カンヌ映画祭 2024より、必見の10本を紹介 ― コッポラ、ランティモス最新作も!

『モーテル・デスティーノ(原題)』写真: COURTESY OF THE MATCH FACTORY
『モーテル・デスティーノ(原題)』写真: COURTESY OF THE MATCH FACTORY
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今年のカンヌ国際映画祭にはフランシス・フォード・コッポラヨルゴス・ランティモスデヴィッド・クローネンバーグら名匠の最新作から、ジョージ・ミラー監督の前日譚『マッドマックス:フュリオサ』まで、多数の注目作が出品されている。

以下、米『ハリウッド・リポーター』の映画批評部門編集長、デヴィッド・ルーニーが映画ファン必見の10作品をセレクトした。

1.『アノーラ』

2017年に『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』がカンヌ監督週間、21年に『レッド・ロケット』がコンペティション部門で上映されたショーン・ベイカー監督最新作。

今年は、マイキー・マディソン主演の『アノーラ(原題)』でパルムドールの有力候補となっている。ブルックリンの若いセックスワーカーの女性が富豪の息子と衝動的に結婚するものの、その噂がロシアに伝わったことで、シンデレラのような夢物語に混乱が生じていく様子を描いたコメディー作品。

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2.『ジ・アプレンティス』

アリ・アッバシ監督(『聖地には蜘蛛が巣を張る』)の本作は、“アメリカの王朝”に火をつけたファウスト的な契約に切り込んだ作品となるだろう。

セバスチャン・スタンがドナルド・トランプを演じるほか、キャストにはジェレミー・ストロング(ロイ・コーン役)、マリア・バカローヴァ(イヴァナ・トランプ役)、マーティン・ドノヴァン(フレッド・トランプ役)が名を連ねている。

3.『バード』

『バード(原題)』写真: Atsushi Nishijima
『バード(原題)』写真: Atsushi Nishijima

ドキュメンタリーやテレビ作品で活躍し、映画『アメリカン・ハニー』ではアメリカに生きる若者のサブカルチャーを描いたアンドレア・アーノルド。新作『バード(原題)』で、自身の代表作『フィッシュ・タンク』を彷彿とさせるイギリスの“キッチンシンク・リアリズム”へと回帰した。

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英・ケント州が舞台の本作で、バリー・コーガンが不法占拠した家で2人の息子を育てる父親を演じている。息子の1人が冒険を求めて出かけてしまい、フランツ・ロゴフスキ演じる“バード”出会う。

4.『コート・バイ・ザ・タイズ』

ジャ・ジャンクー監督にとって、6作目となるコンペティション部門出品作。20年に渡るあるカップルの儚い愛の物語を通して、21世紀の中国の変容を描き出している。

主演は、監督の妻で俳優のチャオ・タオ(『帰れない二人』)。2001年に撮影を開始した新作は、時空だけでなく、ジャ監督のこれまでの軌跡を通り抜ける作品だ。

5.『エミリア・ペレス』

パルムドールを受賞した『ディーパンの闘い』のジャック・オーディアール監督は、2018年のジェイク・ギレンホール主演作『ゴールデン・リバー』で英語作品デビュー。今回はメキシコを舞台にしたミュージカル・クライムコメディーで、その国際的な手腕を発揮している。

セレーナ・ゴメス、ゾーイ・サルダナ、エドガー・ラミレスが出演し、性別適合手術を望むカルテルのリーダーを助ける女性の姿を描く。元々はオペラとして構想されており、映画には仏歌手・カミーユが書下ろした楽曲も使用されている。

6.『マッドマックス:フュリオサ』

『マッドマックス:フュリオサ』写真: The Hollywood Reporter

2016年のアカデミー賞で6冠に輝いたジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚。

本作では、反逆の戦士・フュリオサがマックスと出会う前の若き日々を振り返る。前作でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサ役をアニャ・テイラー=ジョイが受け継ぎ、クリス・ヘムズワースが共演している。

7.『憐れみの3章』

エマ・ストーンが、『女王陛下のお気に入り』と『哀れなるものたち』に続き、ギリシャ人監督ヨルゴス・ランティモスと3度目のタッグを組んだ新作。キャストには、ジェシー・プレモンス、ウィレム・デフォー、ホン・チャウ、マーガレット・クアリーが名を連ねている。

本作は3部構成で、1話目は人生をコントロールしようとする男、2話目は、行方不明の妻が戻ってきたものの、別人のように感じてしまう警官、そして3話目は、偉大な精神的指導者となる人物を探す女性の姿を描く。

8.『メガロポリス』

フランシス・フォード・コッポラ監督が自費制作した13年ぶりの新作『メガロポリス(原題)』。出演は、アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフほか。

1億2000万ドルの製作費がかけられた本作は、ローマ叙事詩のような寓話だと表現されている。舞台は現代のアメリカで、理想主義的に対立するリーダーたちが分裂した都市の未来と人類をめぐって争う。

9.『モーテル・デスティーノ』

アリシア・ヴィキャンデル×ジュード・ロウ共演の英語作品デビュー作『Firebrand(原題)』が、2023年のコンペティション部門で様々な反響を呼んだブラジル人監督、カリム・アイノズ。

初期作品を彷彿とさせる『モーテル・デスティーノ(原題)』で、1年ぶりにカンヌへと帰ってきた。敵に狙われる青年と、虐待的な夫の残忍さに苛立つ女性の恋愛を描いたエロティック・スリラー。

10.『ザ・サブスタンス』

フランスのコラリー・ファルジャは2017年、身の毛もよだつ殺戮にまみれたスリラー『REVENGE リベンジ』でデビュー。

監督2作目となる本作には、デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイドら豪華俳優陣が集結。デビュー作以上に、血や肉片にまみれたボディ・ホラーが炸裂しているだろう。

※本記事は英語の記事から抄訳・編集しました。翻訳/和田 萌

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