綾野剛、枯れかけた男の色気で新境地！映画『星と月は天の穴』最新映像公開 ―― 共演・咲耶、田中麗奈らと織りなす大人の愛憎劇

▼荒井晴彦監督と綾野剛が再タッグ、吉行淳之介原作を映画化

日本映画界の重鎮・荒井晴彦監督と綾野剛が再びタッグを組んだ映画『星と月は天の穴』が、12月19日よりテアトル新宿ほか全国で公開される。本作は吉行淳之介の芸術選奨文部大臣受賞作品を原作とし、過去の傷から女性との関係に一線を引きながらも愛を求めずにはいられない40代小説家の姿を描いている。

『星と⽉は天の⽳』12⽉19⽇（⾦）テアトル新宿ほか全国ロードショー © 2025「星と⽉は天の⽳」製作委員会

荒井晴彦監督は『Wの悲劇』『共喰い』など数々の作品でキネマ旬報脚本賞を5度受賞しており、橋本学と並んで最多受賞記録を持つ。監督作品では一貫して人間の本能である愛と性をテーマに据え、観る者の感情を深く揺さぶる作品を生み出してきた。本作でも昭和の時代を舞台に、男女の心理的な駆け引きをエロティシズムとペーソスを交えて描き出している。

▼綾野剛演じる主人公を翻弄する女性たちにフォーカスした新映像が解禁

映画『星と月は天の穴』特別映像

このたび解禁された新たな映像では、綾野剛が演じる主人公・矢添克二と、彼の心を揺さぶる女性たちとの関係性にスポットが当てられている。矢添は離婚のトラウマと自身の秘密へのコンプレックスから、女性との深い関わりを避けようとする。しかし咲耶演じる大学生・紀子や田中麗奈演じる娼婦・千枝子をはじめとする女性たちは、そんな彼の防御壁を軽々と越えて日常に入り込んでくる。

新映像では「君はいくつなんだ？」という矢添の問いかけに対する女性たちの返答が印象的だ。その答えが真実か虚構かは定かでないが、不惑を迎えた矢添にとって彼女たちは確実に心を乱す存在である。「俺は1人の女と生活していく決心をつけることができるのか」という矢添の内省さえも、女性たちは「自惚れてるのね」と一蹴してしまう。

▼綾野剛が新境地、枯れかけた男の色気を表現

綾野剛は前作『花腐し』に続き荒井監督と組み、これまでに見せたことのない枯れかけた男の色気を表現している。心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ない人物像を創り上げ、新たな演技の境地を開いている。共演陣も充実しており、新星・咲耶が無邪気さと大胆さを併せ持つ紀子を、田中麗奈が矢添との微妙な距離感を操る千枝子を演じ、女優として新たな魅力を発揮している。さらに柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子といった実力派俳優陣が脇を固める。

物語は妻に逃げられて10年、独身のまま40代を迎えた小説家・矢添の日常から始まる。彼は娼婦・千枝子と時折身体を重ねながら心の傷を癒し、自身の小説の主人公に自分を投影することで精神的な愛の可能性を探っていた。ところが画廊で出会った大学生・紀子との奇妙な関係が、矢添の閉ざされた心に変化をもたらしていく。

モノクロの映像美で描かれる昭和の空気感の中、男女の複雑な心理が繊細に表現される本作。いつの時代も愛をこじらせる男と、その心を見透かす女性たちの対峙が、スクリーン上で鮮やかに展開される。

映画『星と⽉は天の⽳』は、12⽉19⽇（⾦）テアトル新宿ほか全国ロードショー。

＜映画『星と⽉は天の⽳』作品情報＞

■脚本・監督：荒井晴彦　■原作：吉行淳之介「星と月は天の穴」（講談社文芸文庫）
■出演：綾野剛、咲耶、岬あかり、吉岡睦雄、MINAMO、原一男 / 柄本佑 / 宮下順子、田中麗奈
■エグゼクティブプロデューサー：小西啓介　■プロデューサー：清水真由美、田辺隆史　■ラインプロデューサー：金森保　■助監督：竹田正明
■撮影：川上皓市、新家子美穂　■照明：川井稔　■録音：深田晃　■美術：原田恭明　■装飾：寺尾淳　■編集：洲﨑千恵子
■衣裳デザイン：小笠原吉恵　■ヘアメイク：永江三千子　■インティマシーコーディネーター：西山ももこ　■制作担当：刈屋真　■キャスティングプロデューサー：杉野剛
■音楽：下田逸郎　■主題歌：松井文「いちどだけ」他　■写真：野村佐紀子、松山仁　■アソシエイトプロデューサー：諸田創　
■製作・配給：ハピネットファントム・スタジオ　■制作プロダクション：キリシマ一九四五　■制作協力：メディアミックス・ジャパン　
■レイティング：R18＋ ©2025「星と月は天の穴」製作委員会　■上映尺：122分

記事／和田萌