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【スーパーボウル2026】バッド・バニーのハーフタイムショーを米批評家が絶賛――「人生の流れを表現した15分間の絵画」

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バッド・バニー、スーパーボウル2026ハーフタイムショーにて=現地時間2月8日
バッド・バニー、スーパーボウル2026ハーフタイムショーにて=現地時間2月8日 写真:Patrick T. Fallon / AFP via Getty Images
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現地時間2月8日(日)に開催された第60回スーパーボウルのハーフタイムショーに、ヘッドライナーとしてバッド・バニーが登場した。このパフォーマンスにはレディー・ガガやリッキー・マーティンなどのゲストもサプライズで参加し、爆発的な盛り上がりを見せた。

本記事では、米『ハリウッド・リポーター』の批評家ダニエル・フィンバーグによるハーフタイムショー評を紹介する。


ハーフタイムショー、バッド・バニー起用の意味とは?

スーパーボウルのハーフタイムショーに観客が求めるのは、「スペクタクル」や「エネルギー」だ。それを伝える手段として「音楽」があると考えられる。だからといって、すべての観客が気に入るショーは存在しない。思い返せば、ハーフタイムショーで記憶に残っているシーンは、必ずしもポジティブなものばかりではないだろう。

プエルトリコ出身でスペイン語の楽曲が多いバッド・バニーは、ハーフタイムショーに不適切だったのだろうか?いや、そんなことはない。今や米国民のほとんどはバイリンガル、あるいは多言語の学習中だ。

バッド・バニーの役割は、試合の合間に「気分転換」を提供することだった。しかし、このハーフタイムショーは大成功を収めた。

今年のスーパーボウルの前半戦は史上まれに見る最悪の展開で、ハーフタイムショーに向けた観客の期待はかなり低下していた。しかし蓋を開けてみれば、今回のハーフタイムショーは私が今まで見た中で最も構想が練られ、それを実現させたすばらしいものだった。

家族、労働、そして祝祭へ──人生を映したストーリー

確かに、おなじみのアーティストとダンサーたちがヒット曲を5曲ほど披露し、観客が一緒に歌うという演出が求められることもある。今回もバッド・バニーに合わせて歌う人は大勢いたが、彼のショーはそれだけではなかった。これは「プエルトリコとアメリカ大陸を称えるストーリー」を含んでいた。

人々がサトウキビ畑や送電線の上で働く場面から、家族、そしてプロポーズ、結婚式、楽しいパーティーへと移り変わる瞬間まで、このショーは人生のあらゆる場面を捉えていた。私はただただ「喜び」と「楽しさ」を感じた。それがこのショーの本質だったのだ。

バッド・バニー、スーパーボウル2026で“ラテン愛”が炸裂!―― 歴史的ハーフタイムショーにレディー・ガガもサプライズ参戦
バッド・バニー、スーパーボウル2026ハーフタイムショーにて=現地時間2月8日 写真:Kevin C. Cox/Getty Images

すべてのニュアンスを理解できたか?と問われれば、「いいえ」だ。そこには、私のような40代の白人男性には理解できないであろう文化的特異性も含まれていた。そうしたニュアンスに関しては、プエルトリコ人記者が解説してくれることを期待する。

しかし、このハーフタイムショーはあらゆる意味で「必要なもの」だった。生き生きとしており、単なるセットリストをはるかに超えた音楽が感じられた。

弦楽オーケストラとブラスバンドの演奏に加え、レディー・ガガがサプライズ登場し、英語で歌唱した。リッキー・マーティンやジェシカ・アルバ、カーディ・B、ペドロ・パスカルなども登場した。バッド・バニーは自分を知らない人がいる可能性を考慮し、知名度の高い友人たちを連れてきたようだ。

(左から)スーパーボウル2026のバッド・バニーによるハーフタイムショーを鑑賞するペドロ・パスカル、サプライズ登場したレディー・ガガ、リッキー・マーティン
ペドロ・パスカル、レディー・ガガ、リッキー・マーティン、スーパーボウル2026ハーフタイムショーにて=現地時間2月8日 写真:Chris Graythen/Getty Images; Patrick T. Fallon / AFP via Getty Images; Neilson Barnard/Getty Images

テクノロジーと芸術が融合した革新的ステージ

そして、セットデザインも見事だった。サトウキビ畑から都市の住宅街、ナイトクラブ、理髪店、グラミー賞授賞式(現地時間2月1日)のバッド・バニーのスピーチが流れるリビングルームまで、さまざまな要素が詰まっていた。

バッド・バニー
バッド・バニー、第68回グラミー賞授賞式にて 写真:Frazer Harrison/Getty Images

こうした豪華なセットは、過去のハーフタイムショーでも見られた。しかし、「テクノロジー」と「パフォーマンス」の融合は、これまで私が見たことのないものだった。日常生活の情景の中でバッド・バニーを追うカメラワークは、エミー賞受賞に値するものだった。

ジョン・M・チュウ監督の『イン・ザ・ハイツ』(2021年)を彷彿とさせる部分もあった。「1つの街を舞台にストーリーが展開する」手法をライブで行うという発想を実現させた、ディレクターのハミッシュ・ハミルトンに脱帽する。

そして何十人、何百人ものダンサーとパフォーマーが集い、振付は普遍的でありながら卓越していた。白いタンクトップ姿のセクシーなダンサーのみならず、スローダンスを踊る夫婦、老人、孫など、幅広い役を演じるパフォーマーがいた。

スーパーボウル2026のハーフタイムショーでパフォーマンスするバッド・バニー
バッド・バニー、スーパーボウル2026ハーフタイムショーにて=現地時間2月8日 写真:Bob Kupbens/Icon Sportswire via Getty Images

バッド・バニーは主役のパフォーマーというよりも、戯曲『わが町』の舞台監督のような役割を担っていた。中米、北米、南米のアメリカ大陸全体をグローバーズ・コーナー(『わが町』に登場する架空の街)として描いたのだ。彼は私たちのガイド役であり、街や音楽を観客に紹介していた。

スーパーボウル史に残る完成度!バッド・バニーとスタッフに感服

それ以上に感じたのは、このショーが完全に「没入型」だったということだ。一部の評論家は、バッド・バニーが起用されたことで疎外感を覚えたと主張するかもしれない。しかしショー全体のコンセプトは、すべての観客を引き込むことだった。フィールドから離れた位置にカメラはなく、ロングショットやワイドショットもほとんどなかった。

正直に言って、中には私の知らない曲もあった。披露された12曲は断片的で曲の変わり目もよく分からず、使用された曲を調べる必要があった。しかし、それも意図的だったのだろう。

なぜなら、これは「人生の連続する流れ」を表現した15分間の「絵画」だったからだ。この限られた時間の中であらゆるパフォーマンスが一体となる瞬間を、私はただただ感嘆しながら見ていた。バッド・バニーとプロデューサーたちは、決して安易な道を選ばなかったのだ。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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