三谷幸喜監督5年ぶり新作「スオミの話をしよう」、長澤まさみ主演で来年9月公開
三谷幸喜監督・脚本の5年ぶりとなる映画最新作「スオミの話をしよう」が、来年9月13日に公開されることが13日、東宝の2024年ラインナップで発表された。長澤まさみが主演を務める。
三谷監督が、「今の日本映画界で最も力があって輝いている女優」と絶賛するのが長澤。
これまで14年の舞台「紫式部ダイアリー」、16年のNHK大河ドラマ「真田丸」など脚本作には出演しているが、映画は初めて。
「彼女の魅力をスクリーンに収めたかった。こんな長澤まさみが見たかったと思ってもらえる」と、主人公のスオミ役を当て書きした脚本を作り上げた。
大富豪の夫人のスオミが突然失踪。大富豪が足跡をたどるため、かつてスオミの元夫だった4人の男を屋敷に集めるが、それぞれが語る彼女のイメージは全く異なっていたことから謎が深まっていく物語だ。
今年夏に撮影が行われ、現在はポストプロダクションの真っ最中。
「はっちゃけたイメージがあると思うが、凄く繊細なお芝居をされて、役を掘り下げて納得がいくまで繰り返す方。僕がOKと思っても、もう一回お願いしますということが何度もあった。コメディエンヌと同じくらい芝居上手。ちょっとだけ歌、踊り、アクションもあって、彼女の全てがあると言っても過言ではない」と自信のほどを語った。
5人の男たちのキャスティングについては、「言いたいけれど、言ってはダメだと言われている」と不満げ。
それでも、「キャラも多彩で素晴らしい俳優さんばかり。今まで僕の作品に出てきていない人に集まってもらった。佐藤浩市、中井貴一、西田敏行は出ていません」と冗談めかした。
そして、「ジャンルを作る側が言うのは違う。お客さんが見た上で判断するもの」と言いつつ、「この映画はミステリー、コメディ、恋愛映画です」とあっさり宣言。
「ミステリーについては、黒澤明監督の『天国と地獄』を目指そうと、ちょっと大きく言ってしまいます。僕はコメディしか作らない人間なので、笑ってもらうことが大前提。いろいろな愛の形も見えてくるので、デートムービーにもなっています」と持論を展開した。
また、東宝は2023年の年間興行収入が800~830億円前後と推定。2016年の854億円に次いで同社の歴代2位の記録となる。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元