役所広司、宮沢賢治の父演じた「銀河鉄道の父」に期待「全国を駆け巡って」

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俳優の役所広司が主演の映画「銀河鉄道の父」が5日、全国で封切られた。役所は共演の菅田将暉、森七菜らと東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台挨拶。「スタッフ、キャストが一生懸命に作った作品。独り歩きして全国を駆け巡ってほしい」と期待を込めた。

 詩人で童話作家の宮沢賢治の父・政次郎や妹のトシの視点から家族の絆を描く、直木賞を受賞した門井慶喜氏の同名小説が原作。成島出監督が2017年に原作と出合い、「すてきな原作をすてきなメンバーで撮ることができ監督冥利に尽きる。この映画を撮るために監督になったと言えるほど感無量」との思いを込め、賢治生誕90周年の今年に晴れて公開となった。

 賢治の青年時代を演じた菅田は、病気で徐々にやせていく設定のため撮影中は食事制限をしており「皆さん、(ロケ地の岐阜県)恵那では何を食べていました?」と興味津々。すると役所が、「差し入れで頂いた五平餅。あれは物凄くうまかった。地元の人がいろいろと作ってくれて感謝ですね」とうれしそうに振り返った。菅田は悔しそうに、「なんか、おなかがすいてきた。僕は近くのスーパーでキャベツの千切りを食べていました。役者の鑑(かがみ)でしょ」と自らに言い聞かせるように話した。

 さらに役所は、2人が取っ組み合うシーンについて「アクションは大変だったよね。監督は1カットでいこうとするし、菅田くんは仮面ライダー(「仮面ライダーW」)もやっていたからちょっと怖かった」と“菅田いじり”を継続。菅田は苦笑交じりに「体力的に余裕がなかったけれど、待機場所がお寺だったので正座していたらだんだん高ぶってきた」と釈明。見学していたというトシ役の森は、「殺気すら感じるほどでした。私もいざとなったら正座します」と納得していた。

 この日は賢治の故郷、岩手県花巻市の「イーハトーブ子ども合唱隊」も駆けつけ、賢治が作詞・作曲の「星めぐりの歌」を披露。菅田は、「家族やいろいろな人の顔が浮かぶ作品。そういう方々と連絡を取ったり会ってみたりしてもらえれば、この映画にとっての幸せだと思う」と真摯に訴えた。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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