東宝東和、2026年からワーナー作品を配給へ|第1弾作品はマーゴット・ロビー主演『嵐が丘』

東宝株式会社は9月18日、連結子会社である東宝東和がワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループと長期的な配給契約を締結したことを発表した。2026年より、ワーナーの洋画作品の国内配給は東宝東和の子会社・東和ピクチャーズが担当する。
最初の配給作品はエメラルド・フェネル監督の『嵐が丘』となる予定で、同作は2026年内の劇場公開が決定している。本契約により、ワーナー・ブラザースの日本における劇場配給部門は事実上解体され、現在のマーケティング・配給担当者は数か月かけて東宝東和に業務を移管する。
注目すべきは、この契約が劇場配給事業のみを対象としている点だ。ワーナーの日本オフィスは、動画配信サービス、ライブイベント、DVD・ブルーレイ販売などの業務は今まで通り自社で続ける。
▼日本市場における外国映画の厳しい現状
ワーナーの戦略変更の理由には、日本映画市場で海外作品が苦戦していることが挙げられる。最近の日本では国内産作品の人気が上がっており、ハリウッド映画にとって以前より厳しい状況となっている。
実際、パラマウントやユニバーサルなど他の大手ハリウッド映画会社も、日本では現地パートナーと組んだ配給方式を取っている。ワーナーの今回の判断は、こうした業界の流れに合わせた戦略といえる。
▼既存の協力関係を正式契約に発展
以前から、ワーナー・ブラザースと東宝は協力関係にあった。東宝はレジェンダリーによる「モンスターヴァース」シリーズの日本配給を担当し、ワーナーの配給・マーケティングチームと緊密に連携してきた。
なお、ワーナーが現在積極的に取り組んでいる国内作品については、2026年と2027年に6本の公開されているが、各作品のマーケティング・配給は今回の契約の対象とはなっていない。
ワーナー・ブラザースのグローバル配給部門社長ジェフ・ゴールドスタイン氏は、新たな契約について「東宝東和グループの専門チームとの契約締結を楽しみにしています。彼らの日本市場での専門知識は、ワーナーの世界的なマーケティング・配給事業を補うものになるでしょう」と話している。
一方、東宝東和の代表取締役社長・山崎敏氏は「歴史ある象徴的な会社との新しいパートナーシップを発表できることをうれしく思います。それぞれの強みを生かし、お客様、パートナー、コミュニティにとって価値のあるものを作るために密接に連携していきます」とコメントしている。
▼WBDの日本事業は多角的に継続
配給戦略変更の一方で、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の日本事業は幅広い展開を続ける。U-NEXTと組んだ動画配信事業、ワーナー ブラザース スタジオツアー東京、アニメ制作、キャラクターグッズ、コンテンツ使用許諾、DVD・ブルーレイ販売、そしてJ:COMとのパートナーシップなど、さまざまな分野での事業を維持していく方針だ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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