『ライオン・キング:ムファサ』敵役キロスの日本声優に渡辺謙が決定
俳優の渡辺謙が、米ディズニー映画『ライオン・キング:ムファサ』の日本語吹き替え版で、敵役のキロスの声優を務めることが21日、都内で発表された。
ムファサがジャングルの王になるまでの『ライオン・キング』の前日譚を描く実写版。ムファサとタカ(のちのスカー)の冒険の過程で、大きな壁となって立ちはだかるのがキロスだ。
「『ダンボ』、『白雪姫』、『ピノキオ』、ディズニーの作品は子供が小さい時からレーザーディスクでほぼ全作品持って見せていた」という渡辺。「素晴らしいエンタテインメントで愛、友情、映像美はあるが、必ず人生におけるアイロニーというか無常観が底辺にあるのが魅力。キロスも言ってみれば悪役だが、社会から疎外された中で必死に生きていこうという中でムファサと相対し、自分のことを守っていくという対立軸がある」と熱弁をふるった。
オリジナル版の声優はデンマークの俳優マッツ・ミケルセン。「彼も独特の俳優で、どのように演じているのかという興味もあってやってみたいと思った」と明かした。オーディションで役を射止め、超実写吹替版の監督からはからは「キロスのキャラクターは、孤⾼の存在感と確かな演技⼒を兼ね揃えた渡辺謙さんのイメージとピッタリ」と絶賛されたが、「買いかぶりです」と謙そんした。
現在アフレコの真っ最中だが、苦戦しているのは歌唱シーン。音楽のリン=マニュエル・ミランダとは旧知の仲だが、「ビートが効いてノリのいい音楽だけれど、やたら面倒くさい歌。こんなにややこしい音楽を作るヤツだとは思わなかった」と不満をぶちまけ、会場の笑いを誘った。
この日は65歳の誕生日で、ムファサ役の尾上右近が駆けつけ獅子舞と巨大なバースデーケーキで祝福。「キロスは壮大な存在で、ムファサとは光と影の関係性。ご一緒できて気が引き締まるし胸を借りられるという高揚感があります」と期待に胸を膨らませた。
渡辺も声優の経験はあるが、動物の吹き替えはもちろん初挑戦。それでも、「人生において深いところまで下がって、上がってくる瞬間が多々あると確信している。子供、家族はもちろん大人も喜んでもらえる。幅広いジェネレーションに楽しんでいただける」と自信のほどをのぞかせた。
『ライオン・キング:ムファサ』は、12月20日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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