【最恐に怖い映画15選】絶叫必至!ヒッチコックの名作『サイコ』やカルト的スリラー、超低予算の大ヒット作も

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映画を怖くするものとは何か?ジークムント・フロイトは、「備えがないまま危険に直面したときに生じる状態」として、「恐れ」(Fear)や「不安」(Anxiety)とは異なる「恐怖」(Fright)を定義している。つまり、恐怖は驚きの要素に重きを置いており、“最も怖い”映画とは“最も驚かせる”映画だと言える。
安易で手っ取り早い方法として、大袈裟な音楽などに頼って観客を飛び上がらせるジャンプスケアを使う映画も多い。しかし、本記事で挙げたような真に恐ろしい映画は、オリジナリティと大胆さで驚かせるものだ。それは、未知や不安定な領域へ観客を引きずり込むものだったり、全く新しい何かを見せつけるものだったりする。あるいは、あまりに極限まで突き進むがゆえに、もう見たくないと感じながらも目を逸らせないものだったりするのだ。
フロイトのこの定義は、著作『快楽原則の彼岸』からのものである。彼は同作で、人間の本質には快楽を求める欲求と同時に「死の欲動」も備わっていると説いた。ホラー映画は、まさにこれらの2つの欲望を同時に満たしているように見える。私たちは「死」に向かって突き進む感覚を味わいながら、それがスクリーンの中だけの出来事であることに安心して快楽を得る。だからこそ、人々は映画の最も恐ろしい瞬間に悲鳴を上げると同時に笑いもするのだ。
そして、最も恐ろしい映画はそこからさらに一歩踏み込んでくる。現実と虚構の境界を越え、スクリーンで見ている出来事が「本物」であり、「自分にも起こり得る」と信じ込ませるのだ。
以下、「最恐に怖い映画15選」
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15.『リング』(1998)
アメリカのリメイク版を好む人もいるが、中田秀夫監督によるオリジナル版こそが、Jホラー映画の恐怖を象徴する作品であり、後の作品に多大な影響を与えたのである。90年代半ばに衰退していたジャンルを蘇らせ、『リング』は暴力や血みどろの描写に頼るのではなく、不気味な映像表現によって新たな恐怖を生み出した。
14.『脱出』(1972)
70年代、それ以前を含めても、ジョン・ブアマン監督によるカヌー旅行を描いた本作ほど、観客を衝撃に叩き落としたスリラーはそう多くない。制作費が極端に少なかったため、バート・レイノルズをはじめとするキャストたちは自らスタントをこなし、撮影終了時には満身創痍だったという。しかし、さらに過酷なのは映画の2つの名場面だ。1つは長く生々しい男性への暴行シーン、もう1つは「デュエリング・バンジョー」の演奏シーンで、その哀愁漂う旋律は今もなお観る者の記憶に焼きついて離れない。
13.『パラノーマル・アクティビティ』(2007)
オーレン・ペリ監督による超低予算の大ヒット作は、観客を恐怖に叩き込む“ファウンド・フッテージ”映画の元祖ではない。しかし、デジタル時代に合わせてこの手法を巧みにアップデートしている。郊外の一軒家の寝室に設置された家庭用ビデオカメラという極めてシンプルな設定ながら、平凡な日常の中に潜む原始的な恐怖を引き出すことに成功。若きカップルが正体不明の超常現象に少しずつ蝕まれ、壊れていく様子は、まさに現代の恐怖を映し出している。
12.『ザ・バニシング-消失-』(1988)
ジョルジュ・シュルイツァー監督の本作は、最後に突きつけられる衝撃的な真実だけでなく、決して答えを明かさない点においても、非常に不穏で心をかき乱す作品となっている。物語は、フランスを旅行中の若いオランダ人カップルが登場する穏やかなシーンから始まる。だが、ガソリンスタンドで彼女が突然姿を消すことで、空気が一変する。残された彼氏は彼女の行方を探し続けるが、物語が進むにつれ希望は失われ、ただ不安だけが募っていく。
11.『サイコ』(1960)
今となってはそれほど恐ろしく感じないかもしれないが、アルフレッド・ヒッチコックによる革新的なスラッシャー映画は、公開当時に観客を恐怖のどん底に突き落とした作品だ。サスペンスの巨匠のキャリアの中でも最も商業的に成功した作品となったのは、偶然ではない。有名なシャワーシーン、階段での殺害シーン、そして衝撃のラスト――少なくとも3つの絶叫ポイントを備えた『サイコ』は、低予算でも最大限の効果を生み出す恐怖演出の教科書的作品である。
10.『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)
ロマン・ポランスキーは、当時『ペイトンプレイス物語』というメロドラマで知られていたミア・ファローを主演に迎え、心理スリラー『ローズマリーの赤ちゃん』でハリウッドを席巻。妊娠による狂気への緩やかな転落を描いた本作は、悪魔的受胎という恐怖譚であると同時に、結婚や社会が女性に母親になることを強要する不穏なプレッシャーを映し出しており、非常に不安を煽る物語となっている。
9.『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』 (2008)
ホーム・インベージョンというジャンルは、『疑惑の影』や『恐怖の岬』などの初期作品で探求されてきたが、オードリー・ヘプバーン主演の『暗くなるまで待って』やウェス・クレイヴンの『鮮血の美学』によって本格的にホラーの領域に踏み込んだ。その系譜の中でも、ブライアン・ベルティノ監督のデビュー作である本作は屈指の完成度を誇る。問題を抱えた若いカップルが人里離れた田舎の家に滞在し、関係を修復しようとするが、そこへ突如現れた謎の3人組によって執拗に追い詰められていく。この容赦ない恐怖描写は、今なお観る者の心をえぐる。
8.『赤い影』 (1973)
親を襲う喪失の苦しみを徹底的に描き出したニコラス・ローグ監督によるオカルト・スリラー。亡き娘の幻影に取り憑かれた夫婦が、ゴシックなヴェネツィアをさまよう姿を追う。本作は、ジャンプカットやフラッシュバックなどを不穏なほど巧みに使いこなし、観る者を混乱させる。何よりも、赤いコートを着た少女の忘れがたいイメージが繰り返し現れ、見る者を最後まで突き放す作品だ。
7.『ハロウィン』(1978)
不吉なピアノの旋律――しかも監督自らが作曲したこの音楽は、ジョン・カーペンターのスラッシャー映画を真の古典たらしめる要素のひとつである。公開から40年以上経った今でも輝きを失わず、興行収入7000万ドルという大ヒットを記録した作品だ。
ハロウィンという祝日を血塗られた悪夢に変貌させた本作は、さまざまなリメイクやリブートを生んだが、いまだにオリジナルを超えるものはほとんど存在しない。映画全体に散りばめられた衝撃的な瞬間もさることながら、最も恐ろしいのは、完璧な郊外の街並みを冷酷な殺人鬼が彷徨い続けるという繰り返されるイメージだ。
6.『ソドムの市』(1975)
イタリアの偉大な詩人であり、監督のピエル・パオロ・パゾリーニが、53歳で殺害される直前に完成させた作品。本作は気弱な人や、知的探究心のない人には到底耐えられないだろう。18世紀のマルキ・ド・サドによる拷問と性的暴力を描いた小説を、第二次世界大戦下のイタリアに置き換えた本作は、優雅でありながら、深く考えさせ、そして信じがたいほど残酷だ。観る者の倫理観の限界を容赦なく押し広げ、スクリーンに映し出される地獄絵図がさらに恐ろしいのは、それがイタリアの冷酷なファシスト政権下で現実味を帯びているからに他ならない。
5.『シャイニング』 (1980)
スタンリー・キューブリック監督がスティーヴン・キングの小説を映画化した本作は、安易なショックシーンに頼るのではなく、終始心理的な恐怖を作り上げることに重きを置いている。廊下に佇む双子、血に染まるエレベーター、名台詞「Here’s Johnny!」――これらの象徴的な場面は、ホラー映画史上でも最も記憶に残るビジュアルとなり、本作をジャンルの美的到達点のひとつへと押し上げた。圧倒的な映像美と重苦しい恐怖が同居する、まさに視覚的恐怖の傑作だ。
4.『エクソシスト』 (1973)
恐ろしい瞬間がいくつも散りばめられている『エクソシスト』だが、最も恐ろしいのは12歳の少女が悪魔によって精神的にも肉体的にも完全に崩壊していく様を、母親がただ傍観するしかないという残酷な描写そのものだ。ウィリアム・フリードキン監督の不安を煽る演出に加え、オーウェン・ロイズマンによる霧に包まれた映像美、マイク・オールドフィールドの電子音楽テーマが融合し、本作を忘れがたい体験へと昇華させた。
3.『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)
インディーホラーの大ヒット作『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、ビデオと16mmフィルムで撮影された偽物の「ファウンド・フッテージ」を巧妙に使い、メリーランドの奥地で魔女現象を追う映画学生たちの姿をリアルに描き出した。「見せないほど恐ろしい」というホラーの鉄則を徹底的に守ったダニエル・マイリック&エドゥアルド・サンチェス監督の手法は、後に数えきれない模倣作を生んだ。しかし、これほど純粋で直球な恐怖を作り上げた作品は、結局のところ他には存在しない。
2.『悪魔のいけにえ』 (1974)
ホラー史上最も血みどろな系譜は、トビー・フーパー監督が深いテキサスの地に踏み込んだことによって生まれた。大学生たちが、殺人鬼の一家の餌食になる本作は、定番のジャンプスケアや大音量の効果音に頼るのではなく、肉を喰らう一家と殺人に使用されるさまざまな工具という衝撃的なビジュアルで観客を打ちのめす。『悪魔のいけにえ』は、一度観ただけで心も体もボロボロにされ、吐き気すら覚える映画である。
1.『ファニーゲーム』 (1997)
ホラー映画として分類されることは滅多にないが、オーストリア発のホームインベージョン映画『ファニーゲーム』は、今なお最も恐ろしく、場合によってはトラウマ級の作品だ。休暇中の家族がサイコパスの若者2人に襲われるという様子を追い、恐怖を観客に植え付けることがいかに巧みな演出にかかっているかを示している。ミヒャエル・ハネケ監督は、あらゆる場面で観る者の期待を裏切り、容赦なく苦しみへと引きずり込む。隣人が卵を貸してほしいと言ってきたら、すぐにドアを閉めて。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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