史上最年少でオスカー主演男優賞を受賞…エイドリアン・ブロディ主演の映画『戦場のピアニスト』とは
第二次世界大戦後にヨーロッパを離れた建築家を描く新作映画『ブルータリスト』の演技で、来年のアカデミー賞の有力候補としても名前が挙がっているエイドリアン・ブロディ。そんなブロディは約20年前、ロマン・ポランスキー監督作『戦場のピアニスト』で、批評家から称賛を浴びた。
■実在のユダヤ系ピアニストを描く『戦場のピアニスト』
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46年出版の体験記に基づく『戦場のピアニスト』は、ホロコーストを生き延びたピアニストで作曲家のウワディスワフ・シュピルマンの実話を描いた物語。ユダヤ系ポーランド人のシュピルマンは大戦中に数々の苦難に直面するが、音楽を通して強さを見出していく。
ポランスキー監督は当初、映画『恋におちたシェイクスピア』に主演したジョセフ・ファインズをシュピルマン役に起用しようとしていたが、ファインズはスケジュールの都合で出演が叶わなかった。その後、大々的に役者探しが行われ、ブロディに白羽の矢が立つことになった。
■過酷な役作り…13キロ減量
ブロディは役作りのために、4人の指導者とともに1日に数時間にわたりピアノを特訓。さらに断食によって、約13キロの減量を行った。パリで撮影を敢行したときのことについて、ブロディは「パンが食べれないときにこの場所にいなければならないなんて、最悪でしょう」と回顧した。
シュピルマンが潜伏生活を送る様子は東欧で6週間にわたって撮影され、現場にいる俳優はブロディただ一人だった。「ピアノは、空腹だけでなく孤独を紛らわせるのにとても役立ちました」とブロディは振り返った。
■世界的な評価を獲得、オスカー受賞へ
『戦場のピアニスト』は2002年にカンヌ映画祭でプレミア上映され、最高賞のパルムドールを受賞。オスカー7部門にノミネートされ、監督賞、主演男優賞、そして脚色賞の3冠に輝いた。
当時29歳のブロディは、史上最年少で主演男優賞を受賞。撮影後は1年間うつ病に悩まされたことも明かしているが、「人として、私の人生を変えてくれました」と感謝の気持ちを表した。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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