『プレデター:バッドランド』監督、ジェームズ・キャメロンの“まさかの本音”を告白 「うまくいかないと思われていた」

ダン・トラクテンバーグ監督 写真:Gareth Cattermole/Getty Images
ダン・トラクテンバーグ監督 写真:Gareth Cattermole/Getty Images
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ダン・トラクテンバーグ監督は、これまでハズレ作品を生み出したことがない稀有な映画監督だ。『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)、『プレデター:ザ・プレイ』(2021)から、2025年6月配信の『プレデター:最凶頂上決戦』、そして11月7日に劇場公開される最新作『プレデター:バッドランド』まで、フィラデルフィア出身のトラクテンバーグは一貫して高い評価を受け続けている。

▼『プレデター:バッドランド』が切り開く新たな地平

『プレデター:バッドランド』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios
『プレデター:バッドランド』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios

『ザ・プレイ』でともに脚本を手がけたパトリック・アイソンと共同で構想した『バッドランド』は、ジョン・マクティアナンが1987年に世に送り出した名作『プレデター』から始まったシリーズに、全く新しい視点をもたらす作品となっている。現在9作品を数える本シリーズにおいて、ダン・トラクテンバーグ監督は大胆な挑戦を行った。それは、これまで確立された悪役であるプレデターを主人公に据えるという試みだ。

『プレデター:バッドランド』の物語の中心となるのは、デクという名のプレデター。デクは一族から見捨てられ、自らの価値を証明するため兄の船を盗み、宇宙で最も危険な惑星へ向かう。その惑星で出会ったのが、エル・ファニング演じるウェイランド・ユタニ社製アンドロイドのティア。ティアは、説得を重ねることでデクに自分が探求に不可欠な存在であることを理解させていく。

▼ニュージーランドロケとジェームズ・キャメロンとの運命的な出会い

『プレデター:バッドランド』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios
『プレデター:バッドランド』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios

ダン・トラクテンバーグ監督は、惑星の異世界的な雰囲気を映像で表現するために、豊かな自然環境が必要だと考えた。そして、撮影地として選ばれたのがニュージーランド。撮影準備を進めていたある日、トラクテンバーグ監督は20世紀スタジオの同僚から思いがけない招待を受けた。招待の主は、映画界の巨匠ジェームズ・キャメロンだった。

ジェームズ・キャメロン監督はニュージーランドのウェリントンに居住し、そこを拠点に映画制作を行っている。『プレデター』の姉妹的シリーズである『エイリアン』の第2作『エイリアン2』を手がけた監督として、キャメロン監督のアドバイスは計り知れない価値を持つはずだった。トラクテンバーグ監督は8時間かけて車を運転し、当時『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(2025年12月19日公開)の作業が進められていたスタジオへとキャメロン監督を訪ねた。

『プレデター:バッドランド』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios
『プレデター:バッドランド』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios

キャメロン監督の編集室で、トラクテンバーグ監督は『プレデター:バッドランド』の構想を詳しく説明。そしてその夜の夕食の席で、キャメロン監督は重要な言葉を告げたという。トラクテンバーグ監督は、「彼が席についたとき、『君のやろうとしていることについてちょうど考えていたんだが、うまくいくと思う』と言ったんです。その励ましを胸に、私はオークランドまで戻ってスタッフに伝えました。かなり不可能な状況に挑んでそれを成し遂げてきたあの人物からの祝福は、本当に信じられないほどすばらしいものでした」と米『ハリウッド・リポーター』に明かした。

ところが、物語には意外な続きがあった。『バッドランド』のポストプロダクション段階で、トラクテンバーグ監督はキャメロン監督に完成した映画を観せる機会を得た。そこで明かされた真実は、トラクテンバーグ監督を驚かせるものだった。

ジェームズ・キャメロン 写真:Photo by Kevin Winter/Getty Images
ジェームズ・キャメロン監督 写真:Photo by Kevin Winter/Getty Images

「いくつか具体的な質問を用意していて、彼が何か役立つアドバイスをくれないかと思っていたんです。それで数か月前に彼に映画を観せたところ、彼は『正直に言わなければならない。最初に君がやろうとしていることを聞いたとき、うまくいくとは思わなかった。でも何てこった、君はやり遂げたじゃないか』と言ったんです」と、トラクテンバーグ監督は笑いながら回想する。

「彼は私にとって非常に意味のあった最初の会話を覚えていなかったか、あるいは私のような立場の人間が物事を成し遂げるために何を聞く必要があるかを本当に理解しているかのどちらかです。私は後者だと思います」と、トラクテンバーグ監督は語る。「彼は、まさに適切なタイミングで私たちに追い風を吹かせてくれました。彼には、特別な感謝の言葉を贈らなければなりません」

映画『プレデター:バッドランド』は、2025年11月7日(金)世界同時公開。

 ※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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