ダフネ・キーンが語る、『デッドプール&ウルヴァリン』ローラ復活の裏側 ―「彼女はウルヴァリンの原動力」【インタビュー】

ローラ役俳優のダフネ・キーン 写真: Joseph Sinclair; Glam: Kate Rawsthorne; Styling: Emily Tighe
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新作『デッドプール&ウルヴァリン』(公開中)で、2017年の映画『LOGAN/ローガン』で演じたローラを再演したダフネ・キーンが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。

キーンは当時11歳で、ジェームズ・マンゴールド監督『LOGAN/ローガン』でウルヴァリンの遺伝子を受け継ぐミュータントの少女ローラ/X-23を演じ、ヒュー・ジャックマンと共演した。

同作でジャックマンはウルヴァリン役を引退し、キーンのMCUへの復帰の可能性は低くなっていたが、ディズニーとフォックスの合併後、マルチバースによってマーベルのキャラクターが同じ枠の中であらゆる組み合わせで存在できるようになった。

そして2022年9月、デッドプール役のライアン・レイノルズとジャックマンが、ショーン・レヴィ監督『デッドプール&ウルヴァリン』でウルヴァリンが復活することを発表。これによって、キーン演じるローラの再登場がほぼ不可避となっていた。

ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』への出演も記憶に新しいキーンが、『デッドプール&ウルヴァリン』への出演のきっかけや、J・マンゴールド監督とのやり取り、そしてジャックマンとの久々の再会について語った。


―ローラの復帰について、最初に提案したのは誰でしたか?

正確にはわかりませんが、この件についてショーン(・レヴィ監督)と話をしました。『LOGAN/ローガン』のレガシーを損なうことなく、ウルヴァリンのストーリーをどのように描くかという問題だったと思います。ショーンは、デッドプールがウルヴァリンにX-23について語るシーンを読んで、「X-23を登場させてはどうか」と考えたという素敵な話を聞かせてくれました。

ローラはウルヴァリンにとって大きな感情の原動力であり、ウルヴァリンは彼女の感情の原動力そのものです。そのため、ローラがウルヴァリンの人間性と共感を引き出すという考えがあったのです。みんなでそのアイデアについて考えた後、私はとても幸運なことに出演の電話をいただきました。

―あなたの復帰を噂で聞くことがないように、『LOGAN/ローガン』のマンゴールド監督に事前に連絡しましたか?

ジムと私は「スター・ウォーズ・セレブレーション」で会って、彼は復帰について触れました。「『デッドプール』に出るって聞いたよ」と言われたので、私は「そうなんです」と答えました。そこで話をしましたが、私たちは今でも時々連絡を取り合っています。彼は元気ですよ。

ジムが、『デッドプール&ウルヴァリン』を気に入ってくれることを願っています。彼が気に入らないとしたら、とても残念です。クリエイティブな面で、彼のことをとても尊敬しているんです。

ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』写真: Lucasfilm Ltd.

―ディズニーのマーケティングチームが、公開前にローラの再登場を明かすと予想していましたか?

いいえ、本当にビックリでした。フラットを内見している最中に、リオにいるショーンからテキストメッセージを受け取りました。お互いに電波状態がとても悪く、途切れ途切れにメッセージを送り合っていました。

そして、ショーンから電話がかかってきて、「リオにいて、電波が悪いんだ。他の誰かに先に伝えられる前に言っておきたかったんだけど、明日君の出演を公表することになったよ」と言われました。私は「えっ!?」と驚きました。そのことについて話し合い、2人とも大興奮でしたが、信じられませんでした。私は、サプライズ出演のままだと思っていたので。

プレミアに行ってヒューのプラスワン(同伴者)のふりをするという話もあって、それはとてもおもしろかったでしょう。みんな「この子は何をしているんだ?明らかに映画に出演しているじゃないか」と思ったでしょうね。

―予告編で見られるように、ローラはキャンプファイアの近くでウルヴァリンと非常にドラマチックなシーンを演じます。ヒューとあなたにとっても、感動的なシーンでしたか?

そうですね、演じるのはとても楽しかったです。人生で唯一の父親的存在を失い、約10年後に父親と再会するものの、彼はあなたが娘だということを知らず、あなたとの絆もないという状況を想像してみてください。だからこそ、彼らがほぼすべてのユニバースで父と娘のような関係になるのは、心が痛むと同時に美しいことなのです。

出会ってすぐに、ウルヴァリンはローラとの会話に心地よさを感じています。彼は他の誰ともそのような会話をしなかっただろうし、彼女も同様です。たとえウルヴァリンがローラを知らなくても、彼らは一心同体なので、ウルヴァリンは確かに彼女のことを知っているのです。

だから、私とヒューにとって、本当に感動的な1日でした。キャンプファイアや森でのシーンを撮影しましたが、『LOGAN/ローガン』でも同じ状況で撮影しました。一緒に演技をしたのは、『LOGAN/ローガン』のウルヴァリンの死のシーンが最後だったと思います。そして今、私たちは復活したのです。午前3時の撮影だったので既に頭がぼーっとしていましたが、それでもとてもエモーショナルな1日でした。

ヒュー・ジャックマン、ダフネ・キーン 7月、『デッドプール&ウルヴァリン』ワールドプレミアにて 写真: Jamie McCarthy/Getty Images

―ヒューと初めて再会したのはいつでしたか?

最初の再会は、衣装合わせの後でした。衣装合わせ中に、「ヒューが隣のセットにいて、あなたに会いたがっています。急いで行けますか?」と言われました。ジーンズを試着中で、タグがぶら下がったままでしたが、「はい、もちろん!」と答えました。

セットに走って入っていくと、ヒューが「なんてこった、君か!」と言いました。そしてハグしましたが、長い間会っていなかったので本当に不思議な感じでした。彼は「こんなに背が高くなって」と言い、私は「だって、12歳の時以来会っていないんですから」と答えました(笑)

その後、帰ろうとしたとき、車が止められました。「ショーン、ライアンとヒューが、君とシーンの読み合わせしたがっているよ」と言われ、私は「今ですか?」と答えました。読み合わせは、とても楽しかったです。

最初に一緒に撮影したシーンは、キャンプファイアのシーンではなく、2人ともほとんどセリフのないランダムなシーンでした。だから、カメラの外で近況を話し合うことができて、本当に良かったです。

―『LOGAN/ローガン』でのローラの地上戦とワイヤーアクションは、非常に特徴的でした。『デッドプール&ウルヴァリン』で、この動きとスタイルを再現することは、最初から優先事項だったのですか?

はい。最初に行われたことの1つがスタントトレーニングで、体力を見るための身体評価をしました。幸い、『スター・ウォーズ:アコライト』の撮影を終えたばかりだったので、身軽な状態でした。また、素晴らしいスタントダブルのナディア(・ハンセル)がいて、ローラが今どのようになっているかを一緒に考えました。

『LOGAN/ローガン』へのオマージュもいくつか入れました。彼女の身体性の多くは、動作中に出す音から来ていて、足にも爪があるため、ウルヴァリンよりもキックや足さばきが多いです。『LOGAN/ローガン』でのX-24との戦いに似たシーンもありますよ。

実は昨日、『LOGAN/ローガン』と『デッドプール』のスタントトレーニングの動画を見返してみました。見た目は信じられないほど違っていましたが、戦い方がとても似ていて、それを見るのは凄く感慨深かったです。

―『LOGAN/ローガン』の映像を見たとき、どんなことが頭をよぎりますか?

奇妙なことに、つい最近別の子役の友人とこのことについて話していました。『LOGAN/ローガン』は、まるでホームビデオを見ているような感覚です。『デッドプール&ウルヴァリン』のために改めて見直したのですが、大人になってから作品を理解するのはクレイジーな感じがしました。

でも、子役時代の作品を観ると思い出ばかりが浮かぶのは、子役経験者にとってはごく一般的なことだと思います。シーンを見ては、「ああ、あの日はこんなことがあったな」とか、「ヒューがあの日セットでこんなことをしたな」と思い出します。

今観るとと本当に奇妙な感じで、まるで小さな日記を眺めているようです。ただし、それは私が出ている映画なんですけどね。直近5年間の出演作を見ても、このような感覚は全くありません。


※本記事は英語の記事から抄訳・編集しました。翻訳/和田 萌

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