遂に開幕!ヴェネツィア映画祭 2024より、必見の5本を紹介 ― 黒沢清監督『Cloud クラウド』ほか

エイドリアン・ブロディ、フェリシティ・ジョーンズ、『The Brutalist(原題)』写真: Courtesy of Venice Film Festival
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第81回ヴェネツィア国際映画祭が、現地時間28日より開催される。

今年のラインナップには、豪華スターたちの出演作が盛りだくさん。今後の賞シーズンで有力候補となりそうな作品が並ぶなか、米『ハリウッド・リポーター』の映画批評家、デヴィッド・ルーニー氏が、必見の5本をセレクトした。

1.『The Brutalist(原題)』

映画『シークレット・オブ・モンスター』、『ポップスター』に次ぐブラディ・コーベット監督の3作目。エイドリアン・ブロディ、フェリシティ・ジョーンズ、ガイ・ピアース、そしてジョー・アルウィンが出演するドラマ作品だ。

ホロコーストを生き延び、妻とともに夢を求めて1947年にアメリカへやって来たユダヤ系ハンガリー人の建築家、ラスロ・トス。貧困生活に苦しむが、やがて未来を変えるような契約が彼のもとへ舞い込んでくる。

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2.『Cloud クラウド』

Jホラー界の新たなる波のなかでも、傑出した映画製作者の1人である黒沢清。1997年に、映画『CURE』で国際的な注目を浴びた。その後も、サイコスリラーから、SF、歴史ミステリーや家族ドラマに至るまで、さまざまなジャンルの作品を生み出している。

そんな黒沢の最新作『Cloud クラウド』は、町工場で働きながら転売業で稼いでいた青年の物語。本業を辞めた青年は郊外の家を借りるが、周囲で不穏な出来事が起こり始め、日常が脅かされていく。

3.『I’m Still Here(原題)』

ウォルター・サレスが16年ぶりに、母国・ブラジルでメガホンをとった。1971年の軍事政権下のブラジルを舞台に、家族の一員が無差別な暴力の犠牲となったことで、活動家としての道を歩むことになる母親の姿を描く。

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若き日の主人公をフェルナンダ・トーレス、晩年をトーレスの実母であるフェルナンダ・モンテネグロが演じる。モンテネグロは、サレスの名を知らしめた映画『セントラル・ステーション』(1998)で鮮烈な演技をみせた俳優だ。

4.『Queer(原題)』

作家ウィリアム・S・バロウズによる因習打破的なゲイ文学作品に、欲望をテーマにしたドラマの名手であるルカ・グァダニーノが挑んだ本作。脚本は、映画『チャレンジャーズ』に次ぐ2度目のコラボとなるジャスティン・カリツケスが務め、音楽はトレント・レズナーとアッティカス・ロスが担当した。

ダニエル・クレイグが主演を務め、40年代後期のメキシコシティを舞台に、ヘロインと性の快楽に溺れる男が、裕福な家で育った元軍人の青年と恋に落ちるさまを描いている。

5.『The Room Next Door(原題)』

ジュリアン・ムーア、ティルダ・スウィントン、『The Room Next Door(原題)』写真: Courtesy of Sony Pictures Classics.

ジュリアン・ムーア×ティルダ・スウィントン共演の『The Room Next Door』で、スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバルがついに英語長編作品デビューを果たした。

原作は、2020年のシーグリッド・ヌーネスによる小説『What Are You Going Through』。若いころに同じ出版会社で働き、親しい関係にあった2人の女性。その後別々の道を歩み、1人はオートフィクション作家、もうひとりは記者になっていた。やがて、2人は再会を果たすことになる。

※初出は米『ハリウッド・リポーター』(8月21日号)。本記事は英語の記事から抄訳・編集しました。翻訳/和田 萌

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