人気作家・原田マハさん、自著『無用の人』の映画化で監督デビュー
©︎藤井 保
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『キネマの神様』、『総理の夫』(共に2021)などの原作者として知られる人気作家の原田マハさんが、自著『無用の人』を自らの脚本・監督で映画化することが決まった。
『無用の人』は、2014年に刊行した短編集『あなたは、誰かの大切な人』に収録された一編。美術館で監視員として働く聡美が、1カ月前に孤独死した父親との記憶をたどり、家族からも社会からも見捨てられ独り静かに死んでいった「愛したもの」を探っていく人間ドラマだ。
原田さんは、「『まるで映像を見ているようだった』と読者の方々からよく言われます。映像を追いかけるように文章をつづる、そうやっていくつもの物語を書いてきました。そして、いつか自作を自ら映像化してみたいと心ひそかに願っていました」という。
2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2006年に作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、2017年『リーチ先生』で新田次郎文学賞を受賞するなど多くのベストセラーを生み出した。映像化された作品も多く、今夏には俳優の伊藤沙莉主演の『風のマジム』の公開が控えている。
来年に作家デビュー20周年を迎えるタイミングでの映画監督への挑戦。撮影は4月からスタートする予定で、「私の心の目が追いかけてきた映像を皆さま方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください」と意欲を見せている。
『無用の人』は、2026年の公開を予定している。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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