アイルランド移住のロージー・オドネル、トランプ大統領に物申す

ロージー・オドネルは、ドナルド・トランプ大統領の再選を機にアイルランドへ移住した自身の決断や、最近のアイルランド首相による訪米を踏まえた自身の見解をテレビの前で語った。
先週金曜日(現地時間)、アイルランド放送協会の番組に出演したオドネル。その中で一同の話題に上ったのは先日行われたアイルランドのミホル・マーティン首相による訪米中に起こったある一幕だった。そのきっかけは会談終了後にある記者が投げかけた「なんでロージー・オドネルをアイルランドに移住させたんですか?彼女はあなたの国の幸福度を下げるんじゃないでしょうか」という質問だ。それに対し、トランプ大統領は「いい質問だ」と反応すると共に、マーティン首相がオドネルのことを「知らなくていい」と発言したのである。
このやりとりに関し、オドネルは「本当に前代未聞」だと感じると同時に、マーティン首相に対して申し訳ない気分になったのだとか。
「彼らがアイルランドの首相をあのようなやりとりに巻き込んだばかりか、ホワイトハウスを訪れた一国の首脳に相応しい敬意をもって接しなかったという事実にはただただ困惑させられました。あの後、私は首相にお詫びのメッセージをメールで送ったら、お礼をしてくれましたね。ただ、私は彼になんでトランプが大多数の人が呆れるようなやり方で私のことを標的にするのかについて、ことの経緯を知って欲しかったんです」
実は、オドネルとトランプ大統領の因縁は2006年にまで遡る。そのきっかけはオドネルが米ABCの番組『The View』に出演した際のトランプ氏に対する発言だったそう。
「番組の中でポップ・カルチャーや政治についてコメントするのが私の仕事だったんです。その当時、私はトランプの自己破産や性的暴行に関する疑惑に触れた上で、実際の彼は『アプレンティス』(トランプ大統領がかつて出演したリアリティ番組)で描かれるようなビジネスマンではなく、あれは真っ赤な嘘だと言いました。それに対して彼はとても腹を立てたようで、いまだにそのことを根に持っているんですよ。だから事あるごとに私の名前を出すんです」
また、オドネルはトランプ大統領の2期目が始まる直前、今年の1月15日にアイルランドへ移住しているが、同国への移住を計画していたのは昨年にトランプ氏が共和党の候補になった時からのことだったという。その計画を思いついたきっかけは彼女のセラピストとの「もしもトランプが再選したらどうするか」という会話だった。
「その時は二人ともありえないと思っていました。もしそうなれば、アイルランドに移住するというのが唯一の選択肢だと思っていたんです。私の祖父母の母国ですし、私は100%アイルランドの血筋を引いていますから。他に選択の余地はありません。よくみんなはなんでフランスやイタリアじゃなくてアイルランドなのかと聞きますが、それは私がアイルランド人だからです。だから私はアイルランドを選びましたし、ここに来てからは本当にアイルランドを故郷のように感じています」
更に、オドネルはイーロン・マスク氏によるトランプ大統領に対する支持についても疑問を投げかけた。Xのオーナーでもある同氏は少なくとも2億5000万ドルをトランプ陣営に寄付したとも伝えられている。
「全ての激戦州を制した大統領候補の親友がインターネットを所有しているという史上初のケースをどのように考えるべきでしょうか。本当にそのことに対しては捜査のメスが入るべきだと思っています。そうすれば集会の会場を満員にすることができたカマラ・ハリスに対してトランプが勝ったことが本当に正常な事態だったのかが明らかになりますから。アメリカ人として、民主主義を信じるものとしてなぜ私たちの国がこんなことになったのか不思議でなりません」
オドネルはトランプ政権一期目(2016-2020)の間はアメリカにとどまっていたが、今回移住を決断した背景には彼女の自閉症の娘の存在があったそうだ。
「彼(トランプ大統領)は教育省を解体してしまったんです。このままでは自閉症を抱える私の息子や、他の何人もの子供たちが十分な支援を受けることができなくなってしまいます。というのも、彼らに対する支援は州政府だけでなく連邦政府からも提供されていたからです。そうなれば自閉症を抱える子供たちにとっては大打撃ですし、それはとても酷いことです」
彼女によれば第1期トランプ政権と今回の違いは、最高裁がトランプ大統領に対して「まるで国王であるかのような、究極的な権力を認めてしまっていること」だという。今回、オドネルがアイルランド行きを決断した直接の理由は、トランプ大統領に対して批判的な発言をしてきた彼女の息子たちの身の安全を考慮したこととともに、彼女自身が「彼らの母親であるのに相応しいくらい落ち着いていられる」ためにはアメリカを離れた方が良いと感じたのだそう。
そんな彼女の娘、クレイはアイルランドを「とても気に入っている」ようだ。2週間前の夕食中にオドネルは彼女から「私はこっちの方が(アメリカよりも)気に入ってる。お母さんが普通でいられるから」と言われたのだそう。
これまで、何度もトランプ大統領に対して歯に衣を着せない発言で批判を展開してきたオドネル。そんな彼女にインタビュアーは、「あなたが反対する物事と戦うためにアメリカに残った方がいい」と感じたことはなかったか尋ねたところ、彼女は複雑な胸中を明らかにした。
「ええ、もちろん。そうすべきだという思いは強かったです。というか、それこそこれまで私がやってきたことですからね。私は公民権や同性愛者の権利、女性の権利のために戦ってきましたし、そうするのが性に合っているんだと思います。ただ、私には自閉症の子供がいますからね」
どうやら、オドネルは娘が高校を卒業するまではアイルランドに留まる予定のようだ。ただ、将来的に彼女はアメリカに戻ることを検討しているそう。というのも彼女には8月に結婚する息子のブレイクがいるからだ。
「私の息子のブレイクが8月に結婚するんですが、子供ができたら教えてくれるはずです。そうすれば私はアメリカに帰るしかありませんね。生まれたての赤ちゃんと過ごす時間はかけがえのないものですから」
依然として分断の根深いアメリカだが、全ての人々が平和な心持ちで暮らすことのできる日は戻ってくるのだろうか。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル(英語)はこちら
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