まれている。
同会社の社長スコット・スペンサー氏は「LAの市場には、スイートを備えた素晴らしい会場がいくつもあります」としながら、クリプト以外のスタジアムを挙げ「各会場のあいだでは、激しい競争が繰り広げられています。それで一番得をするのは、ファンですね」と語った。
※初出は米The Hollywood Reporter誌(4月26日号)。今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌