『ブラック・ミラー』シーズン7:制作陣が語る制作秘話と続編への意欲

Will Poulter in Black Mirror
『ブラック・ミラー』シーズン7のエピソード「おもちゃの一種」に出演するウィル・ポールター 写真:Nick Wall/Netflix
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Netflixの人気テレビシリーズ『ブラック・ミラー』のクリエイターであるチャーリー・ブルッカーと製作総指揮のジェシカ・ローデスがインタビューに応じ、シーズン7で描かれた各エピソードやその制作過程について語った。

※以下、『ブラック・ミラー』シーズン7のネタバレを含みます。

シーズン7「ベット・ノワール」のシエナ・ケリーとロージー・マキューアン 写真:Nick Wall/Netflix

――――『ブラック・ミラー』はもともと、イギリスの若手俳優やこれから注目される才能の登竜門として知られていました。しかし現在では、アメリカの有名俳優も参加する世界的な人気シリーズとなり、多くのスターが出演を希望してくるようになっています。そのため、すべてのオファーに応えるのは難しい状況です。そうした中で、これまで通り無名のイギリス人俳優を積極的に起用するという方針は、どのように保たれているのでしょうか?

ジェシカ・ローデス:確かに、今ではたくさんの俳優が番組に出演したいと連絡をくれるようになりました。でも同時に、「この役にふさわしいのは誰か?」を常に考えなければいけません。

チャーリー・ブルッカー:最初のシーズンまで遡っても、当時は完全にイギリスの番組でしたが、その中でもすでに英国の視聴者には馴染みのある俳優と、まったく新しい顔ぶれのミックスになっていました。海外の視聴者には馴染みがなくても、英国では知られている人たちですね。もしくは、私自身あまり作品を観たことがなかったような俳優たちもいました。こうしたバランスは番組のDNAにとって本当に重要です。というのも、各エピソードが独立したストーリーだからこそ、主演俳優が有名な場合もあれば、まったく新しい才能を紹介できる機会にもなります。そういう俳優たちは、みんな本当に素晴らしい演技をする人たちだからこそ選ばれてるんです!

「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」でのジェシー・プレモンスの再登場は、極秘でキャスティングされていた 写真:Nick Wall/Netflix

――――「宇宙船カリスター号」といえば、スター・トレック風の世界観から始まりましたが、続編の「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」では、よりスター・ウォーズ的な冒険要素が加わりました。コール役のクリスティン・ミリオティも再登場し、エピソードの最後では登場人物の多くが生き残っています。これは、今後のさらなる続編の可能性を意識してオープンエンドにしたのでしょうか? また、『宇宙船カリスター号』に続編を作ったことで、たとえば「サン・ジュニペロ」のような他のエピソードにも再び取り組みたいという思いが生まれましたか?

チャーリー・ブルッカー:続編を作るアイデアは、実は初期の頃からずっと頭の中にはありました。シーズン2の「シロクマ」を作ったときにも、「この話の続きが書けそうだな」と思っていたくらいで。シリーズを通して、エピソード間にイースターエッグ(隠しネタ)を散りばめてきたのもあって、世界観を柔軟にまたいでいける作りにはなっています。だから「宇宙船カリスター号」をやったことで「他にも続編が作れるんじゃ?」と考えたというよりは、そうした思いつきはもともと常に浮かんでいたんです。

ジェシカ・ローデス:結局はキャラクターに尽きると思います。私は番組のスタッフになる前から『ブラック・ミラー』のファンだったんですが、「宇宙船カリスター号」はとくにお気に入りのエピソードでした。一視聴者として、あのキャラクターたちがまた帰ってきたのは本当にワクワクしますし、チャーリー自身が再びその声を聞きながら脚本を書きたいと思ってくれたというのが、何より素晴らしいことでした。そうなると、過去のシーズンの中で自分が愛着を持っていたキャラクターたちの「その後」も、つい考えたくなってしまうんですよね。

チャーリー・ブルッカー:「絶対にないとは言えない」って感じです。今回の続編の終わり方も、たしかにそこから続きを作ろうと思えば作れますし、実際に前作が終わった直後にトビー(監督)から「これ続きいけるんじゃない?」って言われたこともありました。その時は「いやいや、無理無理!」って答えたんですけど(笑)。でも、時が経つと意外と忘れちゃうんですよね。あのときは「もう絶対イヤだ!」って思ってたのに、1年後には「もしかしてもう一度…」なんて(笑)。あの苦労を脳が忘れてしまうという…。だから、いつかまた…という可能性は、ゼロじゃないですよ!

シーズン7「ユーロジー」のポール・ジアマッティ 写真:Netflix

――――『ブラック・ミラー』は“死ぬまでやる”とか、“視聴者が飽きるまで続ける”って言ってましたよね。今シーズンのエピソードは、それぞれ違ったタイプのエンディングで、絶望的なものからクリフハンガー、感傷的なものまでバラエティに富んでいます。すごくバランスが取れた構成ですが、制作中に“次回にまわそう”と見送ったストーリーもあったんですか?

チャーリー・ブルッカー:ええ、すでにほぼ完成しているストーリーもいくつかありますし、逆に“物語の断片”や“アイデアのかけら”だけあるものもあります。コンセプトはあるけどストーリーがまだだったり、その逆でストーリーはあるけどテーマや設定が固まりきってなかったり。なので、いろんな段階のアイデアが混在してますね。

――――それなら、シーズン8は早く観られる可能性があるのでしょうか?

チャーリー・ブルッカー:それは、皆さんがこの番組を観てくれるかどうかにかかってます。1回じゃなくて2回、3回、4回と繰り返し観て、「この作品を観るっていう判断は正しかったのか?」と確認してくれるかどうかですね(笑)。

ジェシカ・ローデス:あとは“いいね”を押してくれるかどうかも。

チャーリー・ブルッカー:そうそう、いいねをクリックして、Netflixに「この番組を続けて!」ってメッセージを送ってくれるとか。それが一番の指標になると思います。でも、まあこの仕事は本当に楽しいので、私としてはぜひこれからも続けていきたいですね。

『ブラック・ミラー』シーズン7は現在Netflixで配信中。

※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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