映画『フェラーリ』大迫力レースシーンの裏側 ― オスカー受賞撮影監督が明かす
マイケル・マンの最新作『フェラーリ』(公開中)で撮影監督を務めたエリック・メッサーシュミットが、大迫力のレースシーンの撮影について語った。
映画『Mank/マンク』でオスカーを受賞したメッサーシュミットによると、1957年のミッレミリア・レースでの激しい自動車事故シーンは、「一発勝負」だったという。特殊効果チームが、必要なスピードで走り、空中に飛び上がってから転がるように仕掛けた自走車を1台だけ製作。やり直しがきかないため、万全を期して6台のカメラでこのスタントを撮影した。
伝記『エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像』を原作とする本作は、フェラーリの生まれ故郷であるイタリアのモデナ市内外で撮影された。アダム・ドライバーが主人公フェラーリに扮し、レースの世界だけでなく私生活にも焦点を当てている。
マン監督がこのシーンのためにリサーチした50年代のル・マンでの事故などのレース映像は、メッサーシュミットにとっても役立ったそうだ。「チームは、何週間もかけて様々な車や重さを試し、車の色々な部分におもりを置いて、望む場所に車を着地させるためにテストを重ねました。マイケルは非常に細かい指示を出し、車があの溝に落ちるのを望んでいたんです」
メッサーシュミットは、太陽が低く、適切な照明が得られる特定の時間帯に撮影することを慎重に選んだ。「とにかく待ち続けて、撮影を敢行しました。そして、驚くべきことに、特殊効果チームが予測した通りの場所に車が着地したんです。初めて見る光景でしたね」
「マイケルは、観客がまるでドライバーと同乗しているかのように、とても生々しくて勢いがあるレースシーンを求めていました。また、私たちは車を高速で走らせました。ドライバーたちが慣れているスピードで、走行させたかったんです。そして、私たちはそれを実現しました」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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