映画『マインクラフト/ザ・ムービー』観客のマナー問題が話題に

(L-r) JACK BLACK as Steve, JASON MOMOA as Garrett and SEBASTIAN HANSEN as Henry in Warner Bros. Pictures’ and Legendary Pictures’ A Minecraft Movie, a Warner Bros. Pictures release.
『マインクラフト/ザ・ムービー』のジャック・ブラック、ジェイソン・モモア、セバスチャン・ユージーン・ハンセン 写真:Warner Bros. Pictures
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映画『マインクラフト/ザ・ムービー』の上映中、一部の劇場では観客が騒ぎ出し、食べ物や飲み物を投げたり、劇場内を荒らしたりする様子がSNSで拡散されている。中には生きたニワトリを持ち込んで退場させられた観客もいたという。

この混乱を受け、国際的な映画館業界団体「Cinema United」は、自主的なガイドラインを提示。上映前の注意喚起アナウンスや、状況が悪化した場合の警察への通報を推奨しており、実際に警察が呼ばれたケースも報告されている。

劇場側は対応に追われており、後片付けを担当するスタッフの間では不満の声が高まっている。

イギリスの映画館チェーン「Cineworld」はInstagramでこの騒動に反応し、「拍手、歓声、『アイ・アム・スティーブ!』と叫ぶのは大歓迎」としながらも、「クリーパーになりきらないで。物を投げたり、汚したり、スクリーンを撮影したりしないように!(それは海賊行為ですよ)」と注意を呼びかけている。

映画のレーティングはPG(保護者の指導が推奨される)だが、ニュージャージー州のある映画館はFacebookに声明を投稿し、「未成年の来場者は保護者または責任ある大人の同伴が必要」と発表。具体的な内容には触れていないが、「不幸な出来事」があったためとしている。

そもそも、なぜこんな事態が起きているのか?

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』では、4人のはみ出し者たちがポータルを通ってブロックで構成された世界に迷い込み、ジャック・ブラック演じるスティーブの助けを借りて現実世界に戻る冒険が描かれる。劇中では、ニワトリの背中にベビーモンスター(ゾンビ)が乗る“チキンジョッキー”という、ゲーム内でも極めて珍しいシーンがあり、その瞬間に観客の興奮が爆発。この瞬間が、あたかも『アベンジャーズ/エンドゲーム』でキャプテン・アメリカがソーのハンマーを掴んだシーンのような扱いを受けている。

この「チキンジョッキー!」のシーンを撮影したTikTok動画が週末に拡散されたことが発端となり、特に10代の男子の間でリアクションが過熱。こうした盛り上がりが各地の劇場での騒動につながっていると見られる。

映画は公開からわずか6日間で、北米だけで1億8500万ドル、全世界で3億8000万ドル以上の興行収入を記録。予想を大きく上回る大ヒットで、2023年の大ヒット作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をも凌ぐペースとなっている。現在のところ、配給のワーナー・ブラザースはこの件に関して公式声明を出していない。

この騒動がどれほど広がっているのかは不明だが、大手映画館チェーンからは公式な警告は出ておらず、多くの上映は大きな問題なく行われているという。ただし、予想を超える大ヒットにより人手が足りず、清掃や対応に追われる劇場も出ている。

一方、劇場スタッフたちは観客のマナーの悪さに疲弊しており、Redditの掲示板には、場内の惨状や破損被害、警察を呼んだ事例などが多数投稿されている。コロナ禍以降、サービス業全体で増えている「客の無作法」が、ここでも表面化している形だ。

映画館チェーンの経営側は、大半が沈黙を守っている。関係者によると、過去の経験から「警告を出すと逆に逆効果になる」ことを学んだためである。実際に『ミニオンズ フィーバー』の際に「バナナを投げないで」と呼びかけたところ、それがかえって悪ノリを助長してしまった例があり、最近では『ウィキッド ふたりの魔女』の上映中に「一緒に歌わないように」と求めたことも裏目に出たという。

その中、Cinema Unitedは今週、各劇場に向けて『マインクラフト/ザ・ムービー』の上映中に安全で快適な環境を保つための自主的な対策メモを発信した。そこには「上映前の注意アナウンス、掲示物、違反時の明確な措置(退場など)、さらに状況が悪化した場合には地元当局に連絡すること、特定の年齢以下の観客には大人の同伴が必要であることの注意喚起」などが盛り込まれていた。

一方、アメリカ中西部の小さな町で10スクリーンの劇場を運営しているある映画館オーナーは、「うちでは特に問題は起きていないし、むしろこの映画のおかげで久々の活気が戻った」とコメントした。もし何かあれば「その時に対処すればいい」と、前向きな姿勢を見せていた。

日本では今月25日に公開を予定している『マインクラフト/ザ・ムービー』。日本の劇場では、誰もが楽しめる映画体験が提供されることを期待したい。

※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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