第一回沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル、「緑の模倣者」を最優秀作品賞に選び閉幕

第一回沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル

第一回「Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」のクロージングセレモニーが11月29日、那覇市の沖縄タイムスホールで行われ、コンペティション部門の最優秀映画賞は台湾のジョン・ユーリン監督の「緑の模倣者」が受賞。マレーシアのジン・オング監督の「アバンとアディ」が審査員賞、主演俳優賞(ウー・ガンレン)、観客賞の3冠に輝いた。

ユーリン監督は、「この作品に注目し、すくい上げてくれたことに感謝します。この作品で伝えたいことと沖縄は相通じると感じた。一番伝えたいのは違う民族が共生共存する際、それぞれ違う眼差しを持っているが、それを受け入れることが大切だということ。この交流の場に感謝します」とスピーチ。審査員長のアミール・ナデリ監督は、「すべての作品が素晴らしい。その中で一番を選びました。シンプルで複雑で深い、イマジネーションをかき立てるカメラワークの正しい作品」と評した。

「アバンとアディ」は台湾の金馬賞でもウーが主演男優賞を獲得しており、代理で受賞したジン監督は「受賞は役者にとって励みになる。この感動を共に分かち合いたい」と笑顔。さらに、審査員賞で3度目の登壇となり「夢にも思わず、映画に関わったすべてのクルーにサプライズですね。招いていただいてことに感謝しますし、情熱を凄く感じた。2回目以降も応援しています」と喜びをかみしめた。

エグゼクティブディレクターの黄インイクは、「スタッフ、100人のボランティアの皆さんが頑張ってくれ、赤ちゃんの映画祭が生まれた。続けていきたいと思う」と来年以降の開催にも意欲。ナデリ監督に呼ばれ、ステージに上がったアンバサダーの尚玄は「胸がいっぱいで、とにかく感動。沖縄で映画祭をやるという夢がかなった」と涙ながらに語った。

※審査結果は以下の通り

コンペティション部門

・最優秀映画賞:「緑の模倣者」

・審査員賞:「アバンとアディ」

「クジラと英雄」

・主演俳優賞:ウー・ガンレン「アバンとアディ」

・観客賞:「アバンとアディ」

インダストリー部門

・最優秀企画賞:「沼影市民プール」

・Doc Edge賞:「Magnetic Letters」

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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