大沢たかお「沈黙の艦隊」でテロリスト役、核の脅威に真正面から挑み「問題作になると思う」
俳優の大沢たかおが主演の映画「沈黙の艦隊」の完成報告会&披露試写会が24日、都内で行われた。大沢のほか玉木宏、水川あさみ、ユースケ・サンタマリア、中村蒼、中村倫也、笹野高史、夏川結衣、江口洋介、原作者のかわぐちかいじ氏、吉野耕平監督が出席した。
1988~96年に「週刊モーニング」(講談社)で連載された人気コミックを映画化。秘密裡に建造された日本初の原子力潜水艦の艦長が、核弾頭の存在を盾に独立国家やまとを宣言し世界に選択を迫る海洋アクションで、Amazonスタジオが初めて日本の劇場用映画を製作した。
大沢はプロデューサー兼ね、防衛省や海上自衛隊の協力要請に奔走。「安全や国防などいろいろな思いを自分なりの言葉で伝えたら、今だからやるべきと笑顔で後押ししてもらった。彼らの協力なくしては完成させることはできなかった。ようやくスタートラインに立てて、ドキドキワクワクしている」と感慨深げに話した。
主演俳優としては、「主人公ではあるが事件を起こし、テロリストと呼ばれる存在。疑問を投げかけられ、その周りにいる人たちが成長していくさまを描いている、新しい構造の映画になった」と解説。その上で、「大エンターテインメントではあるが、恐らく議論が巻き起こる問題作になると思う。多くの議論を聞いて、僕自身これからの人生をどう生きるか考えていきたい」と語った。
大沢と対峙する海自の潜水艦艦長役の玉木は、「台本より、非常に素晴らしい作品に仕上がっている。ハラハラドキドキの時間が続くはず」と自信の笑顔。官房長官役の江口は、「日本国民がどのように右往左往するか気持ちを代弁するディフェンダーのような役。ハリウッドにも負けない迫力で、日本映画もここまできたと思わせる」と期待感をあおった。
かわぐち氏も、「漫画もそうだが、人間が生きていないとその世界は嘘八百になってしまう。だが、映画は(大沢が演じた)海江田が生きている力を感じた。その物語を引っ張る力によって動く周りの人間も生き生きしていた」と太鼓判。さらに、「自分の漫画の面白さを再確認できた」と自賛していた。
「沈黙の艦隊」は、9月29日から全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元