「屋根裏のラジャー」ジャパンプレミア開催、寺田心感慨「出られたこと、一生忘れません」
スタジオポノックの6年ぶりの長編となるアニメーション映画「屋根裏のラジャー」のジャパンプレミアが16日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、声優を務めた寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、山田孝之、イッセー尾形と西村義明プロデューサー、百瀬義行監督が出席した。
英国の作家A.F.ハロルドの「The Imaginary」が原作で、人間の少女アマンダが想像で生み出した友達のイマジナリ・ラジャーの冒険を描く。寺田は、オーディションでラジャー役を勝ち取り、声変わりの直前の昨年の夏にプレスコを行い「微妙で不安定な声でしたが、絶対に出たいと思いオーディションを受け、決まった時はうれしくて泣きました。貴重な体験でした」と感慨深げに振り返った。
アマンダ役の鈴木は、「年齢が私より低かったので、小さい時の作品を見て話し方などを確認して、アマンダに寄り添ってセリフを乗せられた」と笑顔。その母親リジー役の安藤は、アニメの声優初挑戦で「娘が原作を大好きで、読み聞かせをすると喜んでくれる。早く見せたい」と母親目線で語った。
百瀬監督は、かつて所属したスタジオジブリで原画など中核を担ってきたベテラン。「アニメーションとは命を吹き込む作業で、絵で描いたキャラクターに声優の皆さんの声でさらに生身の感じを与えてくださった。作画とそれ以降の作業がつながった、とってもいい経験をさせてもらった」と声優陣に感謝した。
西村プロデューサーは、師と仰ぐ故高畑勲監督に思いをはせ、「高畑監督がいなかったらアニメーション業界を志していなかったし、百瀬監督とも出会っていなかった。もう1本作ろうという約束はかなわなかったが、今日は最も手厳しい人に見てもらうために、高畑監督の席をつくってもらっています」と万感の表情。寺田も、「スタッフと俳優の皆さんが何年もかけて作った、思いの詰まった作品。出られたことを、僕は一生忘れません」と言葉に力を込めた。
「屋根裏のラジャー」は、12月15日から全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元