濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」ヴェネチアでお披露目「情熱的に迎えてもらいありがたい」

attends a red carpet for the movie "AKU WA SONZAI SHINAI ( EVIL DOES NOT EXIST ) " at the 80th Venice International Film Festival on September 03, 2023 in Venice, Italy.

第80回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で4日、濱口竜介監督の「悪は存在しない」がワールドプレミアとして上映された。

 アカデミー賞国際長編映画賞など国内外の映画賞を席巻した21年「ドライブ・マイ・カー」に続く新作とあって、メイン会場のサラ・グランデは満員の注目度。濱口監督と音楽の石橋英子、出演した大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁らがレッドカーペットに登場すると、沿道の映画ファンからは大きな歓声が上がった。

©Kazuko Wakayama

上映後は約8分のスタンディングオベーションが送られ、濱口監督は場内にくまなく頭を下げ感謝。「企画当初では思いもよらないほど非常に温かく、情熱的に迎えてもらいありがたく思います」と感激の面持ちで語った。

石橋も、「濱口監督との共同作業の中で自分が作るつもりのなかったものが生まれたりするのは、自分の中で宝物であり本当にありがたい体験をさせていただいたと思っている」と感慨深げ。主演に抜擢された大美賀は、「上映後の皆さんの反応が、死ぬ時に思い出しそうなくらいうれしかったです」と笑顔をはじけさせ、笑いを誘った。

©Kazuko Wakayama

「ドライブ・マイ・カー」で組んだ石橋からライブパフォーマンス用の映像を依頼されたことから、長編映画への企画として発展した「悪は存在しない」。上映後の会見ではラストシーンの意図について問われたが、濱口監督は「そんなに難しいことはないと思っています。何が起きたかは明白なので、それを考えたい人は考えていただきたいと思います」と素直な思いを口にした。

©2023 NEOPA / Fictive

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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