デヴィッド・ボウイ未公開写真集『Collaboration』公開|写真家フランク・オッケンフェルズが25年の秘話を語る
伝説的ミュージシャンと写真家の絆が生んだ写真集『Collaboration』
1991年から亡くなった2016年まで、デヴィッド・ボウイは親友である写真家フランク・オッケンフェルズ3世のカメラの前に立ち続けた。その貴重な未公開写真を収録した新刊が11月発売される。(日本での発売は現時点で未定)
ボウイ自身が提案した写真集プロジェクト
商業写真界で最も評価の高いポップ・エクスペリメンタリストの一人、フランク・オッケンフェルズ3世が、最も重要で永続的な被写体としてデヴィッド・ボウイと出会ったのは1991年のこと。ボウイがティン・マシーンのフロントマンを務めていた時期だった。
「このプロジェクトは彼のアイデアだった」とオッケンフェルズは振り返る。「最後の撮影の一つで、彼が『そろそろ本にできるだけの写真が集まったんじゃないか』と切り出してきたんだ」
2016年に癌で亡くなった伝説的ミュージシャン、デヴィッド・ボウイの貴重な瞬間を捉えた写真集『Collaboration』には、これまで一度も公開されたことのない写真が多数収録されている。
常に実験的だった撮影スタイル
64歳のオッケンフェルズは、夢幻的かつ不安定な美学を特徴とするスタイルで、長年にわたり高い需要を誇る写真家である。最近では、映画『スーパーマン』のポスター撮影でデヴィッド・コレンスウェットを、ボブ・ディランの伝記映画『名もなき者/A Complete Unknown』のマーケティング素材でティモシー・シャラメとキャストを撮影している。
ボウイは常に柔軟で、新しいアイデアに対してオープンだったという。「デヴィッドはルックブックを持ってこなかった。彼は私の目を信頼し、失敗することを許してくれた。偉大なアートの多くは、そうした挑戦から生まれるのだ」とオッケンフェルズは語る。
この信頼関係が、オッケンフェルズのお気に入りの写真シリーズを生み出した。画家フランシス・ベーコンの顔の歪みにインスパイアされ、ガラスの屈曲を使ってボウイの顔を歪ませた作品だ。
光について語り合った撮影セッション
撮影中、二人はアート、映画、そして音楽について語り合った。「デヴィッドは私のアシスタントたちに質問していた。『最近何を聴いた?何を見た?』彼らが何に興味を持っているのか知りたがっていた。彼は常に好奇心旺盛だった」
しかし、最も多く話したのは光についてだった。その性質、使い方、意味について。「光によって何が明らかになり、何が隠されるのか」について議論を重ねた。
唯一の後悔
オッケンフェルズは、最後の写真について「それぞれの瞬間に、そこにいたのは本当の自分だった」と振り返り、何も変えたくないと語る。
ただ一つだけ後悔があるという。ボウイの最後のスタジオアルバム『ブラックスター』のための撮影セッションができなかったことだ。このアルバムは、ボウイの死のわずか2日前にリリースされた。
「デヴィッドがそれほど病気だとは知らなかった」とオッケンフェルズは言う。「デヴィッドは本当に私を成長させてくれた。あのようなアーティストは常にあなたを押し上げてくれる。どこまで行けるか?どれだけ奇妙になれるか?それはユニークな関係だった」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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