黒沢清監督『Cloud クラウド』釜山での受賞受け凱旋、主演の菅田将暉も祝福
黒沢清監督が15日、最新作『Cloud クラウド』の東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われたトークイベントに出席した。釜山国際映画祭で「アジアン・フィルムメイカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことを記念したイベントで、主演の菅田将暉も祝福に駆け付けた。
同賞は、1年を通じてアジアの映画産業と文化の発展に貢献した人物に贈られる賞。日本人ではこれまで鈴木清順監督、若松孝二監督、是枝裕和監督、坂本龍一さんらに贈られている。
授賞式が行われたのは今月2日のオープニングセレモニー。レッドカーペットを歩いてステージに登壇したが、「あまり経験がなく、10メートルくらいのつもりだったのに30~40メートルくらいあった。特に真っすぐな部分が長くて、前にいる女優さんが優雅にしているから追い抜くわけにもいかなくて、手を振ったりはしていたけれどだんだんどう歩いていいか分からなくなった。非常に緊張したレッドカーペットでした」と苦笑交じりに振り返った。
菅田は、「おめでとうございます。こういう機会にあいさつで立てるのはうれしい限り。黒沢監督は世界中にファンがたくさんいると思うし、今さらですがうれしい気持ちです」と称賛。黒沢監督も「頑張りました」と呼応し、観客から大きな拍手を浴びた。
釜山では『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)などで知られるヨン・サンホ監督と対談。「『Cloud』を見て、菅田くんは単にうまい俳優ではなく映画を支配する力があると言っていた。うまいこと言うなあと思って、それから取材では『この映画は菅田くんが支配しています』と使わせてもらっている」と明かした。
菅田も、サンホ監督のNetflixシリーズ『寄生獣 ザ・グレイ』に出演しており「日本のカルチャーに詳しくて、リスペクトが凄くありますよね。黒沢監督が大好きなのも分かります」と納得の表情。「ホラーやスリラーなどが好きで熱弁をふるうタイプだけれど、人柄は柔らくてフランクなんですよ」と明かしていた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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