カンヌ映画祭2025:前半のオスカー候補に『Nouvelle Vague』とジェニファー・ローレンスの『Die, My Love』などが挙がる

Die My Love, Nouvelle Vague, Sound of Falling
『Die, My Love』『Nouvelle Vague』『Sound of Falling』提供:Cannes Film Festival; Jean Louis Fernandez; Fabian Gamper/Studio Zentral
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カンヌ映画祭2025が開幕して1週間が経過し、参加者の間で一致している見解がいくつかある。まず、クロワゼット通りでの宣伝活動が例年に比べて著しく減少している。これは不安定な経済状況を反映しているとみられる。現在の宣伝は主に高級車と『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の展示のみだ。

また、注目作品の配給権獲得発表も少ない状況が続いている。これは同じく経済的理由か、期待作が観客の期待に応えられていないか、あるいは配給会社が『エミリア・ペレス』以降、提携先をより慎重に選んでいるためかもしれない。

『Nouvelle Vague』が最有力オスカー候補に

現時点で最も有力なオスカー候補はリチャード・リンクレイター監督の『Nouvelle Vague(原題)』だ。フランス・ヌーヴェル・ヴァーグへのオマージュ作品で、特に1960年の名作『勝手にしやがれ』を参照している。フランス語で撮影され、カンヌへの言及もあり、美しい白黒映像で映画の魔法を描いた本作は、映画愛好家の夢のような作品となっている。

パルム・ドールやその他の主要賞を獲得する可能性も高く、ジュリエット・ビノシュが議長を務める審査員にも訴求するだろう。適切な配給会社の手に渡れば、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞など複数のオスカー部門でノミネートされる可能性がある。

その他の注目作品は?

ドイツ語作品『Sound of Falling(原題)』も国際長編映画賞レースに登場する可能性がある。クリティックからは絶賛されたが観客の反応は賛否両論で、審査員からの評価が鍵となるだろう。

ジェニファー・ローレンスが主演・製作を務める産後うつを描いた『Die, My Love(原題)』では、彼女の演技が高く評価されている。配給権はMubiが2000万ドル以上で獲得した。

その他にも、ハリス・ディキンソン監督『Urchin(原題)』、クリステン・スチュワート監督『The Chronology of Water(原題)』、スカーレット・ヨハンソン監督『エレノア・ザ・グレート』といった俳優監督作品が上映され、特に最後の作品では95歳のジューンスキッブが主演女優賞レースに加わる可能性がある。

スパイク・リーとデンゼル・ワシントンが再タッグを組んだ『Highest 2 Lowest(原題)』、アリ・アスター監督『Eddington(原題)』、ウェス・アンダーソン監督『フェニキアン・スキーム』なども上映されたが、オスカー候補としての可能性は限定的だ。

アニメーション部門では、ナタリー・ポートマンが声優・製作を務めたフランス語作品『ARCO(原題)』が昨年のオスカー受賞作『Flow(原題)』の後継者となる可能性がある。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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