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【読者プレゼント・ネタバレあり】映画『ウィキッド 永遠の約束』メイキング ―― 炎×宙吊り×ライブ歌唱!アリアナ&シンシアが明かす、知られざる舞台裏

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映画『ウィキッド 永遠の約束』メイキング ―― 炎×宙吊り×ライブ歌唱!アリアナ&シンシアが明かす、知られざる舞台裏
アリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Universal Studios
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[※本記事では、映画『ウィキッド 永遠の約束』の内容に触れている部分があります。]

ブロードウェイで20年以上愛され続けた傑作ミュージカル『ウィキッド』。その待望の映画化第2弾『ウィキッド 永遠の約束』では、アリアナ・グランデシンシア・エリヴォが前代未聞の挑戦に挑む。炎に囲まれ宙を舞い、CGIなしの特殊メイクで長時間の撮影をこなし、全編をライブで歌唱する──舞台の枠を超えた、圧巻の映像体験がここに誕生した。

本記事では、ジョン・M・チュウ監督率いる製作陣とキャストが明かす、映画『ウィキッド 永遠の約束』の知られざる舞台裏や撮影秘話を紹介する。

▼炎と風の中で歌う!エルファバの迫力シーンの撮影秘話

シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より
シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Universal Studios

『ウィキッド 永遠の約束』で最も印象的なシーンの一つが、シンシア・エリヴォ演じるエルファバの大迫力ソロナンバー「ノー・グッド・ディード」だ。

■実際に炎と風に囲まれて歌唱

このシーンでは、シンシア・エリヴォはハーネスを装着して本物の炎に囲まれながら、ライブで歌唱している。地上約5.5メートルまで一気に吊り上げられ、うつ伏せの状態で空を飛びながら歌うという、想像を絶する撮影方法だった。

「床と平行な状態で足は地面から離れ、基本的にはうつ伏せで空を飛んでいる状態。今考えてもクレイジーな方法でした」と、エリヴォは振り返る。

サウンドミキサーのサイモン・ヘイズは、強烈なウィンドマシンの風を避けるため、帽子のつばの内側にマイクを隠す工夫を施した。「みんな、何が起きても彼女の帽子のつばにだけは風を当てるな」と、現場で指示し続けたという。

▼なぜ2部構成?ジョン・M・チュウ監督が語る決断の理由

(左から)シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョン・M・チュウ監督、『ウィキッド 永遠の約束』撮影現場にて
(左から)シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョン・M・チュウ監督、『ウィキッド 永遠の約束』撮影現場にて 写真:Universal Studios

『ウィキッド』を映画化するにあたり、最大の論点となったのが「1本にするか、2本にするか」という問題だった。

■観客に感情を信じてもらうための時間

ジョン・M・チュウ監督は、2部構成を強く推し続けた。その理由について、監督は次のように語る。

「観客に、エルファバとグリンダが直面している危うさや感情的な葛藤、命がけの状況を信じてもらうには、時間が必要でした。彼女たちの子ども時代、教わったこと、そして目の前で崩れ去ったものを描く必要があったのです」

■舞台版60分の第2幕を長編映画へ

クリエイティブチームにとっての最大の課題は、舞台版では約60分しかない第2幕を、1本の長編映画に膨らませることだった。脚本家のウィニー・ホルツマンとデイナ・フォックスは、アリアナ・グランデ演じるグリンダというキャラクターを深掘りすることで突破口を見出した。

「グリンダが経験していることをより緻密に、ニュアンス豊かに描けることに気づきました。それは、エルファバの成長もより際立たせることにつながったのです」と、ウィニー・ホルツマンは語る。

▼グリンダ役アリアナ・グランデの新たな一面

アリアナ・グランデ、『ウィキッド 永遠の約束』より
アリアナ・グランデ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Universal Studios

■幼少期のフラッシュバックシーンが追加

『ウィキッド 永遠の約束』では、幼いグリンダが自分の誕生日パーティーで呪文を唱えようとして失敗するシーンが追加された。これは、アリアナ・グランデ本人にとっても驚きだったといい、「子ども時代のフラッシュバックがあるとは知りませんでしたが、役作りの際によく参考にしていたエピソードだったので、うまくいきました」と明かした。

■グリンダの心の葛藤を描く長回しとクローズアップ

グリンダの劇的な変化を描くため、長回しのショットや、最も辛い瞬間にはクローズアップが多用された。

「心を痛めるような出来事に直面するグリンダを見ると、こうした暗い瞬間こそが、彼女を再び光の方へと押し戻しているのだとわかるはずです」と、グランデは説明する。

▼CGIなしの緑メイク!12時間耐える特殊メイクの技術

シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、『ウィキッド 永遠の約束』より
シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Giles Keyte/Universal Pictures

エルファバの象徴的な緑色の肌は、すべて実際のメイクで再現されている。

■黄色い蛍光ベースから始まる緑色の創造

ヘア&メイクアップデザイナーのフランシス・ハノンは、緑色の肌のベースとして黄色い蛍光のアイシャドウを使用し、エアブラシで色を重ねていった。このプロセスは当初2時間以上を要し、キャラクターの年齢に合わせて薄れていく「そばかす」も手描きで加えられた。

■シンシア・エリヴォがCGIを拒んだ理由

シンシア・エリヴォにとって、CGIではなく実際のメイクを施すことは非常に重要だった。

「鏡を見た時に、そこにエルファバというキャラクターがいてほしかった。また、周りの人たちにもその姿で見てもらいたかった。周囲の反応が、私の演技に影響を与えることもあるとわかっていましたから」

▼全編ライブ歌唱の挑戦

シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より
シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Universal Studios

『ウィキッド 永遠の約束』の最大の特徴の一つが、大部分の楽曲がライブで歌われていることだ。

■事前レコーディングからライブ歌唱へ

撮影開始当初、俳優たちは一部のテイクをライブで歌い、ほかは口パクで演じていた。しかし、編集室で初期のシーンを確認したチュウ監督はライブテイクの魅力に惹かれ、方針を転換した。

セットにはピアノが置かれ、音がイヤモニに送られることで、ソロ曲では俳優たち自身のテンポで歌うことが可能になった。

■3つの音源をブレンドする技術

マイクは帽子の内側や衣装の下に仕込まれ、さらにブームマイク(長いポールの先にマイクを付け、演者の頭上から音声を収録する機材)も併用された。サウンドミキサーのサイモン・ヘイズは、これら3つの音源をブレンドして最適な音を作り上げた。

▼物語に深みを与える2つの新曲

アリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より
アリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Universal Studios

作曲家スティーヴン・シュワルツは、『ウィキッド 永遠の約束』のために2つの新曲(「No Place Like Home」と「The Girl in the Bubble」)を書き下ろした。

■エルファバの「No Place Like Home」

シンシア・エリヴォの歌声をイメージして書かれた「No Place Like Home」は、動物たちが逃げ出していくシーンを通じ、エルファバのオズへの愛を掘り下げている。

「エルファバはどこにも属したことがありませんでした。“なぜ自分を望んでいない場所のために戦い続けるのか”という問いを突きつけられたのは、これが初めてだったのではないでしょうか」と、シンシア・エリヴォは語る。

■グリンダの転換点となる「The Girl in the Bubble」

「The Girl in the Bubble」は、グリンダがこれまでの平穏な生活を捨ててエルファバを助ける決意をする、転換点となるシーンで歌われる楽曲だ。このシーンは、グリンダの部屋にある何枚もの合わせ鏡の中をカメラとアリアナ・グランデが出入りする形で撮影された。

「音楽的には派手ではなく、非常にシンプルで内省的な曲にしたかったんです。アリアナの持つ、静かで哀愁を帯びた声の魅力を活かしました」と、スティーヴン・シュワルツは説明する。

▼実写セットとVFXの融合技術

ジョナサン・ベイリー、アリアナ・グランデ、『ウィキッド 永遠の約束』より
ジョナサン・ベイリー、アリアナ・グランデ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Universal Studios

『ウィキッド 永遠の約束』には、1,800以上のVFXショットが施されている。

■本物の植物で作られたエルファバの隠れ家

プロダクションデザイナーのネイサン・クロウリーは、エルファバの隠れ家をサウンドステージ上に建設した。しなやかな木材や枝を編み込んだ巨大な彫刻のような「巣」には、本物の植物や苔が植えられ、夜間は植物育成ライトで管理された。

■900万本のチューリップ畑

イギリス・ノーフォークの屋外の畑では、ネイサン・クロウリーが農家に依頼して900万本の色彩豊かなチューリップを植えた。

「自分たちの手で作り、彫刻し、色を塗ったからこそ、この映画には『手作り感』が宿っています。それが、オズという世界に必要なノスタルジーを与えているのです」と、クロウリーは言う。

▼最終楽曲「For Good」撮影の感動秘話

(左から)シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョン・M・チュウ監督、『ウィキッド 永遠の約束』撮影現場にて
(左から)シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョン・M・チュウ監督、『ウィキッド 永遠の約束』撮影現場にて 写真:Universal Studios

作品のタイトルにも通じる最後の楽曲「For Good」は、ジョン・M・チュウ監督が撮影にあたって最も緊張したシーンだった。

■雨による予定変更が生んだ奇跡

当初、屋外での撮影が予定されていたが、雨で中止に。シーンの撮影は、予期せず前倒しで行われることになった。

■パワフルな再会から、静かな別れへ

いざ撮影が始まると、チュウ監督はその場の感情の流れに任せることにした。「For Good」が犠牲についての歌であり、悲劇的な瞬間に互いに強さを与え合うための歌であることに気づいたという。

「編集の結果、非常に自然でシンプルに仕上がったところが気に入っています。ですが、そこに辿り着くまでの議論は、決してシンプルではありませんでした」

編集のマイロン・カースタインは、アリアナ・グランデが鼻をすすり、笑いながら歌う予期せぬテイクに反応した。「そうした不完全さこそが、より人間らしく、地に足の着いた感情を感じさせてくれるのです」

▼『ウィキッド 永遠の約束』が映画史に刻む革新

『ウィキッド 永遠の約束』ポスター
『ウィキッド 永遠の約束』ポスター 写真:Courtesy of Universal Pictures

『ウィキッド 永遠の約束』は、ライブ歌唱、実写セットとVFXの融合、CGIなしの特殊メイク、そして2部構成による深いキャラクター描写など、数々の革新的な試みがつまった作品だ。

アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォの圧倒的な演技と歌唱、ジョン・M・チュウ監督の緻密な演出、そして製作陣の情熱が結実した本作は、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化における新たなスタンダードとなるだろう。

エルファバとグリンダの友情と葛藤の物語は、観る者の心に深く刻まれ、映画館を出た後も余韻が続く。それこそが、『ウィキッド』が多くの人々に愛される理由なのだ。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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