イギリスNo.1ヒット『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』ある想いを胸に800キロの旅に出るロードムービー
本国イギリスでNo.1大ヒットを記録した映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』が、6月7日(金)より公開される。
原作は、世界37ヵ国で刊行され、累計発行部数600万部の大ベストセラー小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」(講談社文庫)。
日本では、2014年の本屋大賞翻訳小説部門で第2位に輝いた。
そんな世界中から愛される小説を映画化した本作。
イギリス郊外で静かに暮らすハロルド・フライが、まさかの旅へと歩みだすロードムービーだ。
ある想いを胸に800キロの旅へ一歩を踏み出す
定年退職しイギリスの郊外で暮らすハロルド・フライのもとに、一通の手紙が届く。
それは元同僚だったクイーニーからで、“余命わずか”と書かれた別れの手紙だった。
返信しようとポストに向かうハロルドだが、なかなか投函できない。
しかしある出来事で心変わりし、手ぶらのままクイーニーのもとまで歩こうと思い立つ。その距離800キロ。
ハロルドはある想いを胸に、まさかの旅へと一歩を踏み出していく。
主人公ハロルド役は、『アイリス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『ハリー・ポッター』シリーズでスラグホーンを演じたジム・ブロードベント。
彼の特徴でもあるおっとりした口調、チャーミングな佇まい、守りたくなるような哀愁は本作でも健在。
ジムにしか表現できない味わいでスクリーンを彩っている。
ハロルドの妻モーリーン役は『ダウントン・アビー』シリーズのペネロープ・ウィルトン、クイーニー役は『めぐりあう時間たち』のリンダ・バセットが演じる。
旅は人生
イギリスの南西から最北端まで、800キロを歩く決意をしたハロルド。
日本に置き換えると東京から北海道・札幌市の手前あたり。どれだけ途方もない距離なのかが伝わってくる。
一人孤独に歩く時間、人々との出会いと別れ。
旅路で起こるすべてが自分と向き合う時間となり、喜びや悲しみ、様々な感情が浮かび上がっていく。それはまるで人生の縮図のようだ。
ハロルドは蓋をしていた感情にも逃げずに向き合い、心の整理もしていく。
日々の忙しさに追われると、自分の感情に蓋をしてしまったり内観する時間が持てなくなる。やがて、自分の望みや本音さえ分からなくなってしまうことも。
ハロルドが旅を始めたのは、自分の心の声を信じたことも理由の一つ。
この旅をしてどうなるかも分からないけれど、ただ自分の内からわきあがる声を信じて一歩を踏み出したのだ。
やらずに後悔するなら結果はどうあれ挑戦してみよう、ハロルドの強い歩みと信念にそんな想いがよぎる。
イギリスの大自然に癒される
ロードムービーの醍醐味といえば、スクリーンに登場する数々のロケ地。
『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』では、イギリス郊外の美しい大聖堂や田園風景、レンガ造りの街並みが登場し、その壮大な風景に心を奪われる。
ガイドブックには載ってない地元ならではの景色が映し出されると、イギリス郊外での暮らしはどんなだろう?と思わず空想に浸ってしまったり。
撮影はケイト・マッカラで、『コット、はじまりの夏』ではアイルランドの自然が生み出す光の美しさを表現。アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した。
本作でも、光の描写がとても美しくて幻想的。部屋に差し込む日差し、木漏れ日、雲間から差す天使のはしご、そのどれもが希望を表現しているかのようで心が洗われる瞬間だ。
イギリスの自然美を味わいながら、ハロルド・フライと一緒にまさかの旅を堪能してみては?
【作品情報】
映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』
公開日:6月7日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋 他全国公開
監督 へティ・マクドナルド
脚本・原作 レイチェル・ジョイス「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」(亀井よし子 訳/講談社文庫)
出演 ジム・ブロードベント、ペネロープ・ウィルトン
公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/haroldfry/
2022年|イギリス|英語|108分|ビスタ|カラー|5.1ch|原題The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry|
日本語字幕 牧野琴子
提供:松竹、楽天 配給:松竹 後援:ブリティッシュ・カウンシル
© Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022