2025年カンヌ批評家週間ラインナップが決定―『Left-Handed Girl(原題)』が注目作に

ショーン・ベイカーが製作した台湾映画『Left-Handed Girl(原題)』が、カンヌ国際映画祭・批評家週間に選出された。本作は、シーチン・ツォウ監督の初の単独長編作品である。台北を舞台に、シングルマザーと娘たちの奮闘を描く都市ドラマだ。脚本と編集はベイカーも担当している。
アジア・ヨーロッパの新鋭が集結
また、ヨーロッパからも注目作が集まる。カナダの『Nino(原題)』は、鍵をなくした青年が都市をさまよう姿を描く。
スペインの『Sleepless City(原題)』は、離れ離れになる親友同士を描く。ベルギーの『Kika(原題)』は、パートナーの死後に妊娠した女性の葛藤を描く。
さらにチェチェン出身の『Imago(原題)』は、自伝的ドキュメンタリー。伝統的な土地に住宅を建てる挑戦を記録する。オランダの『Reedland(原題)』では、少女の遺体を見つけた男が心を蝕まれていく。
開幕と閉幕作品も個性派ぞろい
オープニングは、ベルギーの『Adam’s Interest(原題)』。離婚後の親権争いをテーマにしている。クロージングは、日本の『Dandelion’s Odyssey(原題)』。タンポポたちが核爆発を生き延び、旅に出るアニメ作品だ。
また、特別上映枠ではフランス作品が存在感を見せる。『Baise en ville(原題)』は、職探し中の若者が街をさまようロードムービー。『Love Letters(原題)』は、妊娠を望む既婚女性2人のドラマだ。
審査員も豪華な顔ぶれ
審査員長は『ザ・ビースト』のロドリゴ・ソロゴイェン。ダニエル・カルーヤ、モロッコの記者、カナダの撮影監督、インドネシアのプロデューサーも参加する。
批評家週間は、5月14日から22日まで開催される。新人監督の登竜門として知られる部門だ。ケン・ローチやジュリア・デュクルノーも、ここから世界へ羽ばたいた。今年も新たな才能の発掘に注目が集まる。
カンヌ批評家週間 2025 ラインナップ
■コンペティション部門
『Imago』 監督:デニ・オウマル・ピツァエフ
『Kika』 監督:アレックス・プーキーヌ
『Left-Handed Girl』 監督:シー・チン・ツォウ
『Nino』 監督:ポーリン・ロケス
『Reedland』 監督:スヴェン・ブレッサー
『Sleepless City』 監督:ギジェルモ・ガロエ
『A Useful Ghost』 監督:ラチャプーム・ブーンブンチャチョーク
■特別上映(コンペ外)
『Adam’s Interest』 監督:ローラ・ワンデル(オープニング作品)
『Baise en ville』 監督:マルタン・ジョヴァ
『Love Letters』 監督:アリス・ドゥアルド
『Dandelion’s Odyssey』 監督:瀬戸桃子(クロージング作品)
(すべて原題)
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら
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