史上最高のカナダ映画13選!ドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作からバイオ・ホラーの傑作まで

Courtesy of Sundance Film Festival Trimark/Photofest
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カナダは「北のハリウッド」と呼ばれるほど映画産業が盛んな国。

実はジェームズ・キャメロンライアン・ゴズリングキアヌ・リーブス、レイチェル・マクアダムスなどカナダ出身の著名な映画人が多くいる。(ハリウッドが活躍の場になっているが)

映画産業の中心地アメリカ・ハリウッドを隣国に持つカナダは、独自の映画の文化や伝統を築き、数多くの名作を生みだしてきた。

そこでこの記事では、史上最高のカナダ映画13作品をご紹介していく。

カナダ映画の定義は様々あるが、今回はカナダ人監督が手掛けたハリウッド超大作は除外し(『タイタニック』や『DUNE/デューン 砂の惑星』など)、カナダ発の映画を中心に厳選した。

『ブラックベリー』

『ブラックベリー』 Toronto International Film Festival
『ブラックベリー』 Toronto International Film Festival

世界初のスマートフォン「Black Berry」の誕生から衰退までを実話をもとにドキュメンタリータッチで描いた作品。

1996年、オンタリオ州ウォータールー。天才技術開発者マイク・ラザリディスと幼なじみのダグラス・フレギンはコンピューター端末を搭載した携帯端末を開発していた。そこへ敏腕ビジネスマンのジム・バルシリーが参加し、完成した新製品「Black Berry」は瞬く間に大ヒットする。

しかし、2010年には世界シェア第2位を誇っていたが「Black Berry」だったが、iPhoneの登場で状況は一変する。

監督を務めたのは、ダグラス役のマット・ジョンソン。カナダ・スクリーン・アワードでは、最優秀映画賞含む6部門を受賞した。

『物語る私たち』

『物語る私たち』
『物語る私たち』

アカデミー賞脚色賞を受賞した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』で監督を務めたサラ・ポーリーが、自らの出自に向き合うドキュメンタリー

サラの父マイケルは舞台俳優、母ダイアンは女優やキャスティングディレクターとして活躍していた。奔放に生きた母ダイアンは、サラが11歳のときに亡くなってしまう。自分だけ父親に似ていないとジョークでからかわれていたサラは、父親は別にいるかもしれないと母の人生を探り出す。すると、母ダイアンの秘密の恋が明らかになっていく。

トロント映画批評家協会賞で最優秀ドキュメンタリー賞、最優秀カナダ映画賞を受賞した。

『静かなる叫び』

『静かなる叫び』 Wild Bunch
『静かなる叫び』 Wild Bunch

『ブレードランナー2049』『DUNE/デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、カナダ・モントリオールで実際に起こった銃乱射事件を元に描いた社会派ドラマ。

1989年12月6日、モントリオール理工科大学でライフル銃を手にした男子学生が、女子学生だけを狙って発砲する。14人の女子学生が殺害され、犯人は自殺を図る。生き残ったヴァレリーとフランソワは、心に傷を負い苦悩していく。

カナダのアカデミー賞に当たる第30回ジニー賞で、11部門にノミネートし最多9部門受賞した。

『CUBE』

『CUBE』 Trimark/Photofest
『CUBE』 Trimark/Photofest

謎の立方体に閉じ込められた男女6人の脱出劇を描いたカナダ発のシチュエーション・スリラー。

理由も分からぬまま、ある日立方体の連なる空間に閉じ込められた6人。脱出を試みるが、そこには恐ろしいトラップが仕掛けられていた。極限状態の置かれた彼らの精神は次第に追い詰められていく。

ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の長編映画デビュー作で、低予算ながら世界中で大ヒットした。

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『ディストピア2043 未知なる能力』

『ディストピア2043 未知なる能力』 Courtesy of Elevation Pictures
『ディストピア2043 未知なる能力』 Courtesy of Elevation Pictures

『ジョジョ・ラビット』の監督タイカ・ワイティティが製作総指揮を務めたSFアクション。

世界終戦後の2043年、北アメリカでは軍事政権が都市を支配し、人々は権利を奪われ、子どもたちは5歳になると国家の所有物とされた。先住民クリー族の女性は娘を取り戻すため地下組織に参加する。

先住民族をルーツに持つダニス・グーレが監督・脚本を務めた。

『Mommy/マミー』

『Mommy/マミー』
『Mommy/マミー』

グザヴィエ・ドラン監督が25歳で発表した『Mommy/マミー』。2014年カンヌ国際映画祭では、巨匠ジャン=リュック・ゴダールの『さらば、愛の言葉よ』と同時に審査員特別賞を受賞した。

シングルマザーのダイアンは15歳の息子スティーヴと暮らしている。スティーヴはADHD(注意欠陥・多動性障害)のため攻撃的で不安定な面があり、ダイアンは面倒をみることに不安を抱えていた。ある日、隣に住む引きこもりがちな女性カイラがスティーヴの家庭教師を買って出るのだが…。

『JUNO/ジュノ』

『JUNO/ジュノ』
『JUNO/ジュノ』

第80回アカデミー賞脚本賞を受賞したハートフル・コメディ。全米わずか7館の上映から口コミで話題となり、2000館以上の上映まで拡大し大ヒットを記録。

16歳の女子高生のジュノは、同級生と体の関係を持ち、予想外の妊娠をしてしまう。中絶を諦めたジュノは、養子を希望する理想の夫婦を見つけるのだが…。

監督を『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマンが務め、主演を『インセプション』のエリオット・ペイジが演じた。

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『ザ・フライ』

『ザ・フライ』 20th Century Fox Film Corp./Courtesy Everett Collection
『ザ・フライ』 20th Century Fox Film Corp./Courtesy Everett Collection

1958年『ハエ男の恐怖』をリメイクしたバイオ・ホラーの傑作。第59回アカデミー賞でメイクアップ賞を受賞した。

科学者のセスは物質転移装置を発明する。セスは自ら実験台になるが、装置に1匹のハエが紛れ込んでおり、やがでセスの体に異変が起き始める。

『ナワリヌイ』

『ナワリヌイ』 Courtesy of Sundance Film Festival
『ナワリヌイ』 Courtesy of Sundance Film Festival

ロシア反体制派のカリスマ、アレクセイ・ナワリヌイに迫ったドキュメンタリー。

プーチン政権へ批判を行うナワリヌイは若者を中心に支持を集めていた。しかし2020年8月、飛行機で移動中に何者かに毒を盛られ昏睡状態に陥ってしまう。奇跡的に一命を取り留めたナワリヌイは、自らその真相を暴いていく。

第95回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』 New Line/courtesy Everett Collection
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』 New Line/courtesy Everett Collection

同名グラフィック・ノベルを鬼才デビット・クローネンバーグが映画化したバイオレンス・サスペンス。

田舎町でダイナーを営むトムと妻のエディは、子どもたちを平穏に暮らしていた。ある日強盗に襲撃されるが、トムの機転により家族を救う。しかしこの事件をキッカケに妻はトムの過去に疑いを抱いていく。

主演は『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン、共演マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハートほか実力派俳優が名を連ねている。

『私ときどきレッサーパンダ』

『私ときどきレッサーパンダ』 Courtesy of Disney/Pixar
『私ときどきレッサーパンダ』 Courtesy of Disney/Pixar

トロントのチャイナタウンに住む少女メイは、過保護な母の期待に応えようと本当の自分を隠して過ごしていた。しかしある出来事をキッカケに自分を見失い、感情をコントロールできなくなる。翌朝目を覚ますと、レッサーパンダになっていた。

ディズニーピクサーによるアニメーション映画。監督は、『Bao』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したドミー・シー。

SHOGUN

『灼熱の魂』

『灼熱の魂』 Sony Pictures Classics
『灼熱の魂』 Sony Pictures Classics

『ブレードランナー2049』『DUNE/デューン 砂の惑星』を手掛けたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作。

中東系カナダ人のナワルは、実の子である双子の姉弟ジェンヌとシモンヌに心を開くことなく、遺言と手紙を遺してこの世を去る。この手紙によって初めて兄と父の存在を知った2人は、遺言に導かれ母の故郷を訪ねてみると、壮絶な過去を知ることになる。

レバノン出身のカナダ人劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲を映画化し、カナダ版アカデミー賞のジニー賞で作品賞、監督賞含む8部門受賞した。

『C.R.A.Z.Y.』

『C.R.A.Z.Y.』
『C.R.A.Z.Y.』

1960年代のカナダ、保守的な家族のもとで5人兄弟の4男として育ったザック。1970年代に思春期に足を踏み入れたザックは、同性に惹かれ始めた自身のアイデンティティと父親の価値観との間で葛藤する。

デヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイドなど時代を彩った名曲の数々とともに描かれる家族の物語。

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』のジャン・マレク・バレが監督を務め、トロント国際映画祭で最優秀カナダ映画賞を受賞した。

※本記事は英語記事から抄訳・要約しました。

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