『サンダーボルツ*』主演のピュー&ハーバーが語る―スカヨハ不在の寂しさと“トム・クルーズ気分”のスタント

フローレンス・ピューとデヴィッド・ハーバーは、マーベル映画『サンダーボルツ*』のプロモーション終盤を迎えている。2人は、2021年の『ブラック・ウィドウ』以来の共演だが、今回は重要なキャストの不在がある。それがナターシャ・ロマノフ役のスカーレット・ヨハンソンだ。
『ブラック・ウィドウ』は、ナターシャとピュー演じるイェレナの過去に焦点を当てつつ、イェレナへのバトンタッチという側面もあった。物語の冒頭では、2人が“家族”として過ごした1990年代の偽装任務が描かれている。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』でナターシャが命を落とした後、イェレナは消滅(ブリップ)から戻り、ディズニー+のドラマ『ホークアイ』で、ナターシャの死の真相を知ることとなった。今回の映画では、そんなイェレナが再び命を狙われ、孤独なキャラクターたちと手を組む展開が描かれる。
姉スカーレット・ヨハンソンへの感謝と喪失感
ピューは、ヨハンソンへの感謝を語りつつ、その不在を惜しんでいるという。マーベルでのキャリアがヨハンソンとの出会いから始まったことを振り返り、彼女の存在が現場にないことへの寂しさを明かした。
レイチェル・ワイズ演じるメリーナ復活の可能性
ハーバー演じるアレクセイが再び会いたいと願うのが、レイチェル・ワイズ演じるメリーナ。『ブラック・ウィドウ』には、2人のキスシーンが含まれた削除映像も存在していた。ハーバーはメリーナの再登場の可能性を信じ、マーベルに働きかけているという。
世界第2位の高層ビルで“トム・クルーズごっこ”
ピューが注目されているもう一つの理由は、世界で2番目に高い「ムルデカ118」からのスタントシーン。これは『ミッション:インポッシブル』を参考にした演出で、彼女が自ら希望し、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギに直接メールして実現させたものだという。
多作品掛け持ちの過密スケジュールもクリア
ハーバーは本作の撮影と並行して『ストレンジャー・シングス』シーズン5や『A Working Man(原題)』の撮影にも挑んでいた。米『ハリウッド・レポーター』(以下THR)とのインタビューで、ディズニーとNetflixの協力によって、ハードなスケジュールを乗り切ることができたと語っている。
以下、THRと二人の会話(ほぼ原文まま)
フローレンス、新しいモルモットがいても、イェレナはやっぱり寂しそう。現場にはスカーレットのスタントダブル、ハイディ・マネーメイカーがいたけれど、ナターシャの不在を感じることはありましたか?
フローレンス・ピュー:それは良い指摘ね。私のマーベルでの旅は、スカーレットが私を信頼して、彼女の映画『ブラック・ウィドウ』に招いてくれたところから始まったの。だから、彼女の存在はいつも恋しい。この旅を彼女と一緒に始めて、その後一度も共演できないなんて残酷だと思う。(笑)『ブラック・ウィドウ』が最初で最後になってしまったのは不思議なこと。でも、今でも「彼女が誇りに思ってくれてるといいな」といつも思ってるわ。彼女が満足してくれてるかどうか、いつも気になってるの。現場では本当に彼女の存在が恋しいし、一緒にたくさん笑えたと思う。
デヴィッド、アレクセイは今もパームオリーブの食器用洗剤でうがいしてる?
デヴィッド・ハーバー:(笑)うがいじゃないよ!あれは歯を磨いてただけ。いや、ちょっとだけうがいしてたかも、すまん(笑)
メリーナ(レイチェル・ワイズ)への想いはまだある?
ピュー:ああ、それはロマンチック。
『ブラック・ウィドウ』以降、アレクセイとメリーナはどうなったの?
ハーバー:それは素晴らしい質問だね、実は僕もその話を掘り下げたい。
ピュー:私たちもメリーナがどうなったのか知らないのよ。
ハーバー:そう、(僕らも)知らない。マーベルの人たちとは話したことがあって、メリーナにはまだ十分な可能性があると思ってる。
ピュー:希望はある!
ハーバー:おもしろいのがね、『ブラック・ウィドウ』を撮ったとき、このシーンを本編に入れる時間はなかったんだ。あくまでスカーレットのキャラが主役だったから。でもDVD特典には…
キスシーンだ!
ハーバー:そう、クラッシュ後にレイチェルとキスする素敵なシーンがあったんだ。顔に触れるところとかもね。あれは本当にお気に入りのひとつだった。
ピュー:カットされたの?
ハーバー:そうなんだ。最後の戦いでナターシャがタスクマスターと戦ってるときに、脇役の2人を映してもね…って感じで(笑)
ピュー&ハーバー:(笑)
ハーバー:でも、メリーナがまた登場する可能性はあると思うし、アレクセイの人生に戻ってきてほしい。彼女が加われば、とても面白い複雑さが生まれると思う。
フローレンス、あの超高層ビルのスタントのことで“サッシー・カレン”がケヴィン・ファイギにメールを送ったとか。インスピレーションは『ミッション:インポッシブル』だった?
※サッシー・カレンは、強気で自己主張の激しい女性を揶揄するネットスラング“Karen”をもじった冗談めいた言い回し。ピューが茶目っ気たっぷりに自分の行動を表現したもの。
ピュー:言っておくと、あれは私のアイデアじゃないの。脚本の段階ですでに書かれてたの。でも、ビルから落ちるっていう始まり方はすごく印象的だった。カットされたときには本気で怒ったわ(笑)。でも、やっぱりトム・クルーズのスタントって、演技も含めて圧倒される。彼みたいになりたいって思わないほうがおかしいわ。私は空飛んだりバイクには乗らないけど、あれくらいのスタントはちょうどよかった。ほんの数秒でも、トム・クルーズ気分を味わえて楽しかった。
デヴィッド、前回話したときはストライキの影響で撮影が止まっていたけど、『サンダーボルツ*』『ストレンジャー・シングス』、そして『A Working Man』、全部撮れたの?
ハーバー:(笑)そう、全部やってたよ。
ピュー:働きすぎ!
ハーバー:『A Working Man』はロンドンで1日半だけ。週末だけ行った感じ。スケジュールはめちゃくちゃだったけど、どれも大好きな作品だったから断れなかったんだ。
ピュー:私も断るの苦手。
ハーバー:好きなものはどうにかして実現させたいし、スタジオもお互いの大切さを理解してくれてる。ディズニーもNetflixも協力してくれて、ありがたかったよ。みんながうまく調整してくれたおかげで、全部うまくいった。
『サンダーボルツ*』は、2025年5月2日(金)日米同時公開。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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