『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』レビュー:アンソニー・マッキーが主演も、凡庸なマーベル作品に足を引っ張られる
![(L-R): Harrison Ford as President Thaddeus Ross and Anthony Mackie as Sam Wilson/Captain America in Marvel Studios' Captain America: Brave New World](https://hollywoodreporter.jp/wp-content/uploads/2025/02/ROC-03204_R2-H-2025.jpg)
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、アンソニー・マッキーが主演する初のキャプテン・アメリカ映画で、アメリカ大統領がレッド・ハルクに変身してワシントンD.C.を破壊するシーンが登場する。しかし、複雑なストーリーが慎重に作られたものの、創造力に欠ける凡庸な作品となっており、期待を裏切る結果となった。
ハリソン・フォードがサディアス・ロス役を演じ、大統領に就任したキャラクターは、これまでのマーベル映画での将軍や国務長官としての経験を活かして登場する。フォードはモーションキャプチャーも取り入れ、スクリーン上で存在感を放っており、マッキーと並ぶ重要な役割を果たしている。物語は、陰謀や洗脳が絡むストーリーで、インド洋の島で発見された「世界で最も多用途な元素」に関する国際的な条約を巡って進展する。
サム・ウィルソン(マッキー)とロスの関係は複雑で、一度はアベンジャーズ再建を頼まれ、次には「お前はスティーブ・ロジャースじゃない」と非難される。サムは血清を取らず、盾とウィングスーツ、戦闘技術で敵を倒しながら、己の道を貫いていく。物語には、マーベル映画のオマージュやカメオ出演も多く、パラノイアや陰謀が絡む緊張感のある展開が続く。
物語は、サムが相棒のホアキン・トレスと、高齢の元スーパーソルジャーであるイザイア・ブラッドリーをホワイトハウスの国際レセプションに連れて行ったことで動き出す。突如としてイザイアが大統領を銃撃しようとし、その殺意がボビー・ヴィントンの楽曲「Mr. Blue」によって引き起こされたように見える。しかし、これは世界規模の陰謀の始まりに過ぎず、その背後には、2008年の『インクレディブル・ハルク』以来の再登場となる科学者サミュエル・スターンズがいた。彼の計画によって次々と大惨事が引き起こされていく。
サムとトレスは戦闘機との激しい戦闘を繰り広げ、キャプテン・アメリカは悪役サイドワインダーに追い詰められる。一方、大統領のロスは怒りを爆発させながら、疎遠になった娘のことを気にかける。また、ロスの冷酷な女性セキュリティ長官も本作のアクションに深く関わる。
映画全体は表面的で、5人もの脚本家が関わっているにもかかわらず、セリフは陳腐でユーモアも乏しい。そのため、マッキーの持ち前のカリスマ性が十分に発揮されていない。上映時間は118分とマーベル作品としては短めだが、凡庸な演出のせいでそれ以上に長く感じられる。CGIの完成度も低く、物足りなさが残る。ただし、フォードの顔がレッドハルクの中に見えるのは面白いものの、そのビジュアルは『インディ・ジョーンズ』最終作の若返り処理と同程度の完成度にとどまっている。
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、2025年2月14日公開。
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※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。
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