「バカ塗りの娘」オランダの日本映画祭に出品、主演の堀田真由「物語が続いている感じ」

青森県の伝統工芸・津軽塗を題材に父娘、家族の絆を描く映画「バカ塗りの娘」の公開記念舞台挨拶が2日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、主演の堀田真由と小林薫、坂東龍汰、鶴岡慧子監督が登壇した。

堀田は、父親に憧れ通称バカ塗と呼ばれる津軽塗職人を目指す主人公・美也子を演じ「美也子のひたむきに生きている姿に私自身勇気をもらいました。無垢に見えたらいいなと思い、芸能生活で初めて髪も25センチ切りました」と述懐。青森県弘前市でのオールロケから約1年後の公開には、「すごく温かいコメントをいただいて、自分が伝えたかったことが届いていることをうれしく感じます。私にとって大切な作品になりました」と感慨深げに話した。

青森では8月25日に先行公開され、堀田と鶴岡監督は弘前に“凱旋”。ねぷた祭りにも参加し、堀田は「空港にはポスターが貼ってあるし、街中に私のフラッグがあってすごく温かく迎えてもらい、実家みたいだった」と笑顔をはじけさせた。

青森では津軽塗の椀を贈られたが、「伝統が継承されていくように」という思いを込めて、小林と坂東にサプライズで津軽塗の猪口(ちょこ)をプレゼント。受け取った2人は顔をほころばせ、「今夜、早速(使います)」と声をそろえた。

本作は、9月20日からオランダのロッテルダム、アムステルダムで開催される日本文化を紹介される映画祭「カメラ・ジャパン・フェスティバル」への出品が決定。映画では津軽塗のピアノがオランダに送られるエピソードがあり、堀田は「物語が続いているような感じ」、鶴岡監督も「伝統工芸だけでなく日本の風土、家族、同性愛などいろいろなトピックが入っているので、海外の皆さんがどう感じるのか楽しみ」と期待を寄せた。

そして、堀田が「日々生きていく中で、機械化や自動化などに目を向けることが多いと思いますが、丹念に作られていく日本の文化、伝統はつなげていかなくてはいけない。この作品は間違いなく、その一つ。私も日本に生まれて良かったと思いながら撮影していました。時代は流れても、色あせない作品になりました」と自信のほどを語り締めくくった。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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