『上流・下流階級物語』の共同制作者で女優のジーン・マーシュさん、90歳で死去

『Upstairs, Downstairs』について語るジーン・マーシュ 写真:Courtesy Everett Collection
『Upstairs, Downstairs』について語るジーン・マーシュ 写真:Courtesy Everett Collection
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英女優ジーン・マーシュが90歳でロンドンの自宅にて死去した。死因は認知症による合併症で、映画監督マイケル・リンゼイ=ホッグが明らかにした。マーシュは、1970年代の英国ドラマ『アップステアーズ・ダウンステアーズ』の共同制作者であり、家政婦ローズ・バック役でエミー賞を受賞したことで広く知られる。

1965年から1966年にかけては、BBCのSFシリーズ『ドクター・フー』でサラ・キングダムを演じ、シリーズに複数回登場。また1959年の『トワイライト・ゾーン』ではアンドロイド役、1982年からの『9 to 5』では毒舌秘書ロズ役を務めた。

映画では『クレオパトラ』(1963年)のオクタヴィア役や『フレンジー』(1972年)、『ウィロー』(1988年)などに出演。舞台でもロンドンとブロードウェイで活躍し、名優たちと共演した。

1985年の映画『オズ』で邪悪なモンビ姫を演じるジーン・マーシュ。写真:Courtesy Everett Collection

『アップステアーズ・ダウンステアーズ』は上流階級と使用人たちの生活を描いた作品で、マーシュは労働者階級出身の女優アイリーン・アトキンスとともに企画。全5シーズンに出演し、3年連続でエミー賞にノミネート、1975年に主演女優賞を受賞した。

2010年からのリブート版でもローズ役で出演し、エミー賞に再ノミネートされたが、軽い脳卒中のため短期間の出演となった。旧作・新作両方に登場した唯一の俳優でもある。

ロイヤリティに関して「アメリカで作られていたら私はメアリー・タイラー・ムーア。でも現実は“メアリー・タイラー・レス”」と語った。

1934年ロンドン生まれ。ベル麻痺を経てダンスを始めたことが芸能の道に繋がった。アイーダ・フォスター演劇学校で学び、1959年にブロードウェイデビュー。ローレンス・オリヴィエと共演したテレビ映画や『空騒ぎ』などにも出演。

『ドクター・フー』のサラ・キングダム役では老化して塵と化すという衝撃的な最期を演じ、メイクで段階的に年齢を表現したことを2013年のインタビューで語っている。

そのほか『デンジャーマン』『セイント』などにゲスト出演し、『チャーリー・バブルス』では報酬としてシャンパン1ケースを受け取った逸話も。1991年からはアトキンスと再び組み『エリオット家の人々』を制作、小説版も執筆した。

2012年、大英帝国勲章(OBE)を受章。結婚は一度だけで、『ドクター・フー』のジョン・パートウィーと結婚・離婚後、アルバート・フィニーらと恋愛関係にあった。

テレビ・映画・舞台・文学と幅広い分野で活躍し、労働者階級に光を当てた作品づくりと繊細かつ知的な演技で、今なお多くの人に影響を与えている。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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