【ラスベガスGP決勝レポート】フェルスタッペン、ルクレールとペレスを抑えて優勝!
レッドブルのマックス・フェルスタッペンがフェラーリのシャルル・ルクレールとレッドブルのチームメイトであるセルジオ・ペレスを抑え、トップでチェッカーを受けた。
フェルスタッペンはスタートでルクレールからトップを奪ったものの、ルクレールをコースアウトさせたとして5秒のタイムペナルティを科せられ、さらにその後ルクレールにオーバーテイクされる場面もあったが、力強い見事なパフォーマンスを見せつけた結果となった。
【ラスベガスGP 決勝 結果】
順位 | No | ドライバー | チーム | GAP | INT | PIT |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 2 | ||
2 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 2.070 | 2.070 | 1 |
3 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル | 2.241 | 0.171 | 2 |
4 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ | 18.665 | 16.424 | 1 |
5 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 20.067 | 1.402 | 2 |
6 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 20.834 | 0.767 | 2 |
7 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 21.755 | 0.921 | 2 |
8 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 23.091 | 1.336 | 2 |
9 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 25.964 | 2.873 | 2 |
10 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 29.496 | 3.532 | 2 |
11 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 34.270 | 4.774 | 1 |
12 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ | 43.398 | 9.128 | 1 |
13 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | 44.825 | 1.427 | 2 |
14 | 3 | ダニエル・リカルド | アルファタウリ | 48.525 | 3.700 | 1 |
15 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 50.162 | 1.637 | 1 |
16 | 2 | ローガン・サージェント | ウィリアムズ | 50.882 | 0.720 | 1 |
17 | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ | 85.350 | 34.46 | 2 |
DNF | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 4L | 4L | 2 |
DNF | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ハース | 5L | 1L | 2 |
DNF | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 48L | 43L |
エステバン・オコンが4位を獲得。ジョージ・ラッセルは、フェルスタッペンとの接触で5秒加算のタイムペナルティを科せられ、8位に降格となった。
ラッセルのペナルティでアストンマーティンのランス・ストロールが5番手に浮上し、フェラーリのカルロス・サインツが6番手、メルセデスのルイス・ハミルトンが7番手を獲得した。
フェルナンド・アロンソとオスカー・ピアストリは、それぞれポイントを獲得。アロンソは1周目のスピンから挽回し、ピアストリはチームメイトのランド・ノリスが序盤に大クラッシュを喫したため、今回マクラーレンで唯一チェッカーを受けた。
4番手からスタートしたピエール・ガスリーはレースの大半でポイント圏内をキープして走行していたが、11位でフィニッシュ。アレックス・アルボンがそれに続いた。
ハースはケビン・マグヌッセンが13番手、アルファタウリはダニエル・リカルドが14番手で、アルファロメオの周冠宇とバルテリ・ボッタス、ウィリアムズのローガン・サージェントが完走を果たした。
アルファタウリの角田裕毅、ハースのニコ・ヒュルケンベルグは終盤、マシントラブルによりチェッカーを受けることなく、終了となってしまった。
ラスベガスでの華やかな3日間を終えたF1は、来週末にヤス・マリーナ・サーキットで開催されるアブダビGP最終戦へと舞台を移す。
【決勝レース】
ラスベガス・ストリップ・サーキットでのスリリングな予選が行われた後、注目は土曜日の夜に行われる50周のレースへと移った。
ルクレールはポールポジションからスタートし、サインツが10グリッド降格ペナルティを受けたことにより、フェルスタッペンがフロントローに並んだ。
ハミルトン、周、ピアストリはハードタイヤを選択し、後方から追い上げを狙うストロールと角田はソフトタイヤを選択した。
フェルスタッペンはターン1でルクレールのインに果敢に飛び込み、トップに浮上。
その後方では、ラッセルがガスリー、アルボン、サージェント、マグヌッセンから3位を守り、オコンとストロールはオープニングラップでトップ10に浮上。
しかし、アロンソが単独でスピン、サインツがアンダーステアでハミルトンに突っ込むというドラマもあった。
ターン1のボトルネックでのペレスとボッタスの接触によるデブリを回収するためVSCが出され、2台はアロンソとともに修復のためにピットに入った。
3周目にVSCが終了し、レースが再開されたが、ノリスがターン11でマシンのコントロールを失い、バリアに激突してSCが出された。
フェルスタッペンはリスタートとトリッキーなコンディションに上手く対応し、ルクレールとのリードを保ったが、スチュワードがフェルスタッペンに5秒のタイムペナルティを科すことを発表すると、”ああ、それでいいよよろしく伝えてね”。と皮肉交じりにコメントした。
ラッセルとガスリーがフェルスタッペンとルクレールを視界に捉える一方で、後方のマシンとの差は広がっていった。ウィリアムズのアルボンとサージェントが5番手と6番手、オコンが7番手、ピアストリが8番手、そしてマグヌッセンをパスしたハミルトンが9番手につけている。
一方、ペレスはポイント獲得圏内に復帰。
さらにハミルトンとピアストリが接触し共にパンク、ピアストリは火花を散らしてすぐにピットに戻った。
レースは20周目に差し掛かり、まだピットストップを終えていないルクレールがペレスに約14秒のリードを築き、オコンも3番手で最初のスティントを走り、ストロール、サインツ、アロンソ、周、ラッセル、フェルスタッペン(ペナルティを消化)、ガスリーが続いた。
その数周後、ルクレールがようやくピットインしミディアムタイヤからハードタイヤへ交換、ペレスとストロールに続く3番手でコースに復帰した。
一方、4番手、5番手、6番手をめぐってはサインツ、ラッセル、フェルスタッペンの間でエキサイティングな争いが展開されていた。24周目、メルセデスとレッドブルが長いストリップ・ストレートでフェラーリを猛追。
フェルスタッペンがラッセルに仕掛けるのに時間はかからなかったが、ターン14で2台の間に十分なスペースがなく、接触してコース上にデブリが散らばった。フェルスタッペンはチームに無線で “ラッセルが突っ込んできた”と伝え、スチュワードはラッセルに5秒加算のペナルティを科した。
デブリの回収によりまたしてもSC。フェルスタッペン、ラッセル、サインツ、アロンソ、周、マグヌッセン、ヒュルケンベルグ、ハミルトンもタイヤを交換した。
2回目のピットストップ時にフロントウイングを交換しなかったフェルスタッペンが5番手、オコン、ストロール、アルボン、ラッセル、サインツがポイント圏内に続いた。
リプレイでは、セーフティカーの後ろでタイヤを温めようとしていたルクレールが映し出された。「危なかった!タイヤが冷えている」と無線でコメント。
一方、フェルスタッペンは5番手をキープし、ピットでストロールとサイド・バイ・サイドに並走したが、ペナルティは免れた。
ペレスはすぐにルクレールにプレッシャーをかけ始め、32周目にターン14で前に出た。
その後方では、オコンとガスリーが順位を入れ替え、アルボン、ストロール、ラッセル、サインツがトップ10に残った。
ルクレールはペレスとのギャップを縮め、ターン14への進入でペレスをパスする。
その後、フェルスタッペンがペレスをパスすることに成功し、残り10周を切ったところでルクレールをパスしてトップに立った。
その間にアルボンが順位を落とし、ラッセル、サインツ、アロンソがポイント圏内をキープしていた。
ペレスが再びルクレールにプレッシャーをかけ始めると、フェラーリはターン14でロックアップし、レッドブルにポジションを譲った。
しかし、最終ラップに入ってもルクレールはペレスのDRS圏内にとどまり、ターン14のブレーキングゾーンでオーバーテイクに成功。
フェルスタッペンはその数秒後にトップでチェッカーを受け優勝を決め、ペレスがルクレールを追いかけて表彰台を獲得した。
ラッセルはフェルスタッペンとの接触によるペナルティが適用され、ストロール、サインツ、ハミルトンに次ぐ8位に後退。
アロンソは9位でフィニッシュしたことで、アストンマーティンはダブルトップ10入りを果たし、ピアストリは終盤のピットストップでハードタイヤからミディアムタイヤに交換し10番手でレースを終えた。
終盤に角田とヒュルケンベルグがリタイアし、ノリスはメディカルチェックを受けることになった。
【コメント】
フェルスタッペンはレース後、次のようにコメントした。
「タフなレースだった。スタートで(ルクレールとの)勝負に出ようとしたんだけど、ふたりともブレーキングがかなり遅れて、グリップが足りなくなって少し膨らんでしまった。もちろん、そのせいで少し後手に回ってしまったし、何台かパスしなくてはならなかった。その時点ですでにレースではいろいろなことが起こっていたね。」
「DRSはここではかなりパワフルで、たとえトップに立ったとしても、後ろのマシンがDRSゾーンにとどまっていれば、そのマシンに追いつかれるチャンスがある。今日はとてもいいレースができたと思う。」
【次戦】
次戦、2023年F1最終戦は11月24日~25日にヤス・マリーナ・サーキットで開催されるアブダビGPだ。
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